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（みね子）お母ちゃん！　じいちゃん！
（茂）おぉ…。
（実）こごで取り戻してえ。
もういっぺん　やり直してえ生ぎ直してえ。
そう思って　帰ってきました。どうが　よろしくお願いします。
♪～
♪「Ｐｏｎ　ｐｏｎ　ｐｏｎ…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な　宝物だけは」
♪「ずっと　この胸に抱きしめて来たのさ…　Ａｈ　ａｈ」
♪「夜の酒場で　Ｌｏｎｅｌｙ」
♪「あの娘　今頃」
♪「どうしてる？」
♪「さなぎは今、　蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い　声合わせて」
♪「希望に燃える　恋の歌」
♪～
ごめんね　突然。急に決まっちゃったもんだから。
（美代子）ううん。
お父ちゃんが言ったんだよ。帰りたいって。
（美代子）そうけ…。フフフ！
みね子。ん？
悪かったね。
お母ちゃん　みね子に無理やり　お父ちゃんのこと…。
ううん　楽しかったよ　私。
まぁ　何か変な気分だったけどねお父ちゃんと東京で２人で暮らしてるのって。
でも　楽しかった。
お母ちゃん。（美代子）ん？
やっぱし　お父ちゃんはお父ちゃんだよ。
違う人になったわけじゃないよ。
うん。
うん。
♪～
あんた　手際よぐなったねえ。（ちよ子）まぁね。
毎日　手伝ってくれてっからね。
そっか。うん。
・（進）うわ～！　うわ～！・（実）よいしょ～！
（３人）アハハ！
いいねぇ　小学生は無邪気で。
（進）父ちゃん　メンコやっぺ！・（実）おう。
あの…。
これ　ぴったしだ…　ありがとう。
当たり前だよお父ちゃんのだもん。
あっ　そうが…　あっ　そう…。
んだな。
（進）父ちゃん　早く～！うん　分かった分かった。
（進）早く～！今　行ぐがら。
（進）早く～！（実）おう。
（実）あ～　惜しい。
（ちよ子）ほれ　進！
ほら　座って！
（時計の時報）
ありがとう。お父ちゃん　こっちね。
あ…。
では　いだだきます！（茂　進　ちよ子）いだだきます！
（美代子）いだだきます。いだだきます。
うん　うめえ！
あ…！　いがったです。
好きだったからね　お父ちゃんきんぴらごぼう。
そうが。うん。
フフフ！
これも　うめえ。（笑い声）
（進）でもさ　お父ちゃん。ん？
本当に覚えでねえの？　何も。
うん　ごめんな…。
じゃ　おねしょのこども覚えでねえのげ？
えっ？やった！
言ったらダメでしょうよバカだね。
あ…。（笑い声）
♪～
田植えなんですよね。
あぁ…大事な日だ　百姓にとってはな。
いいとぎに帰ってきた。
新しい年の始まりみでえなもんだ明日は。
じいちゃんはね　この辺りじゃ田植えの名人っていわれてんだよ。
名人？何が名人だか。
ハハハハ！　うん…。
俺も　そう思うな。
（笑い声）（ちよ子）じいちゃん。
俺も　うまいよ　苗を投げんの。遠ぐまで飛ばせるよ。
（美代子）んだよね。
今年は　いい苗が出来た。遠くまで飛ばせ。
楽しいよ　田植えは。
みんな　来るよ　宗男さんも。あぁ。
あっ　うん…　宗男。
あんた　人が来れば何でも楽しいんでしょうよ。
まぁね。「まぁね」って。
お父ちゃん　俺ねかげっこ　速いんだよ。学年でも速い方なんだよ。秋の運動会では絶対　リレーの選手になっから見に来て。
おう！　すごいな　楽しみだな！
ちよ子。
勉強すごいんだって？お姉ちゃんから聞いた。え…？
学校のこどとかいろいろ　話してくれな。
いいのげ？　話していいのげ？
うん　悪いけど全部　教えでくれ　ちよ子のこど。
うん。
悪いな。
ううん　勉強でもね予習は　もちろんだけどやっぱ　大事なのは復習なのよ　復習。
復習がぁ　そうがぁ。（笑い声）
あんた　うまいこど言うねえ。まぁね。
ずれぇ！俺も話すこど　いっぱいあるよ！
あぁ　もちろん　進もだ。
おっ！じゃ　ごはん　早ぐ食べっと！
うん！
（美代子）あらららら。
あんたら　もうちょっと　ゆっくり落ち着いで食べなさいって。
ね！（美代子）詰まっちゃうよ。
♪～
寝だのか？うん。
お父ちゃんも　よ～ぐ寝てる。
そうが…。
（茂）みね子。
ご苦労だったな…。
ありがとな。
うん。
みね子　仕事　大丈夫だったのけ？
うん。
鈴子さん　休みくれた。
ちゃんと見届けてこいって。
（美代子）そうけ…。
＜こうしてっと稲刈りの前の晩のこどを思い出します＞
（実）何　言ってんだ。楽しいんだっぺ？　高校。
うん…。
でもさ　お父ちゃん。うん。
私が勤めに出た方がいいんでないの？
そうすれば…　どんだけ稼げんのか知んねえけどお父ちゃん　出稼ぎ行ぐの減らしたりとか　なんね？
みね子は　うちの仕事　好きが？
うちのこどや　畑のこどは好きが？
うん　好きだよ。
お母ちゃんみてえになりてえって思ってるし　野良仕事も好きだ。
私　もっと頑張って　いろんなものつくりたいって思う。
でも…。お前は…。
高校出たら　うちを手伝え。
外に稼ぎに行ぐのは父ちゃんの仕事だ。
お母ちゃんや　じいちゃん助けでやってくれや。
じいちゃんと母ちゃんだげでは大変だがらな。
うん…。うん。
頑張ります！　私　頑張ります！
よし　頼もしいな！頼りにしてっからね。
（笑い声）
♪～
さっ　明日は早えど。
んだな　寝っか。
うん。はい。
皆さん！　明日は頑張りましょう！
（美代子　茂　実）アハハハ！
何よ！　真面目に言ったのによ。
（実）頑張っぺ。（美代子）頑張っぺ。
（実）これで　いいのがな？
あぁ　大丈夫だ。
あの　お父さ…　父ちゃん。
ん？　何だ？
実って　いい名前ですね…。
好きです。
♪～
（茂）行くぞ。はい。
♪～
（ちよ子）お父ちゃん　こっち。大丈夫け？
（実）大丈夫だ。（ちよ子）ゆっくりでいいからね。落ちねえようにね。（進）落ちねえようにね。
結構降ってきちゃったね。んだね。
頑張っぺ！
（美代子）頑張っぺ。ヘヘヘ！
♪～