『個人と個人の実にささやかな出来事を描きながら、同時に社会へのメッセージにすることは不可能か。
電信の整備、交通機関の発達、自動車社会、住宅の洋風化、食生活の変化、生活様式の近代化と「情緒」はどういう関わりを持つだろうか。
人間の表情、しぐさ、習癖は不変であろうか。時代によって全くしなくなったものもあるのではないか。七五調の他にも、音楽的快感を感じさせる言葉があるのではなかろうか。
時代というものは見えるようで見えない。しかし時代に正対しているとその時代特有のものが何であるか、見えるのではなかろうか。歌は時代とのキャッチボール。時代の中の隠れた飢餓に命中することが、ヒットではなかろうか。』
作詞家の阿久悠さんの言葉です。これは、コピーライターへのメッセージとも受け取れる気がします。歌をコピーに、音楽を広告に置き換えて読んでみると。