当初は、"韓国、焼失した南大門の修復で、パクリ非難を恐れてリメイクか? 伝統的な龍が妙にかわいらしく!"(2013/1/3)という話でした。
ところが、日本でも"日光東照宮の三猿が修復が下手すぎ"という騒ぎになったのでこれを追加。また、「三猿」つながりで、"インドのガンジー博物館にある「三猿」は日本の影響?"という話も載せています。
●韓国、焼失した南大門の修復 伝統的な龍が妙にかわいらしく!
「威厳のある姿を現す」とされていたのですが、修復によって全く威厳がなくなってしまった韓国南大門の龍に大笑いしました。むしろかわいいです。
【画像】 復元された南大門が、まったく復元出来ていないと話題に
1 名前: トラ(埼玉県):2012/12/29(土) 17:23:32.58 ID:NBoQ+DQjP
「南大門」復元大詰め、天井に鮮やかな竜
「国宝第1号」で2008年に放火により焼失した崇礼門(通称:南大門)の復元作業が大詰めを迎えている。このほど、虹霓門(虹模様の中央通路)天井の竜の絵が初めて公開された。
竜の絵は朝鮮時代初期の様式に倣い、荘厳で落ち着いた印象の黄や緑の顔料が使われている。現在の復元工程率は95%。来年1月末に仮設フェンスを解体され、威厳のある姿を現す。
http://www.chosunonline.com/site/data/(URL短縮)/2012122800853.html
焼失前
http://farm3.static.flickr.com/2303/2260318652_88652852bb.jpg
↓
復元
http://www.chosunonline.com/site/data/img_dir/2012/12/28/2012122800746_0.jpg
●パクリ非難を恐れてリメイク?
韓国叩きには普段加担しないのですけど、2ちゃんねるのまとめの反応が、悪意を抜きにしておもしろかったです。
3 : ラグドール(家):2012/12/29(土) 17:25:09.36 ID:8k3/MWDN0
龍がかわいくなっててワロタ
11 : ボルネオウンピョウ(滋賀県):2012/12/29(土) 17:26:32.36 ID:DgQTHKoW0
復元じゃなくてリメイクなんだよ
28 : 茶トラ(北海道):2012/12/29(土) 17:28:43.35 ID:FOfEYHly0
現代風にアレンジしたんだろ
許してやれw
100 : ラグドール(富山県):2012/12/29(土) 17:43:33.68 ID:sa4oxmj50
なんでトレースしないのさ
104 : ラ・パーマ(東京都):2012/12/29(土) 17:44:47.53 ID:Z3Xk5wG40
>>100
トレ疑惑を怖れたんだろ
107 : シャルトリュー(福岡県):2012/12/29(土) 17:45:36.18 ID:Ektv0S300
>>104
これはしてもいいパターンだろw
●よりによって「国宝第1号」だった南大門
Wikipediaによると、一般に南大門(なんだいもん、ナンデムン)の通称で知られるものの、正式には崇礼門と言うそうです。ソウルにあります。
しかも、"大韓民国の国宝第1号に指定されている"ということで、よりによって「国宝第1号」でした!
なお、今回の修復は放火のためみたいですね。2008年2月の放火により、花崗岩製の石造の門を除いた木造楼閣の大部分が焼失しました。そこで、"2010年2月10日から、2012年12月の完工を目標にして復元工事が行われている"と、Wikipediaにも書いてありました。それがこのザマです。
放火については、以下もう少し詳しく。当時私は、"こういう放火対策という意味では、日本も十分とは言えないんじゃないかですかね?そんなお金どこにもありませんし"という感想も書いていました。
2008年2月10日20時40分(現地時間)ごろ、崇礼門で火災が発生し、石材部分を除く木造楼閣部分の大部分が焼失、崩壊した。
消防当局は5時間以上にわたる消火作業にもかかわらず崩壊を防ぐことができなかった。 消防当局は通報を受け、ポンプ車やはしご車など消防車32台と消防隊員128人を現場に向かわせ、消火作業に着手した。楼閣2階の屋根から発生した火により木材が焼け、周辺が白い煙で覆われたが、消防隊員らは「国宝第1号」という文化財の棄損を懸念し、積極的な消火作業を行えなかった。いったんは消火したと思われたが、初期消火の失敗から消え残った火が再び燃え広がり、全焼という事態に至った。
消防側は文化財庁に「消火は慎重にやってくれ」と言われ躊躇(ちゅうちょ)したと語るが、文化財庁側はそのような指示はしていないと語り、韓国メディアから責任のなすりつけ合いと批判された。また、焼け跡からライターが2本発見されている。国宝ではあるものの、1階2階部分に消火器は8台しか配置されておらず、火災報知機などは設けられていなかった。一般開放後、誰でも門に侵入できたという点も、監視体制が粗末であったと指摘されている。
●日光東照宮の三猿が修復が下手すぎ 韓国の南大門の復元のようになる
2017/05/20:この南大門の話は韓国を嘲笑する意図でなかったものの、日本ではこうはならないだろうと正直思っていました。が、日光東照宮でやらかした!というのが、今回追記した理由です。マジかよ!?
