tobamory_今回は久しぶりの島嶼系モルト、トバモリー10年を飲みます。

トバモリー蒸溜所は、インナー・ヘブリディーズに属する、アイラ島よりもさらに北にあるマル島にあります。

1798年にビールの醸造所としてスタートした後、ウイスキーの蒸留を始めました。
しかし休止期間がとても長く、幾度もオーナーが変わるなど、蒸溜所は順風満帆ではありませんでした。

1993年に、バーン・スチュアートの手によって復活し、小さいながらも操業を開始しました。
しかし、貯蔵するための倉庫がないために、蒸留した後はディーンストンで樽詰めされ、ブナハーブンで熟成させるという特殊な手段を選んでいます。

現在はトバモリーとレダイグ(リーチェック)の2種類のシングルモルトを1年交互に作っていましたが、2017年3月に設備の更新、拡張のために休止、2年後に再開する予定です。

2種類の違いは、トバモリーがノンピート、レダイグがピーテッドといわれます。

ではストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色はシャンパンゴールド、香りは紅茶やミカンが漂います。

口に含むと、強烈なアルコール感の後、磯の香り、ヨード、ミカン、紅茶、カラメルが香ります。
味わいは、とても辛く、舌がとてもピリピリします。その後で柑橘系に似た酸味、ビターを感じます。

ロックにすると、ライムのような爽やかな香りが際立ち、奥からヨード、カラメル、ナッツと続きます。
味わいは、酸味と苦みが半々ですが、ストレートのような辛さはかなり抑えられています。

最後にハイボールにすると、海藻のような香りが先に訪れ、その後にライムが続きます。
味わいは、香りにつられるように昆布だしのような旨味のようなものが感じられます。

ノンピートとされますが、不思議とスモーキーさが漂います。また、海に囲まれているせいか、磯の香りも印象的です。
ストレートでは飲むのにつらいですが、加水すると辛さが抑えられて飲みやすく感じられます(それでも癖は強い方です)。

700mL、アルコール度数46.3度、価格は4000円ほど。
一癖も二癖もあるウイスキーが好きな人にはお勧めかもしれません。

<個人的評価>

  • 香り B: 磯の香り、ヨード、オレンジ、カラメル、ナッツと続く。加水でライムの香りが開く。
  • 味わい C: ストレートでは辛すぎて飲みにくい。加水で落ち着き、酸味、ビター、旨味が出る。
  • 総評 B: 島嶼系の磯の香りを堪能できるボトル。