「成長できる」「成長できない」企業の大きな差

失墜する名門とは明確に違う5つの共通点

激変する時代にも業績を伸ばす企業のポイントとは?(写真:kou / PIXTA)

かつては日本を代表していた有名・名門企業が本業の不振や不祥事の発覚などによって、経営が立ちゆかなくなるケースが出ています。これらの企業は過去の栄光を忘れられず、激変する時代の波に乗り切れなかったことが原因なのでしょう。

拙著『好調を続ける企業の経営者はいま、何を考えているのか?』でも解説していますが、こうした激変の時代にあっても、瞠目(どうもく)するほどの躍進を遂げている企業があります。私はこうした企業やその経営者には5つの共通点があると考えています。

激変の時代にあっても成長する企業の共通点

(1)自社に都合の悪いトレンドも逆に利用

難しい時代に舵を取る経営者の資質として、社会の変化を素早く察知し、その変化を味方につける能力が挙げられます。成功報酬型のネット広告に先鞭をつけ、創業以来15年連続で増収を続けているファンコミュニケーションズが、そのうちの1社です。

柳澤安慶社長は、このように語ります。

「特殊なポジションを取るだけで商売がうまくいく、たとえば、エライ人と知り合いだったりすると、それだけでうまくいくことがあります。そういう閉塞した、市場化の遅れている場所にいた企業、そこでうまくいっていた企業が、インターネットによってあらゆるものが次々と市場化されていく中で、時代のトレンドに対応しきれなくなっている。それが現代です」

どんなに優秀な企業でも、自社に都合の悪いトレンドは、いつかどこかで発生します。他社の提供するサービスが好評で、自社に都合の悪いトレンドを作り出していることが往々にしてあります。

わかりやすい例でいうと、紙媒体の広告枠で圧倒的な強さを誇った企業にとって、インターネットの普及は脅威であり、PCでのネット広告に強みを確保した企業には、スマホの普及は脅威なのです。

自社に不都合なトレンドは必ずいつか発生します。その逆風をプラスに転化する挑戦の意志を持ち、目をつぶるのではなく、逆に行動すること。これは成長を継続する企業の強さの源泉といえそうです。

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  • NO NAME4e3776c7b51b
     企業の成功は運によるところも多いので、この記事に載っている企業もたまたまうまくいっただけの可能性はある。そういった企業の成功例だけを拾い集め、分析するのでは少し違う方向に向かうような気がします。

     正確に未来を予想して、明確な企業戦略というのは、そもそもムリだと思います。また、同じように未来を予想して、明確な企業戦略を立案実行したにもかかわらず失敗した企業は成功したところより圧倒的に数が多いはず。そういった失敗例からのほうが学ぶべき点は多いように思います。

     大変失礼ですが、参考になる学ぶべきこともありましたが、コンサルタントがアタマだけで考えた地に足のついていない理屈のように思えました。ありきたりですが、そんなことよりも「お客さま」のほうが大事なように思えます。
    up8
    down2
    2017/8/26 09:40
  • NO NAME9d338f1a067b
    大体こういう記事で持ち上げられてる企業も、5年後10年後となると結構怪しかったりする気がするのですけどね・・・
    結局やり方なんかそれぞれで、世の中に求められるモノを出し続けれているか、そうでないかというのに尽きる気がします。
    up6
    down1
    2017/8/26 09:57
  • NO NAME4a0cb5222f2b
    コミュニケーションについてはもう少し「質」を追及すべきかと思います。

    ダメな会社のコミュニケーションは「会議」「飲みニケーション」を頻繁に行うところ。この二つはあくまで序列確認の場にしかなっておらず、下の者の声が上に届くことはほぼ無いですし。
    up6
    down1
    2017/8/26 09:45
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