2017年8月25日 19:28 | 無料公開
来年2月の営業終了が発表された西武船橋店=船橋市本町
流通大手セブン&アイ・ホールディングスは25日、傘下の大手百貨店そごう・西武の西武船橋店(船橋市)を来年2月末に閉店すると発表した。消費低迷や競争激化で苦戦が続き、抜本的な採算改善が見込めないと判断した。
同店は1967年にオープン。本館(地上10階、地下1階)とロフト館(地上2階、地下1階)からなり、合計の売り場面積は約4万2400平方メートル。売上高はピークの1992年2月期に551億円あったが、2017年2月期は169億円まで減少。8年連続で営業赤字を計上するなど業績が低迷していた。
閉店理由についてセブン&アイは、少子高齢化による人口減少やインターネット通販の台頭、千葉県内各地への大型ショッピングセンターの新設などで、消費低迷や競争激化が進んでいると説明。「基幹店へ経営資源を集中し、百貨店事業の構造改革を進めるため閉店を決めた」とした。
跡地は地権者と共同で複合施設へ再開発する方向で検討する。開業時期や施設の概要などは未定という。従業員は、正社員は配置転換となるが、契約社員は契約終了となる。
閉店決定を受け、松戸徹・船橋市長は「市のにぎわいを半世紀にわたり共に築いてきた象徴的な百貨店の閉店は残念でならない。JR船橋駅前が新しい姿に変わりつつある中、閉店後は、まちにさらなる活気をもたらし、市民や周辺の方たちに親しまれる施設として活用されることを願う」とコメントした。
併せて、西武小田原店(神奈川県小田原市)の来年2月末での閉店も発表。18年2月期の連結業績に与える影響は軽微と説明している。セブン&アイは最近、不採算の百貨店の閉鎖を段階的に進めており、西武船橋店などの閉鎖で15店に集約される。