さい帯血を違法投与 クリニック院長や業者ら逮捕へ

さい帯血を違法投与 クリニック院長や業者ら逮捕へ
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赤ちゃんのへその緒などに含まれる「さい帯血」を、全国の複数の医療機関が無届けのまま患者に投与していた問題で警察は、東京のクリニックの院長やさい帯血の販売に関わった業者ら数人を再生医療安全性確保法違反の疑いで27日にも逮捕する方針です。
赤ちゃんのへその緒や胎盤に含まれる「さい帯血」をめぐっては、東京や愛媛などにある12の医療機関ががん治療や美容に効果があるとして、無届けのまま患者に投与する再生医療を行っていたことがわかり、厚生労働省が再生医療の一時停止を命じるとともに、一部の医療機関について刑事告発していました。

警察や厚生労働省などによりますと、無届けで投与されたさい帯血は、8年前に経営破綻した茨城県つくば市の民間のさい帯血バンクから流出し、福岡市と京都市にある仲介業者を通じて各地の医療機関に販売されたとみられています。

警察は、国への届け出などを定めた再生医療安全性確保法違反の疑いで捜査を進めた結果、東京のクリニックの院長やさい帯血の販売に関わった業者ら数人について容疑が強まったとして、27日にも逮捕する方針です。

3年前に施行された再生医療安全性確保法を適用して検挙するのは全国で初めてで、今後、警察はさい帯血の売買や無届けの投与の実態解明を進めることにしています。

さい帯血とは

「さい帯血」は、赤ちゃんのへその緒や胎盤に含まれる血液です。さい帯血には血液などの基になる幹細胞が含まれていて、主に白血病などの治療に使われています。最近では、病気やけがで失われた体の機能を取り戻す、再生医療への活用も期待されています。

去年、京都大学iPS細胞研究所は、体のさまざまな組織になるiPS細胞をさい帯血から作り出すことに成功しました。従来の方法より質の高いiPS細胞を効率よく作れるとして、研究が進められています。

こうした再生医療への期待を背景に、民間のバンクにさい帯血を預けようという動きが広がっています。このうち東京にある民間のさい帯血バンク「ステムセル研究所」によりますと、液体窒素で凍結したおよそ4万人分のさい帯血が保管され、その数は年々増え続けているということです。

このさい帯血バンクを運営する清水崇文さんは「赤ちゃんの将来のために保管できるというのが1つのメリットで、最近は再生医療への活用で注目され、保管を希望する人たちが増えている」と話しています。

さい帯血を使うには

さい帯血を医療で使うには2つの方法があります。
まず、日本赤十字社などが運営する公的なさい帯血バンクです。提携する病院からさい帯血を集め、厳重な管理や態勢のもとで第三者の白血病患者などに提供します。

もう1つが、民間が運営するさい帯血バンクです。こちらは将来、子どもが病気になった場合などに備えて、親などが保管料を支払って預けます。あくまで、提供者本人やその家族に投与するために保管するもので、研究目的以外、第三者に提供されることはありません。

再生医療安全性確保法

再生医療安全性確保法は、iPS細胞などを使ってヒトの組織や臓器をつくる再生医療の安全性を確保することを目的に、平成26年11月に施行されました。

白血病など特定の病気の治療を除き、他人のさい帯血を使って再生医療を行う場合は、事前に国に計画書を提出したうえで安全性などの審査を受けるよう定めています。

愛媛や東京、大阪など全国の12の医療機関は、こうした国への届け出をしないまま、効果が証明されていないがんの治療や美容にさい帯血を投与したとして、ことし厚生労働省から再生医療の一時停止を命じられていました。

さい帯血を違法投与 クリニック院長や業者ら逮捕へ

赤ちゃんのへその緒などに含まれる「さい帯血」を、全国の複数の医療機関が無届けのまま患者に投与していた問題で警察は、東京のクリニックの院長やさい帯血の販売に関わった業者ら数人を再生医療安全性確保法違反の疑いで27日にも逮捕する方針です。

赤ちゃんのへその緒や胎盤に含まれる「さい帯血」をめぐっては、東京や愛媛などにある12の医療機関ががん治療や美容に効果があるとして、無届けのまま患者に投与する再生医療を行っていたことがわかり、厚生労働省が再生医療の一時停止を命じるとともに、一部の医療機関について刑事告発していました。

警察や厚生労働省などによりますと、無届けで投与されたさい帯血は、8年前に経営破綻した茨城県つくば市の民間のさい帯血バンクから流出し、福岡市と京都市にある仲介業者を通じて各地の医療機関に販売されたとみられています。

警察は、国への届け出などを定めた再生医療安全性確保法違反の疑いで捜査を進めた結果、東京のクリニックの院長やさい帯血の販売に関わった業者ら数人について容疑が強まったとして、27日にも逮捕する方針です。

3年前に施行された再生医療安全性確保法を適用して検挙するのは全国で初めてで、今後、警察はさい帯血の売買や無届けの投与の実態解明を進めることにしています。

さい帯血とは

「さい帯血」は、赤ちゃんのへその緒や胎盤に含まれる血液です。さい帯血には血液などの基になる幹細胞が含まれていて、主に白血病などの治療に使われています。最近では、病気やけがで失われた体の機能を取り戻す、再生医療への活用も期待されています。

去年、京都大学iPS細胞研究所は、体のさまざまな組織になるiPS細胞をさい帯血から作り出すことに成功しました。従来の方法より質の高いiPS細胞を効率よく作れるとして、研究が進められています。

こうした再生医療への期待を背景に、民間のバンクにさい帯血を預けようという動きが広がっています。このうち東京にある民間のさい帯血バンク「ステムセル研究所」によりますと、液体窒素で凍結したおよそ4万人分のさい帯血が保管され、その数は年々増え続けているということです。

このさい帯血バンクを運営する清水崇文さんは「赤ちゃんの将来のために保管できるというのが1つのメリットで、最近は再生医療への活用で注目され、保管を希望する人たちが増えている」と話しています。

さい帯血を使うには

さい帯血を医療で使うには2つの方法があります。
まず、日本赤十字社などが運営する公的なさい帯血バンクです。提携する病院からさい帯血を集め、厳重な管理や態勢のもとで第三者の白血病患者などに提供します。

もう1つが、民間が運営するさい帯血バンクです。こちらは将来、子どもが病気になった場合などに備えて、親などが保管料を支払って預けます。あくまで、提供者本人やその家族に投与するために保管するもので、研究目的以外、第三者に提供されることはありません。

再生医療安全性確保法

再生医療安全性確保法は、iPS細胞などを使ってヒトの組織や臓器をつくる再生医療の安全性を確保することを目的に、平成26年11月に施行されました。

白血病など特定の病気の治療を除き、他人のさい帯血を使って再生医療を行う場合は、事前に国に計画書を提出したうえで安全性などの審査を受けるよう定めています。

愛媛や東京、大阪など全国の12の医療機関は、こうした国への届け出をしないまま、効果が証明されていないがんの治療や美容にさい帯血を投与したとして、ことし厚生労働省から再生医療の一時停止を命じられていました。