トランプ米大統領、債務上限巡る混乱で議会の共和党指導部を非難

  • 退役軍人法案と債務上限引き上げ案の抱き合わせを党指導部が拒否
  • 議会は政府閉鎖回避に向け9月30日までに歳出法案を可決する必要

トランプ米大統領は高い支持を得ている退役軍人関連の法案に債務上限引き上げ措置を盛り込むよう議会の共和党指導部に求めていたことを明らかにした。民主党の支持に依存せざるを得ない「めちゃくちゃ」な状況を回避する狙いだったという。

  しかし、共和党のマコネル上院院内総務とライアン下院議長は両法案を抱き合わせにしない決定を下したと、トランプ氏は24日、一連のツイッター投稿で不満を表明した。

  「可決が容易になるよう、高い支持を得ている退役軍人関連法案に債務上限法案を関連づけるよう私はマコネル院内総務とライアン議長に要請していた。彼らはそうしなかったから今、債務上限の承認は(いつもの)民主党の抵抗で大変な事になっている。すごく簡単にできたはずなのに、今はめちゃくちゃだ!」とツイッターで怒りをあらわにした。

   トランプ大統領は23日、超党派の支持を得て両院を通過した退役軍人の障害給付金請求手続き簡素化に関する法案に署名している。

トランプ大統領
トランプ大統領
Bloomberg

  同大統領はメキシコとの国境の壁建設資金を巡り10月に政府機関閉鎖に追い込むこともいとわない考えを示しており、議会による債務上限引き上げを複雑にする可能性がある。議会は政府機関閉鎖を回避するため9月30日までに何らかの歳出法案を可決する必要があると同時に、債務上限引き上げの期限に直面している。共和党指導部はどうするべきかまだ計画していないが、あり得る一つのシナリオは両法案を抱き合わせにして大統領に提出することだ。

原題:Trump Blames Debt Ceiling ‘Mess’ on GOP Leaders in Congress (1)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE

日本株小反発へ、米金利上昇と円高一服-中銀総裁講演や北朝鮮見極め

1501805595_topix news

Bloomberg

  • イエレンFRB議長とドラギECB総裁は25日に講演
  • 米政治不安や北朝鮮リスクも様子見の口実、売買低調続く

25日の東京株式相場は小幅に反発する見通し。米長期金利が上昇、為替市場では円が対ドルで弱含みで推移しており、金融株のほか為替感応度が高い電機や精密機器など輸出関連の一角が買われそう。ただ、欧米中銀総裁の講演を控えているほか、米政治不安や北朝鮮リスクもくすぶり、指数の上値は限られる。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジストは、きょうは「円安のプレミアムで日本株に買いが先行する」と予想。だた、中銀総裁講演の「注目イベントを前にあえてポジションを新規に取る向きはいない。上昇もあくまでショートカバーが中心で、ポジションを中立にする動きに限られそうだ」と語った。

  米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物(円建て)の24日清算値は1万9405円と、大阪取引所の通常取引終値(1万9320円)に比べて85円高だった。

  24日の米国債相場は反落し、10年債利回りは前日から3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.19%。米政府機関閉鎖が引き続き警戒されるなか、原油相場の下げ渋りで午後に売りが広がった。

  カンザスシティー連銀のジョージ総裁は24日に放送されたブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、バランスシートを緩やかに縮小するプロセスについて9月に発表することを支持するとともに、米経済指標が現状を保てば、恐らく年内にもう1回追加利上げする機会があるだろうと発言した。けさの為替市場ではドル・円相場が1ドル=109円50銭台と、前日の日本株終値時点の109円10銭からドル高・円安で推移している。

  一方、米政治不安や北朝鮮など地政学リスクから積極的にリスク資産を買いにくい状況。ニュースサイトのアクシオスは、「市場を混乱させる政府閉鎖の」可能性が「日に日に上昇」している、とホワイトハウスや共和党指導者を引用して報道。その可能性は最大75%という。メキシコとの国境の壁建設資金を巡り政府機関を閉鎖に追い込むこともいとわない考えを示しているトランプ大統領は、債務上限を巡る混乱で議会の共和党指導部を非難した。

  北朝鮮はきょう、軍事優先の政治の始まりを祝う「先軍節」を迎えた。昨年はこの日の前日に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射している。米朝軍事衝突の差し迫った危機は薄らいでいるものの、投資家は北朝鮮による挑発行動を意識せざるを得ない。三菱モルガンの三浦氏は、米政治不安も北朝鮮情勢も投資家にとっては「動かない理由」になっているとし、東証1部売買代金は活況の目安となる2兆円を5営業日連続で割り込む可能性が高いとみる。

  24日の米国株は続落。S&P500種株価指数が0.2%安の2438.97、ダウ工業株30種平均は0.1%安の21783.40ドルで終了。小売企業の低調な決算などから生活必需品株の下げが目立った。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE