MITメディアラボの市民メディアセンターに所属するイーサン・ザッカーマン氏によるブログが、英文メディアとしてはひさびさにマストドンを取り上げたものだ。
しかし、その中身がまあひどい。
マストドンがBig in Japan、つまり日本でだけ人気なのはロリコンのせいだというのだ。
ザッカーマン氏がこのブログを書いたのは、なぜマストドンユーザーの69%が日本なのかということを知りたかったためだという。
BACK TO THE FUTURE:THE DECENTRALIZED WEB
筆者らが関わった、100ページを超えるこの調査レポートのマストドンに関わる部分の多くは、5月末に「マストドンについて読んでおくべき4本の英文記事と見ておくべき1本の動画」で取り上げたマシュー・スカラ氏のブログを引用しているのだが、日本と欧米の文化衝突におけるセンセーショナルな部分だけを誇張し、「ロリコン」の定義についても誤った解釈をしている(英訳したときの意味の揺れをスカラ氏が詳細に解説しているにもかかわらず)。
ザッカーマン氏は4カ月前にマストドンにアカウントを作ったきり放置していて3日前に突然調べ始めて、見つけたスカラ氏のブログの大半をパクり、ねじまげてこんなブログと報告書にまとめたようだ。やれやれ。
Big in Japanというフレーズは、欧米ではさっぱりだが日本でだけスター扱いという侮蔑のこもったニュアンスで、古い例であるベンチャーズはまあわかるが、クイーン、チープ・トリックなど日本で人気が先行したミュージシャンもそう呼ばれていた。
だが、クイーンもチープ・トリックも日本のファンが最初に目をつけ、その後世界的にその価値が知られるようになったのはご承知のとおり。
もうちょっと調べていれば、Big in Japanの一例としてよく挙げられるドイツのハードロックバンド、スコーピオンズのVirgin Killerのジャケット問題にもからめられたのにと残念でならない。
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