中学生のとある日、担任の先生が「コッペパンはトースターで焼くと倍美味いぞ!」といい出した
先生の話し方も上手かったが生徒全員「焼いたコッペパン」が食べたくて仕方がなかった。
しかし、コッペパンのあまりなんて無いし学校にトースターも無い。
私も焼いたコッペパンが食べたくてスーパーでコッペパンを探すも売っていない、
教頭先生は学校祭だけでなく朝礼でも手品を披露するなどユーモアのある先生だったので
ダメ元で「トースターを教室に置きたいです!」と頼んでみると意外(でもないけど)とノリノリで話を聞いてくれた。
何とかなるのだろうか……と、半信半疑で過ごしているとコッペパンの日に男子が「やばい!やばい!」と騒ぎ出した。
その後ろを見るとトースターを担いだ教頭先生と二人の男子生徒、合計3台のトースターが教室に運び込まれた。
「内緒ね、内緒」とにこにこ笑う教頭先生と「どうだ。焼いたコッペパン美味いだろう」と得意げな担任の先生
焼いたコッペパンの美味しさに感動しつつ、いけないことをしてるみたいで(実際してるけど)
とても楽しかった。
この時の感動が忘れられず、高校生の頃生徒会に所属していた私は勝手に生徒会室にたこ焼き器を持ち込みタコパを決行した。
しかし、そこそこ焼いた所で私のことが嫌いな生徒会副担当の先生にバレてしまった。
めちゃめちゃ怒られただけでなく、肩を超える程度の髪を「髪が長い」だとか
「成績が悪い」(先生が「馬鹿」と決めつけてるだけで評定平均4を下回ったこと無いけど)とか言われ
結構短めのスカートを指差して「水商売みたい」等と関係のないことまで怒りが飛び火。
さらには、
「声を聴くだけでムカつく」とか「お前のせいで忘れ物をした」とか「タコが可愛いそう」とか精神病んでるんじゃないかってレベルの意味不明なことまで言われた。
一通り言い終わった先生自身も言い過ぎた自覚があったのか先生のお気に入り生徒が説得するとすぐに沈静化し、なんやかんやでタコパは続行になった。
それ抜きでも、焼いたコッペパンの感動は超えられなかったなぁ……。