バルセロナと近郊の町カンブリスで今月１７日、車が人混みに突っ込み、歩行者を次々にはねるなどした一連のテロ事件では、合わせて１５人が死亡、１２０人余りがけがをして、警察は同じグループによる犯行と見て捜査しています。

このうちバルセロナの事件で車を運転していた疑いが持たれているモロッコ国籍のアブーヤアクーブ容疑者が（２２）逃走を続けていましたが、警察は２１日、バルセロナから西におよそ５０キロ離れたスビラッツでアブーヤアクーブ容疑者を発見し射殺したと発表しました。

警察によりますと、２１日、地元の住民から「容疑者に似た男がいる」という通報があり警察官が駆けつけたところ、男がアラビア語で「神は偉大なり」と叫びながら体に巻きつけた爆発物のようなものを見せたということです。このため警察官が男を射殺し、その後この男がアブーヤアクーブ容疑者だと確認されたということです。

この事件をめぐっては、１２人の若者らが関わっていた疑いを持たれていて、警察は若者らに過激な思想を吹き込んだとされるイスラム教の宗教指導者について、犯行グループが誤って爆発物を爆発させたと見られる住宅で遺体で見つかったことも明らかにしました。

これで犯行グループのメンバー全員が死亡したり身柄を拘束されたりしたことになり捜査は大きな節目を迎えましたが、警察は事件に関与した人物がほかにもいなかったかどうか引き続き背後関係などを調べています。