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ご一読ください。

以前に私が自分の思いを表明した後、
「これではどうして商業アンソロを完全な悪ではないとしたのか分からない」「もっとちゃんとした説明を」
という意見や、
「こうだからダメなんです」と何故いけないのか切々と伝えてくる方がおりまして、

ものすごく迷ったのですが、私の思いをもう少し詳しく上げる事にしました。

ただし様々な意見を見てきている分、相当長いです。
又、「粗探しをしてやろう」というのではなく、冷静な目で見てもらえたら、と思います。

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今から示すものは、あくまで一個人の一つの考えであるという事を念頭に置いて読んでください。
※なお、ここで言う商業アンソロとは、
主に非公式の商業アンソロジーを指しています。

まず最初に、私は只々単純に疑問なのですが、
商業アンソロを悪だ、真っ黒だと主張している方は、

”では何故その悪であるはずのものを、版元が何十年も前からそのままにしているのか”

という事について、疑問は感じていないのかな、
と思っています。

(過去にとある版元、とある原作者が、とある商業アンソロジーを訴えた件はありますが、
それを言い出すと同人誌や同人ゲーム等も同じく今までに訴えられていますので、
ここではそれ以外の、今現在も市場に出ているものについて考えてもらえたらと思います。)

「何も知らない人の目につくから」と言われている程の存在を、版元が知らないはずはまずありませんし、
「数が多いから」と言っても、出している出版社自体は限られています。
「忙しいから」という理由をあげておられる方もいましたが、近年にも英語海賊版サイトを作った複数人を摘発している等、
著作権が絡むことについて目を光らせている版元側が、
出所まで容易に分かるものを何十年も見落としてる。
という結論になるのは
流石にちょっと違うかな。と思うのです。

商業アンソロ(個人集含む)が悪だと唱えている方は主に
「公式の売り上げを横取りしているから」
「売り上げが公式に入らずに、アンソロの出版社に入るから」
「原稿料や印税が発生するから」
と言います。

確かに原稿料や印税は発生します。
売り上げはアンソロの出版社に入ります。
しかしそれが本当に「公式の売り上げを横取りしている」「元々は公式に入るはずだったものだ」
とイコールになるのでしょうか。

私自身二次創作について様々なことを調べ、関係者の声を集め、元関係者の方と意見を交える機会もいただく中で
公式が「これは見逃せない」と判断するのは
「自社の儲けを侵害する作品」だと思っています。

原作を丸々コピーした海賊版は勿論儲けを侵害している状態になります。
グッズも近年では特に、公式かと思う程のクオリティのものが素人でも簡単に作れてしまう為、
これらの規制の目は厳しくなっています。
(実際集英社については2014年に「マンガ、アニメ海賊版対策カンファレンス」を開催したり、
翌年にはアニメイトや他の出版社と「ジャパン マンガ アライアンス(JMA)」を設立したりと
着々と対策をとっていますし、
通販サイトで作品の同人グッズ販売を一切禁止した公式もあります。)

しかし商業アンソロについては、上記のもののように
「これを買ったからもう原作の雑誌やコミックスは買わなくていいや」
という流れになるのかというと、そこは少し違うかな。と私自身は思っています。

近年公式からアンソロが出ている作品も多く、
そういうものは他の出版社からのアンソロを禁止しています。
まさしく上記の流れになる可能性があるからです。

しかしそういう公式のアンソロがでていない作品となると、
同じ”本”という形ではあっても
原作が掲載されている雑誌やコミックスを買わないという流れにはたしてなるのか。

原稿料や印税が本当に”元は版元に入るはずのもの”だったのか
アンソロの売り上げが本当に”元は版元に入るはずのもの”だったのか。

じっくり考えれば考える程
「その言い分には矛盾があるなぁ…」と思うものばかりなのです。

その他として、
「利益が出るものだから」「企業が絡むから」「商売となるから」とおっしゃる方もいます。

利益という点では、前回上げた企業等も対象になるのではと思うのですが、
そこも含めて版元は訴えてはいません。
それは、それらが利益を上げたとして、その利益はやっぱり「本来なら版元に入るはずのもの」とは
ならないからなのかな。と思っています。
(何度も言いますが、一個人の考えです。確証はありません)

又、利益の問題となると、
「大手サークルの莫大な売り上げはどうなるのか」という意見が度々出るのですが、
「同人活動はあくまで趣味のものだと見逃してもらっているから大丈夫なんです」
という意見が必ずと言って良い程出てきます。
もしくは
「同人誌と商業アンソロとでは利益の度合が違うから」
「個人と企業だから前者はまだ良いんです」という意見も見られるのですが、

