PowerPointだけで美しい3D分子モデルを作成する方法がMitchさんのChemistry Blogで紹介されています。無料で利用できる3Dの分子モデリングソフトがある中、一見無駄だと思えるこの方法ですが、使い方次第では大いに役立ちます。

例えば、論文やプレゼン資料に入れるアイキャッチを効果的なものにしたい場合は3Dの分子モデリングソフトよりも色々と微調整が可能です。また、触媒作用など一分の部分を切り出した分子モデルを作成する際にも活躍できそうです。今回は、Microsoft OfficeのExcel機能のみを使用して3Dモデルを作成する方法について紹介します。

1) まずは、ツールバーの挿入 >図形から各原子や結合部分となるパーツを描画します。結合は四角よりも円柱の方がおすすめです。ここでは、酸素原子の円サイズ6.0cm, 水素が5.3cm, 結合が1.5☓5.0cmにしています。あとは全体をグループ化しておきましょう。

2) 次に、図を選択した状態で描画ツールの書式 >標準スタイル10を選択します。これは好みなので、作成に慣れたら他の設定も色々と試してみてください。

3) 右クリックメニューから「図形の書式設定」を選択し、3Dの書式設定を行います。まずは、酸素原子を選択して下図のように値を設定します。ここでは、幅と高さを酸素90pt, 水素80pt, 結合30ptにしています。
この値は、最初に作成した平面図の大きさに依存するので画面を見ながら調整すると良いでしょう。

4) 「塗りつぶし」と「線の色」で原子の色を設定します。後は、水素原子と結合部分も3D効果と色を付けていきます。

5) 最後に結合部分が原子の上の方に位置しているので、3D回転 >オブジェクトの位置で調整すれば無事完成です。もう少しこだわりたい場合、色や3D効果などの微調整を行えばこれまで紹介してきた3Dの分子モデリングツールよりも美しい分子モデルを作成することだってできます。

ちなみに、この記事のトップ画像で使用したカフェインもExcelで作成しました。メチル基の水素の位置を微調整する必要はありますが、5分程度で作成できました。記事の最後に、作成した水分子とカフェインを含むエクセルファイルを置いておくので参考にしてください。

3DCGのレンダリングソフトは高価だったり、無料のものでも操作画面が複雑で初心者にはとっつきにくかったりします。一方、Microsoft Officeを使ったこの方法は非常に簡便ですので、これまで紹介したGUIソフトと組み合わせて使用すると色々と応用ができると思います。
この記事で使用したエクセルファイルを以下に置いておきます。
http://pc-chem-basics.blog.jp/Excel3DMM.xlsx
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URLのみでインタラクティブな3D分子モデルを共有する方法
例えば、論文やプレゼン資料に入れるアイキャッチを効果的なものにしたい場合は3Dの分子モデリングソフトよりも色々と微調整が可能です。また、触媒作用など一分の部分を切り出した分子モデルを作成する際にも活躍できそうです。今回は、Microsoft OfficeのExcel機能のみを使用して3Dモデルを作成する方法について紹介します。
エクセルだけで3Dモデルを作成するには?
Mitchさんのブログでは、パワーポイントでベンゼンを作成する方法について解説があります。ここではエクセルを使ってもう少し簡単な水分子を作成してみましょう(下図)。ちなみに無料で利用せきる表計算ソフト(OpenOfficeやGoogleスプレットシート, Office Onlineなど)では、残念ながら利用できませんでした。1) まずは、ツールバーの挿入 >図形から各原子や結合部分となるパーツを描画します。結合は四角よりも円柱の方がおすすめです。ここでは、酸素原子の円サイズ6.0cm, 水素が5.3cm, 結合が1.5☓5.0cmにしています。あとは全体をグループ化しておきましょう。
2) 次に、図を選択した状態で描画ツールの書式 >標準スタイル10を選択します。これは好みなので、作成に慣れたら他の設定も色々と試してみてください。
3) 右クリックメニューから「図形の書式設定」を選択し、3Dの書式設定を行います。まずは、酸素原子を選択して下図のように値を設定します。ここでは、幅と高さを酸素90pt, 水素80pt, 結合30ptにしています。
この値は、最初に作成した平面図の大きさに依存するので画面を見ながら調整すると良いでしょう。
4) 「塗りつぶし」と「線の色」で原子の色を設定します。後は、水素原子と結合部分も3D効果と色を付けていきます。
5) 最後に結合部分が原子の上の方に位置しているので、3D回転 >オブジェクトの位置で調整すれば無事完成です。もう少しこだわりたい場合、色や3D効果などの微調整を行えばこれまで紹介してきた3Dの分子モデリングツールよりも美しい分子モデルを作成することだってできます。
ちなみに、この記事のトップ画像で使用したカフェインもExcelで作成しました。メチル基の水素の位置を微調整する必要はありますが、5分程度で作成できました。記事の最後に、作成した水分子とカフェインを含むエクセルファイルを置いておくので参考にしてください。
おわりに
いまいち活用する場面が思い当たらない方もいれば、新たなアイディアが湧いた方もいるかもしれません。JCTCのグラフィカルアブストラクトをみると、自身の研究内容を効果的に伝えるためにアイキャッチへのこだわりが伺えます。3DCGのレンダリングソフトは高価だったり、無料のものでも操作画面が複雑で初心者にはとっつきにくかったりします。一方、Microsoft Officeを使ったこの方法は非常に簡便ですので、これまで紹介したGUIソフトと組み合わせて使用すると色々と応用ができると思います。
この記事で使用したエクセルファイルを以下に置いておきます。
http://pc-chem-basics.blog.jp/Excel3DMM.xlsx
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PDF上で動く3Dモデルを作成する方法
URLのみでインタラクティブな3D分子モデルを共有する方法
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