Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)向けに2017年末に発売される『The Elder Scrolls V : Skyrim(以下、スカイリム)』は「Special Edition」であるか否か。海外にて検証と議論が繰り広げられている。
ニンテンドースイッチ向け『スカイリム』は、昨年10月にニンテンドースイッチを正式発表する映像でも大きく取り扱われたことからわかるように、同ハードにおける重要なタイトルとして位置付けられている。E3 2017にて続報が公開された際には、『ゼルダの伝説』の衣装やアイテムが登場することや、Joy-Conを使ったモーションコントロールに対応することが明かされていたほか、北米においてはニンテンドースイッチ向け『スカイリム』のパブリッシャーを任天堂が担当することも判明していた。
『スカイリム』はもともと約6年前である2011年に発売されたタイトルで、昨年2016年10月にはPC/PlayStation 4/Xbox One向けに「Special Edition」をリリースしていた。リマスター版ともされる「Special Edition」はオリジナルに比べてビジュアル面が強化され、一定の制限はあるもののコンソール版でもModが楽しめるようになった。さらに「Special Edition」にはこれまでリリースされたすべてのDLCが同梱されている。こうした点でニンテンドースイッチ版『スカイリム』が「Special Edition」であるかどうかという点は非常に重要であるものの、これまで詳細な情報は公に明かされていなかった。
今回Gamescom 2017においては、各メディアからニンテンドースイッチ版『スカイリム』の実機プレイ映像が公開されている。こうした実機映像を参考に、同ゲームが「Special Edition」か否かという検証が進められているのだ。
ゲームのパフォーマンスを考察するメディアとして定評があるDigital Foundryは、実機プレイ映像を公開し、ニンテンドースイッチ版『スカイリム』720pおよび30fpsで動作していると確認。PlayStation 3とXbox 360版で感じたカクつきなどはなく非常にスムーズで動作しており、同ハードのGPUなどは前世代相当であるにもかかわらずパフォーマンスは次世代機版に近く、携帯機として素晴らしい体験であると考察。またDigital Foundryは、体験したのはあくまで携帯モードで、TVモードはプレイしていないとコメントしている。
一方でTwitterユーザーRoy Kranendonk氏は、Gamescom 2017にて公開されたGameXplainの映像から、具体的にリマスター版との共通点を見つけている。氏が指摘したのは、水の表現。「Special Edition」では新たな水のシェーダーが採用されているほか、テクスチャ表現もリマスター版と同じ仕様であると指摘し、「Special Edition」であるだろうと主張している。 Roy氏が考察の参考にしたGameXplainはTVモードでの映像を公開しているので、こういった仕様はTVモードのものであることを留意してほしい。
また現在はNeoGAFでもさまざまなメディアの映像を見比べての検証が進められている。Xbox360版では見られない光源処理を確認されており、こちらでもニンテンドースイッチ版スカイリムが「Special Edition」準拠であるということで意見が一致しつつある。
こうした検証からもわかるとおり、どうやらニンテンドースイッチ版『スカイリム』はやはり「Special Edition」を準拠として開発されていると考えてもよさそうだ。携帯モードでは720pであることを残念がるユーザーもコメント欄などで見受けられるが、ニンテンドースイッチの携帯モードはほとんどのタイトルが720pで動作しているので、水準には達しているといえる。むしろTVモードにて1080pで動くかが重要な点であるが、その点は明らかになっていない。Modの対応やDLCといった点も「Special Edition」であるのかも気になるところ。
2011年に発売された『スカイリム』の移植がこれほど議論の的になっているのは、興味深くはある。Betehsda Game Studioの作品は『The Elder Scrolls』『Fallout』シリーズとビッグタイトル揃いであり、ニンテンドースイッチ向けに『スカイリム』が無事リリースされるということは、今後も同スタジオのタイトルが期待できるということになる。『スカイリム』は試金石として大きな意味合いを持っている。同ゲームの発売は2017年のホリデーとなっているのでそろそろ本格的な情報が公開される時期だ。国内向けの販売も含めて、公式による詳細情報の公開を待ちたい。