結婚できない男を阻む「見えない学歴の壁」

同年齢・同学歴婚進み、高卒男は八方塞がり

今は、結婚したい高卒男性にとって受難の時代といえるかもしれません(写真:スムース / PIXTA)

女性は、自分よりも収入の高い「上方婚」を志向し、男性は逆に「下方婚」を志向するという話は、以前「女性が直面する『稼ぐほど結婚できない』現実」という記事でご紹介しました。

もちろん、全ての男女にその志向が当てはまるわけではありませんが、結果として低収入男性と高収入女性の未婚率が高いことも事実です。

結婚の王道、「同類婚」の実態とは?

この連載の一覧はこちら

そうした収入による「上方婚」「下方婚」志向がある一方で、男女はともに「同類」同士でマッチングする特性があります。いわゆる「同類婚」です。

社会学的に「同類婚」とは、性別・年齢・民族・宗教・所得階層・学歴・職業などで特徴付けしますが、今回は、年齢・学歴のふたつの要素に絞って、日本における同類婚の実態について見ていきたいと思います。

まず、年齢に関して。2015年の厚生労働省「第15回出生動向調査」(未婚者が希望する結婚相手との年齢差の構成)では、未婚男性の「同い年結婚」志向が増加しているというレポートがありました。1987年時点では「同い年と結婚したい」という未婚男性はわずか8.7%でしたが、2015年調査では41.8%まで激増しています。未婚女性も8.9%から28.4%と増えています。しかし、これはあくまで未婚者の希望です。

実態はどうでしょうか?人口動態調査の経年推移で、初婚同士の結婚の年齢差をみてみましょう。戦前の1943年においては、男性のほうが平均4.5歳年上でした。が、年々その差は減少し、2010年以降は平均1.7歳差まで縮小しています。婚姻数全体に占める「同い年結婚」の割合を見て見ると、1970年は10%でしたが、2015年には21%と倍増しています。これだけを見ると、確かに「同い年結婚」志向が高まっていると言えそうです。

しかし、割合だけを見てしまうと実態を見誤ります。そもそも全体の婚姻数自体が大きく減少しているわけです。各年齢差別に絶対数での推移を比べてみましょう。

次ページ同い年婚の絶対数にはどれだけ変化が?
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • NO NAMEa14be54682cc
    強くて立派で賢い遺伝子を残したいと思うのが自然だよね。
    だって、出産育児大変だから。

    高卒や専卒でも、人として魅力的なら別なんじゃないかな。
    でも……
    大抵の男性って、自分が優位に立ちたがるし、プライドが無駄に高い。
    の割りには打たれ弱いから。
    そうなると、やっぱり自分より優れてる物が多くないと支えらんない。

    夫婦生活継続は大変だから、
    それを乗り切る
    だけの力や魅力がなくては
    結婚継続は難しいよ。


    up41
    down4
    2017/8/27 07:08
  • NO NAME2540daa75e5e
    同学歴思考とか言ってるけど、昔と違って女性の大卒率が上がってる事を考慮してない。無作為に選んだだけで、大卒どうしになるでしょ...
    up26
    down7
    2017/8/27 07:06
  • NO NAMEa20f7f73b8e3
    大卒、大学院卒の高収入女性は高卒の男性と恋愛関係に発展するところに出会う環境にいないと言うのが大きいのでは。

    高収入女性ということはそれなりの企業か団体に所属して仕事してると思いますが、そういう企業ではそもそも高卒短大卒を採用せず、同期はみんな大卒、大学院卒でその偏差値も似たようなランクの出身でしょ。

    近い年令での結婚が多いなら、そもそも結婚相手になってるのは大学時代からの恋人か、職場同期や立場が近い先輩の可能性が高いのだから、大卒女性が似たような経歴の人と結婚してるのが当然と思います。

    それを女が、同類婚、上昇婚ばかり望んでるようなミスリードしてる気がします。

    問題は恋愛のきっかけになるような出会う箇所の喪失、実は見えないところで普段の生活行動圏の分断が進んでいると言う点で、これを加味して判断する必要があり、単なる好みの変化としては捉えきれないということではないでしょうか。
    up18
    down3
    2017/8/27 07:32
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去1週間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
秋から始める<br>プログラミング

30~50代、しかも、金融、不動産など幅広い業種の社会人がプログラミングを学び始めている。1カ月でマスターする方法、高収入が得られる言語を紹介。読めば秋から始めたくなる。