80年代前後の24時間テレビのメインテーマは、必要な支援は何かということを明確化していた。
気持ち悪さはあまり感じない。むしろ誠実さや実直さといった、プラスのイメージを抱くテーマである。
| 回数(放送年) | メインテーマ |
|---|---|
| 第1回(1978年)・第2回(1979年) | 寝たきり老人にお風呂を!身障者にリフト付きバスと車椅子を! |
| 第3回(1980年) | カンボジア・ベトナム・ラオスの難民のために! |
| 第4回(1981年) | アジア・アフリカの障害者のために!国際障害者年記念 |
| 第5回(1982年) | ストップ!ニッポン姥捨て時代! |
| 第6回(1983年) | 君の地球のボランティア!アフリカ飢餓緊急援助!世界コミュニケーション記念 |
| 第7回(1984年) | この地球の未来は子どもたちのもの! |
| 第8回(1985年) | アフリカ飢餓救援 |
| 第9回(1986年) | 寝たきり老人にお風呂を!身障者にリフト付きバスと車椅子を!そしてアジア・アフリカの飢えた子どもたちのために! |
| 第10回(1987年) | SAVE THE CHILDREN |
| 第11回(1988年) | 君は地球のボランティアお年寄りに在宅福祉を、障害者に社会参加を! |
| 第12回(1989年) | アジア・アフリカの子どもたちに海外援助を! |
| 第13回(1990年) | 地球を救え!10年計画 |
| 第14回(1991年) | 雲仙・普賢岳災害救援!寝たきりのお年寄りにお風呂カーを!障害者に社会参加を!アジア・アフリカに海外援助を! |
90年代ごろ、何が必要な支援かということがメインテーマから消えた。
その代わり、メインテーマが薄っぺらい美辞麗句だけで構成されるようになった。
個人的にはポジティブの押し売りみたいな薄気味悪さを感じるし、一抹の気持ち悪さすら感じる。
| 回数(放送年) | メインテーマ |
|---|---|
| 第15回(1992年) | 愛の歌声は地球を救う |
| 第16回(1993年) | 出会い |
| 第17回(1994年) | チャレンジ! |
| 第18回(1995年) | もう一度、チャレンジ |
| 第19回(1996年) | ONE LOVE〜つなげよう!ひとつの愛〜 |
| 第20回(1997年) | 勇気を出して |
| 第21回(1998年) | いま、始めよう |
| 第22回(1999年) | 伝えたい…夢のちから! |
| 第23回(2000年) | がんばる…君のために! |
| 第24回(2001年) | 家族って何? |
| 第25回(2002年) | 家族で笑ってますか…? |
| 第26回(2003年) | あなたを一番愛する人… |
| 第27回(2004年) | あなたの夢はみんなの夢 |
| 第28回(2005年) | 生きる |
2000年代の中ごろ以降、メインテーマは90年代以降の薄っぺらい美辞麗句路線を維持しつつも、
本来漢字やひらがなで表記すべきところを意味もなくカタカナで表記(キズナ・キセキなど)したり、
一般受けしやすい単語(絆・愛など)に薄っぺらいポエムをドッキングさせたりしている。
| 回数(放送年) | メインテーマ |
|---|---|
| 第29回(2006年) | 絆(キズナ)〜今、私たちにできること |
| 第30回(2007年) | 人生が変わる瞬間(とき) |
| 第31回(2008年) | 誓い〜一番大切な約束〜 |
| 第32回(2009年) | START!〜一歩を踏みだそう〜 |
| 第33回(2010年) | ありがとう〜今、あの人に伝えたい〜 |
| 第34回(2011年) | 力(ちから)〜わたしは、たいせつなひとり。〜 |
| 第35回(2012年) | 未来 みらい |
| 第36回(2013年) | ニッポンって…?〜この国のかたち〜 |
| 第37回(2014年) | 小さなキセキ、大きなキセキ |
| 第38回(2015年) | つなぐ〜時を超えて笑顔を〜 |
| 第39回(2016年) | 愛〜これが私の生きる道〜 |
| 第40回(2017年) | 告白〜勇気を出して伝えよう〜 |
数十年もの間、毎年数億円単位の募金を集め、それを社会福祉のために役立てている24時間テレビの存在には頭が下がる思いだ。
そういう実績がある以上、今後も続けていくべき番組だろうとは思う。
しかし感動やポジティブの押し付けと言い、気持ち悪いメインテーマと言い、見ていて歯が浮く番組でもある。