それが本当に暗黙の了解なのだとしたら、
何故過去に同人誌や同人ゲームが訴えられているのか。
大手でも何でもない、それこそ個人サークルの決して大ロットではないグッズが販売禁止とされるのか。

そう考えると、
それらの意見にも矛盾を感じてしまうのです。

そうやって1つ1つ冷静に考えていくと、
商業アンソロが絶対悪だと唱えている意見にいま一つ納得できるものは無く、
私の分析が違うのか?と思いつつも、
「じゃあどうして版元は今出ている商業アンソロを訴えていないんだろう」
という疑問に戻ってしまうので、

結局最終的に
「今の時点では自社の儲けを侵害しているものではないから黙認している状態なのかな」
と結論づけております。

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以上が私の思いです。

これを見た商業アンソロ悪説の方はおそらく、
「それはお前の勝手な考えだろう。そんなの正しいという保証がどこにあるのか」
と仰ると思います。

その通りです。

最初に示した通り、
これはあくまで私が情報を集めたのちに出した、自分なりの答えで、私個人の考えです。

これが正解かどうかを決める権利があるのは版元様、原作者様であって、
そこが「そうです」と言わない限りは確かなものではないからです。

逆に言えば商業アンソロが犯罪だと言ってその理由を示してくる方や、同人の範囲内だったら大丈夫なんだと言ってくる方も、
それはあくまで版元が(ファンの為に)言葉を濁して伝えたものを自己解釈し、公式の動きを見ながら「これは多分こういう事だろう」と考えたものに他なりません。
(上記のように分析していくと結構穴だらけの意見が圧倒的に多いですが)

そんな「版元がそれが正解だとはっきり断定したわけでもない」理由を盾に、
「版元が何十年も前からそのままにしており、今もなお訴えてはいない」今現在の状態で、
どうして自信満々に
「アンソロに寄稿した奴は悪だ!」「お前は犯罪者だ!」と
個人を攻撃し、罵り、脅迫まですることが出来るのかが私には甚だ疑問です。


私は自分の答えが絶対正しいんですと主張するつもりも一切なければ、
異なる意見を持っている方に考えを改めてくれと求めるつもりも毛頭ありません。

そうやって権利者が「そうだ」と認めてもない意見をいかにも正しいかのように人に伝えたり、ましてや強要するのは
無責任な行動ですし、

権利者でも何でもない物が声高らかに主張し、それと反する意見を持つ人を非難したり、
更には謝罪を求め、活動をやめろ、消えろと弾劾する事は
どう考えても筋が通らないと思っているからです。


今市場に出ている商業アンソロが絶対悪なのかどうなのかは、
実際のところ版元がどちらとも言っていないので、どちらも分からない状態です。

二次創作の線引き自体が版元、原作者様によって違いますし、
時代と共に変わってきている部分もあります。
(実際上の役職の方が交代した途端に二次創作に対する見方が変わった版元様もありますし)
法律自体変わってきているのですから、
今まではこうだったから。が通用しないのが二次創作をとりまく世界だと思っています。
何と言っても二次創作をしている時点で著作権に引っかかっているわけですから。

だからこそ、確かな情報を集め、関係者の声を聞いて考えていく事が大切だと私自身は考えています。


ただ今の時点で確かな事は、
・今現在市場に出ている商業アンソロ及び個人集は訴えられてはいないこと、
・今現在twitterで一部の者に叩かれ非難されている、市場に出ている商業アンソロ寄稿者及び個人集を出した人は版元に訴えられてはいないこと、
・にもかかわらず、それらを叩き、謝れと迫っているのは、それを決める権利も謝罪を求める資格も何も持っていない全くの部外者であること。


これが今現在の事実です。

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ずいぶん長くなりましたが、私自身伝えたい事は伝えました。
これを読んで何を考え、どう動くのかは、その人の自由だと思いますし、
自己責任だと思います。


大好きな作品を大好きな気持ちを、同好の仲間同士で共感し合い、楽しみ合う。
そんな二次創作の世界が本当に大好きで、今までずっとやってきました。

今のようなこれが悪い、これが悪だと叩き合うのではなく、
明らかに危ない橋を渡ろうとしている人に対しては分かっている者が忠告し、正確な情報を教えてあげる。
そうしながら、みんなで自分の「好き」を楽しみ合える、
そんな本来の二次創作の方向に向かって欲しいなと思っています。


わたしはここで同人活動はおしまいにしようと思っています。

これまで様々な作品を通して、沢山の方と出会い、幸せを沢山いただきました。
関わって下さった皆様、本当にありがとうございます。

そして何よりも素晴らしい作品を世に生み出してくださる原作者様、版元様、公式様に
心から感謝すると共に、
これからもずっと応援していきたいと思っています。

ありがとうございました。


about 20 hours ago via Twishort web app

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