2年半ほど英語圏にいたから、英語がちょっとだけわかる。「2年半もいてペラペラじゃないの?」とよく言われるんだが、ろくに勉強していなかった。特にボキャブラリーがひどい。
「英語話せるんですか?」と聞かれたらいつも「10%程度」と答える。この数字は結構当たってるんじゃないかと思う。ネイティブを100%と考えた場合の10%だ。TOEICもIELTSも受けたことないが、英語圏の大学に留学生枠で入るために必要なIELTSのスコアは6.5だ。それがだいたい高校生レベルの英語だと言われている。僕は多分、良くて5ぐらい(ライティングが圧倒的にできない)。カナダの英語学校ではPre Advance(上の下)というなんとも中途半端なクラスにいた。
僕の英語力が大体わかってもらえただろうか。つまり簡単な会話ならできるが、細かい話はよくわからない。字幕無しで洋画を見ると、半分ぐらい全くわからない(子供向けアニメならわかる)。その程度の、ちょっと英語がわかるレベルなのだ。しかしそのちょっと英語がわかるレベルでも、結構世界が広がったりする。
ちょっと英語がわかる海外旅行
例えば、海外旅行はかなり楽だ。空港やホテル、駅、レストランやお店で必要な会話ならできる。旅行における不安要素の大きな一つは、言葉が通じないことだ。英語がちょっとわかるだけでも、不安はかなり和らぐ。旅行情報を調べるときは英語で検索できる。もうガイドブックは買わなくなった。 僕の旅行記も英語で引っ張ってきた情報をかなり載せている。一例を挙げると、ベツレヘムにあるバンクシーの地図は日本語情報にはなかった。
その他、英語ガイドしかないツアーに参加しても楽しめる。宿泊先の外国人や現地の人とコミュニケーションがとれると、便利なだけでなく旅行の楽しみ自体が広がる。 ただ深い話はできない。政治とか宗教とか、込み入った話になってくると途端に単語が出てこない。もっと英語がわかれば、もっと世界が広がるのは確かだ。しかし、ちょっと英語がわかるだけでも結構広がることがご理解いただけただろうか。旅行しない人にはピンとこないかもしれない。
ちょっと英語がわかる世界情勢
もともと新聞を読む方ではないが、最近は全くと言っていいほど目を通さなくなった。今かろうじて目を通している、というより耳から聞いているニュースコンテンツはBBCのPodcastだ。他にはときどきネットニュースを見たり読んだりしている。
よく、日本のニュースは偏向報道が多いとか飛ばし記事が多いと言われているが、それ以上に報道されないニュースが多いと聞く。例えば少し前話題になったフィリピンのミンダナオ島がISに占拠されたニュースとか、当初何日もその話で持ちきりだったのに、日本のニュースでは全く取り扱ってなかったと聞く。
フィリピン・ミンダナオ島の武装勢力占拠、長期戦になる可能性も - BBCニュース
最近ではバルセロナのテロについて日本であまり報道されなかったとか、僕は見ていないから知らない。どうなんでしょ。
日本では報道されないバルセロナの同時多発テロの背景について | 地中海ブログ
それら世界情勢が日本で報道されない理由もわからんではない。だって、日本人は関心持たないから。 報道機関も営利企業で、需要がない仕事にお金も時間も割けない。これが海外だと色んな国からの移民が多くいたり、外国の情勢に自国が大きく左右されたり、世界情勢に対してそれなりの需要がある。
ただまあ、単純に外国のニュース見ているとおもしろいですよ。たまに、というかそこそこの頻度で日本のことも報道されている。「意外とこんな風に見てるのか」っていうのがわかったりする。僕はそんなにしっかり見てる方ではないですが。
ちょっと英語がわかる株式投資
最近は株のことをいろいろ調べていて、特にアメリカや東南アジアの銘柄をチェックすることが多い。銘柄をチェックするにあたりIR情報を見て回るんだけど、外国のIR情報が日本語で用意されていることはまずない。
決算書を見るだけなら、単語と数字だけ照らし合わすだけで中身は同じだからなんとなくわかる。しかし英語がちょっとわかるだけで、外国の銘柄に対する心理的抵抗はかなり軽減される。 今は日本のネット証券だって世界中の株を取り扱っているのに、日本の株しか選択肢に入れないというのは非常にもったいない。中国やシリコンバレーなどを覗けば、右肩上がりの企業はまだまだ存在する。
誰もが知っているAmazonやApple、Netflixだってそうだ。Netflixはともかく、AmazonやAppleが素晴らしいことは10年前から知っていたはずだ。あの頃から見てもほぼずっと右肩上がりで成長している。
アップル【AAPL】:チャート/株価 - Yahoo!ファイナンス
アマゾン・ドット・コム【AMZN】:チャート/株価 - Yahoo!ファイナンス
なんであの頃に購入できなかったのだろう?それは英語がわからなかったからだ。 いや、もちろんそれだけではないけれど、少なくとも英語の障壁を突破できれば選択肢は格段に広がる。その障壁というのは、ちょっと英語がわかる程度で十分に突破できる。
ちょっと英語がわかる交友関係
オーストラリアにいたとき、ドイツ人のルームメイトに「英語で会話できる日本人は君ぐらいだよ」と言われたことがあった。探せば他にいくらでもいるはずで、単純に彼の日本人の知り合いがまともに英語を話せなかっただけなんだろう。
6月に香港へ旅行したときも、向こうで知り合った香港人に「日本人なのに英語喋れるんだね」と言われた。ちょっとした優越感ではあったが、実は逆だ。日本人=英語喋れないと思われている。 僕の英語力は前述した通りで大した事ない。僕より英語が上手い日本人はいくらでもいる。しかし、現実として日本人の印象は「=英語喋れない」で固定されている。
僕は決してフランクな人間ではないし、よく喋る方でもない。それでも「英語話せる人」という印象を持たれるだけで、外国人と飲み歩いたことは何度もあったし外国人の家に泊まることも何度もあった。言いたいことはつまり、ちょっと英語がわかるだけで交友関係が飛躍的に広がるのだ。 日本に帰ってきてから今でもfacebookで交流ある外国人が何人もいる。
日本でも外国人を観光案内したことがあった。道に迷っている人に声をかければ「英語通じる人がいなくて困っていたんだ」と感謝される。そして毎回「こっちへ来たら連絡してくれ」と快く招待される。この「ちょっと英語がわかるかどうか」の差は非常に大きい。
ちょっと勉強するだけで
僕程度の英語力は、早い人なら1ヶ月程度で身につく。遅くとも半年あれば到達するだろう。やり方は重要だけど、そのちょっとの差で結構世界は広がりますよ。生の英語に触れるのが一番早いです。興味がある人はスカイプ英会話なりなんなりで練習して、まずはちょっと英語がわかる世界に来てください。簡単です。お待ちしております。