日光東照宮、修復で「三猿」の顔が変わった? 現場の職人、研究者の見解は( 2017/05/17 06:01 山崎 春奈 )によると、今回の「平成の大修理」(2013年〜19年予定)は、「昭和の大修理」(1969〜73年)以来、約半世紀ぶりの本格的な改修。「見ざる・言わざる・聞かざる」で有名な「三猿」以外にも、腐朽が進行する木部などを改修しています。
作業を担当した、日光社寺文化財保存協会の浅野和年技師長によると、以下のような指針であり、アレンジしようとしたわけではないそうです。
「現状を極力残すことが基本的な指針。『昭和の大修理』で作られた見取り図を参考に、過去の職人が残した姿に極力近づけ、彩色や修理をおこなっている」
一度現状の色をすべて落としてから塗り直していますが、半世紀前に残された見取り図を参考にしています。当時の職人の弟子にあたる人もいたとのこと。
表情が異なるという感想に対しては、「ゼロから描き直す以上、先の太さ、筆のタッチなどが最終的に個人の力量や個性になるのは事実。違和感を感じる方もいて当然だと思う」としていました。
また、平等院鳳凰堂などの修復にも関わる龍谷大学の北野信彦教授は、「違和感があるのは、ある意味自然な反応」としていました。理由の一つは"色あせたものを塗り直すと相対的に派手に見える"というものでしたが、三猿はたぶん色の問題ではないでしょう。目の位置自体が異なっています。
なので、結局、職人それぞれの技量に頼るところも大きくなるため「変化が生じてしまうのは否めない」という、先ほどと同じ理由になっていました。
●インドのガンジー博物館にある「三猿」は日本の影響?
あと、修復の話とは全く関係ないものの、「三猿」の方に絡んでもう一つ別の話を。
インド鉄道取材。こぼれ話 - 国際開発ジャーナル社(2016.03.25)で、ガンジーの博物館にあったガンジーの寝室で、枕元にちょこんと据えられた「三猿」の置物に出会ったという話がありました。
「日光の”見ざる、聞かざる、言わざる”がなぜここに!」と、とても驚いたそうですが、これは誤解。三猿の起源はインドの叙事詩ラーマーヤナにあり、「邪悪なものを見ず、邪悪なことを聞かず、邪悪なことを言わない」という言葉は、ガンジーの生き方ともなりました。この「三猿」は欧米にも広がっているそうです。
一応、「三猿」の期限については、他でも確かめておきましょう。
三猿 - Wikipediaでは、「見ざる、聞かざる、言わざる」という日本語の語呂合わせから日本が三猿発祥の地と思われがちだが、3匹の猿というモチーフ自体は古代エジプトやアンコールワットにも見られるもので、シルクロードを伝い中国を経由して日本に伝わったという見解があるとのこと。
ということで、Wikipediaではインド起源とも書いていませんでした。ただ、南方熊楠さんは、青面金剛と猿の関係はインドに起源があるとしているようです。
日本への伝わり方としては、やはり中国からというのが有力。『論語』に「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ)という一節があり、これの「不見・不聞・不言」の教えが8世紀ごろ、天台宗系の留学僧を経由して日本に伝わったという説でした。
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