「炎のコバケン」。
僕は実演を二回聴いた。
確かチャイコフスキーの「悲愴」とショスタコの5番だったと思う。
それは良かった。
いわき出身の人で、ご縁も感じる。
でも、リピートしたいとは思わないんだなぁ。
情熱的で、情感たっぷりで、運動性も高く、アンサンブルも引き締まる。
でも、何か足りない。
やっぱり「人柄」なんだろうね。
僕には温和な人から滲み出る温和な音楽が、物足りない。
もっと喜怒哀楽、正気と狂気の狭間を行き来してほしい。
人間の狂気は、日常で出したらただ迷惑で、場合によっては犯罪だ。しかし誰もが持っている。持ち得る。
それを合法的に発揮できるのが、芸術なのだと思う。
もう77、朝比奈御大のように、もう一皮剥けるか?
まだ期待していたい。