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「ミゾゴイ生息 産廃不許可を」 輪島の施設計画 野鳥の会など県に申し入れ

最終処分場の予定地に生息するとされる絶滅危惧種のミゾゴイ=WWFJapan提供

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 石川県輪島市門前町の産業廃棄物最終処分場計画で、建設予定地の大釜地区に絶滅危惧種のミゾゴイが生息しているとみられる問題を巡り、世界自然保護基金(WWF)ジャパンと日本自然保護協会、日本野鳥の会は二十二日、県に建設許可をしないよう求める申し入れ書を提出した。

 申し入れ書では、建設を許可しないことに加え、能登半島の豊かな自然環境を守ること、特にミゾゴイの生息環境や周辺の生態系を保全するよう求めている。

 三月末から四月にかけて、日本鳥類保護連盟石川県支部が現地調査した結果では、二度、ミゾゴイの鳴き声の録音に成功し、生息を確認した。

 ミゾゴイはサギ科の渡り鳥で、春にほぼ日本のみで繁殖する。森林開発で一九六〇年代から減少し、生態や生息数はよく分かっていない。WWFの担当者は「建設予定地には豊かな自然があり、県も次世代に残そうとしている中で産廃施設を建設するのは流れに反している」と話している。

 県廃棄物対策課の担当者は事業者の門前クリーンパークが提出した環境影響評価書にミゾゴイなど希少生物の保全に努めると記載されているとして、「県として適切に指示していく」と述べた。 (蓮野亜耶)

 

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