最近ではVRヘッドセットVIVEのヒットにより、VR機器メーカーとの印象も強くなっているHTCですが、その成功している事業であるVR事業の売却を検討しているとBloombergが報じています。
関係者によると、HTCは戦略的投資家の受け入れや、VR事業の売却、または独立を検討しており、アドバイザーと共に非公開での協議が行われているとのこと。HTCの会社全体の売却も選択肢としては検討されているようですが、これは売却先候補の一つと明らかになじまないため、可能性は低いとしています。
これに先立ち、HTCは昨年、完全持株子会社の「HTC Vive Tech Corporation」を設立、Viveを含むVR事業をそちらに移しています。今回の売却はこの子会社についてのことと考えられます。
ちなみに、HTC VIVEは先日値下げが発表されたばかり。
HTC VIVEが約20%引きの7万7880円に値下げ。360度お絵かきソフト「Google Tilt Brush」を付属
HTCは、初のGoogle製スマートフォンNexus Oneを手掛けた他、Desireシリーズなど人気端末を多く輩出する、世界最大のスマートフォンメーカーの1つでした。しかし、近年はSamsungのGalaxyシリーズなど他社のハイエンド端末に埋もれ、ミドルクラスではOPPOやVIVOなどの中国メーカー勢に追い抜かれるなど不振が続いています。
Bloombergによれば、HTCの株式は過去5年で75%の市場価値を失い、スマートフォンのシェアも2%を切っているとのこと。
今年発売したHTC U11は評価が高く、昨年に続き、今年発売されるGoogleの新型Pixelの製造も手掛けるとの話もあり、明るい話題も増えてきています。しかし、AppleやSamsungのように誰でも知っている社名でもなく、いい製品を作ればすぐに業績が回復する状況ではなさそうです。
HTC U11発表、握って操作する新フラッグシップ。Alexa標準搭載、ハイレゾNCヘッドホン同梱
なお、売却の話は何も決まっていることはなく、見送られる可能性もあるとしています。