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♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
みね子が実と暮らし始めて1週間が たちました。
(みね子)5月かぁ…。(秀俊)ん?
いや そろそろ田植えの季節だなって思って。
(秀俊)へぇ そうか。うん。
(元治)田植え きついんでしょ?(柏木)あれ 腰に来そうだよね。
でも 田んぼ一面に張った水に青空が映り込んでとっても きれいなんですよ。
(一同)へぇ~。キラキラキラ~って感じ。
<こんとぎ お父ちゃんの頭にどんな景色が浮かんだのか私には分かんないけどお父ちゃんは自分のこと知りたいって私に言ってくれました>
建築現場で働いてたんだよ。
それで 東京オリンピックにもなったあの国立競技場。
そこの現場にも いたんだよ。(実)ふ~ん。
<それから 谷田部 実という人がどういう人なのが私の知ってる限り 話しました。家族のために頑張ってくれてた優しいお父ちゃんだって。ゆっくり時間をかけで話しました>
ぼ~っとしてんじゃねえよ!すいません!
べっぴんさんだな~。
(実)長女のみね子です。今 高校3年生なんですけどこの時 高校入学の時に写真館行って撮ってみんな かたくなっちゃって。(笑い声)
これが次女のちよ子でこっちが長男の進です。
こっちが嫁で。
♪~
こら! うちん中でダメだっぺ!(進)やだ!
そんで 最後に奥茨城に帰ってきてくれた時に私と ちよ子と進に靴 買ってきてくれて。
その靴 今でも 私たちね大切に履いてんだよ。
そっか。フフフ!
それとね…。うん。
あっ ちょっと貸して。
こうやってね やってたんだよお父ちゃん 子どもに。
うりゃ~!何よ!
別に いがっぺよ!やめてよ~!
ヘヘヘ!
それって…。
うれしいもんなの?
ん~?
まぁね。
まぁ でも年頃の娘にやるもんじゃないね。
ヘヘッ そっか。
フフフ!ハハハ!
まぁ そんなとごかな 私の話は。
でもさ…。うん。
私が話せんのは父親としての谷田部 実さんだよ。
それしが 分がんない。
うん…。
ほがにも たくさんあるわげで…。
生まれでから大人になるまでのこどはじいちゃんや 弟の宗男さんにしか教えらんねえし。
それに男の人としての谷田部 実はお母ちゃんにしが 分かんない。
♪~
そう思ったんだよね 話してでさ。
そう思ったんだ 私。
うん…。
あのさ お父ちゃん。
そろそろ…。みね子ちゃん。
えっ?
みね子。
はい。
奥茨城に…。
帰ってみっかな。
♪~
どうがな?
うん…。
分がった。
帰ろう。
♪~
(時子)そしたらね愛子さん 歌ってたんですよ!
(愛子)うそよ そんな!(時子)本当ですよ 愛子さん!
私もね 驚きましたよ。
寝言っつうのは聞いたことあるしひょっとしたら私も言ったりすっかもしんないけど初めてですよ寝ながら 歌ってる人は!
(早苗)寝歌? 寝言じゃなくて。(富)そうなるわね。
絶対うそだわ!時子さん じゃ 何 歌ってた? 私。
(時子)えっとね あれは…。
♪「下町の」
それ 私だ!
♪~(歌声)
誰が歌ってんだ?
♪「下町の空に かがやく」
♪「心のいたむ」
でも 分かるわ 私。
私の場合夜 寝ながら 踊ってるみたい。
えっ!? 寝踊りですか?
お座敷の夢でも見てるのかしらね。
立ち上がって 踊ってるみたい。
それ ちょっと危険な領域だと思いますよ。
(時子)あっ みね子。おはようございます。
愛子さん 寝ながらさ… ん?
どうした? みね子。(愛子)何かあったの?
ゆうべ お父ちゃんが「茨城に帰ってみっかな」って。
えっ? 本当に?(愛子)よかったじゃない。
「行ってみようかな」じゃなくて「帰ってみようかな」って?
はい。
…で 何で 浮かない顔してんだ?
そうね。
ちょうど田植えの時期なんですよ。せっかぐならって思うんですけど。
すてきじゃない。
でも ほら お店。
高子さん やめちゃって人手が足んないんですよね。
もうギリギリでやってで休めないんですよ…。
代わりの人も いないし。(早苗)う~ん そういうことか。
なるほど。
日帰りも無理だしねどんなに急いで植えても。
そうなんだよねえ。
鈴子さんにちゃんと相談してごらん。
思い悩んでないで… ん?
そうですね…。
私なら…。
体 空いてるけど。
ありがとうございます。
行ってきます。(一同)行ってらっしゃい。
♪~
何でもないです。
♪~
(鈴子)どうした? みね子。言いだしたいのに言いだせないなって顔してるけど。
何で そこまで分がんですか?
(鈴子)バカだね あんたは。そんなこと 気にすることはない。休めばいいの。
でも 私にだって自分がいないと困るだろうっていう気持ちもありますし。
それはそれで 誇りっていうが…。
そりゃ あんたは 大事な戦力だよ。
休まれたら 大変だ。
でも それとこれとは 別。大事なことでしょう。
あんたの人生にとって とっても。
(鈴子)ちゃんと 一緒に帰ってお父さんが そこでうまく生きていけるのかどうか見届けておいで。
ん?
(省吾)みね子。お前がいなくなったらみんな 大変な思いをする。
でも 大切な仲間だからみんな それは頑張れる。
だから 大丈夫だ! なっ?
(元治)行ってこいよ。
そうと決まったらほら 急ぎなさい! ハハハハ!
えっ? 今日? 今から?
そうよ! せっかく お父さんがその気になったんだから。
こういうことは 一刻も早く!ほら 早く!
はい! ありがとうございます!(省吾)はい 行ってらっしゃい。
行ってきます!(一同)行ってらっしゃい。
行ってらっしゃい ほらほら!早く早く!
気ぃ付けてね。はい!
♪~
お父ちゃん!
♪~
帰ろう。
♪~
うん。