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(時子)「おい!江戸時代に こんなでかい町娘はいないだろ バカ野郎!」って私だげ帰らされたんだよ!
というわけで 月時計会議では時子の背が高い問題みね子の島谷問題更に 由香の生き方を問うの順番で進めることとなり今 最初の議題が終わったところであります。
一方あかね荘では こんなことが…。
(ノック)
♪~
・私。
♪~
♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
(由香)そう思うのよ 私は!
(早苗)つまり こういうことか?
由香は なにも既に終わってしまったことを蒸し返したいわけではない。だが みね子は ちょっと我慢しすぎなのではないか。もう 女が縛られて生きる時代ではないのではないか。もっと自由に 幸せを追求するべきなのではないかと。
はい。(早苗)ふ~ん なるほど。
(時子)ちょっと いいですか?(早苗)どうぞ。
何で 由香さんは そんなにみね子のこどが気になんですか?
えっ?
だって 関係ないし余計なお世話じゃないですか。
もし ただ 喧嘩売ってるっていうだけなら私は許しません。
私が戦います。この子は 私が守ります。
(早苗)なるほど。どうなんだ? 由香。
別に喧嘩したいわけでもないしそのとおり 関係ないけど…。けど?
この人 見てると何か 胸が痛くなるのよ。
(時子)どういう意味ですか?
いろいろ つらいことあっても耐えてさ 我慢して…。
わがまま言わないで一生懸命 働いて。つらいこと自分の中に ため込んで…。
健気で でも ニコニコしててさ。
自己主張しないっていうか何て言うか…。
そういうの嫌なのよ。
もう嫌だ もう無理だって…。
投げ出してほしいのよ 私は!
(早苗)どうして?
私のお母さんそういう人だったから。
そのまま 無理したまま死んじゃったから。
死んじゃうから そういう人は…。
「自由に生きた方がいいんじゃないの?」って思うんだよ 私は!
(早苗)それだけではないよな。そこも吐き出しとけ。
いい子ちゃん 見てるとイライラするっていうのもあるけど。
(みね子)何か よぐ分がんない。
そういう時代とか 自由にしろとか分がんないです 私。
自由って 何ですか?
みんな好き勝手にすることですか?
嫌なこどはやんないっていうこどですか?
違うよ。しなくていい我慢もあるってこと。
別に 我慢ばっかしして生きてるわげじゃねえし 私!
自由って 自分で選ぶっていうことでしょう?
人がら見たら「そんなんでいいのが楽しくないだろう」って思われても本人が選んでんだったらそれは自由でしょ? 違いますか?
そうだな。
それにいい子ちゃんとがって言うけど…。
別に そんなこどないですよ。
言いますけど島谷さんが 私のこど好きだって言ってくれて心のどっかに醜くて 汚い自分もいました。
そういう気持ぢもありました。
もし島谷さんと結婚したりしたら結婚したりしたらさそうしたらさ そうしたら…。
うちのことも楽んなったりすんのかなって…。
心のどっかで思いましたよ。
みね子…。
でも そういうふうに思ってしまう自分が嫌で嫌で吐きそうなぐらい嫌で大っ嫌いで…。
だから 島谷さんが家族を捨てて 一緒になりたいって言ってくれた時あぁ そうしたらもう そういう 私の醜い気持ぢもなぐなんだなって…。
感じなくて済むんだな…。
好きだけでいられんだなって…うれしかったです。
それでも選んだんです 私は。お別れを…。
自分で選んだんです。
別に 健気に耐えでるわげじゃないです。
自分で決めました。
それは 自由とは違うんですか?
あ…。
(すすり泣き)ごめんなさい…。
嫌なこと言わせて ごめん…。
へ?ごめん…。
いや 別に そういう…。
そんな…。
何? 何でそんな意外そうな目で見てんの?
いや そういう…。私を何だと思ってんの?
血も涙もない 悪魔か何かだと思ってる? ひょっとして。
いや 別に…。
まぁ 少しは…。は?
出会いが食い逃げだしね。(由香)また それ?
フッ… フフフ!
あれですね 由香さん。
何よ?
泣くと すんごい子どもみだいな顔んなりますね。
は~? ガキに 子どもみたいとか言われたくないわ!
何ですか それ!大人だと思いますけど 私は!
由香さんの方が子どもだと思います!
何がよ どこがよ!
いい年して 親に反抗してる方が子どもだと思います!
ちょっと待って。ではどっちがガキか問題に移るか。
何だ それ。
(2人)フフフ!
(笑い声)
(邦子)はい おごり!
(2人)えっ!?さすが~。
ありがとうございます!
今日は もう閉めちゃおうかな。
(時子)えっ?(早苗)いいんですか?
いいでしょ 自由で。
(笑い声)
♪~
さてと まっ由香について 話し合うわけだが。
はい!何 うれしそうな顔してんの?
そもそもあんたは 今 何してんだ?
は?ですよね分がんないですよね よぐ。
結婚してんですよね?ううん。
えっ!? 違うんですか?違う。
(邦子)そうなの?
だってシェフが お嫁に行ったんだって…。
正しくは 嫁に行くと言って家を出ていったということです。
そうだったの?え~?
まぁ 好きだった男のところに行ったのは そうですけど結婚はしていません。
何か そういう婚姻とかに縛られたくないんで… はい。
で で 今は?一緒に暮らしています。
絵描きなんだけどほとんど 家にいない人。
確か 売れない画家だったよね。
売れなくないよそこそこ売れてる。
そうなの? よかったね~。
おかげさまで… 幸せですが。
あぁ そっか…。
えっ? 何?(早苗)いや…。
…で 家にいんのか?
ううん 花屋さんで アルバイトしてる。
(時子)え~!ちゃんとしてんじゃない。
ですよね。してるわよ ちゃんと。
そうなんですか…。何?
あの…。はい。
シェフから聞いたのは…。
回想 (省吾)由香が 10歳になる時突然 節子が倒れて…。
あっという間に死んでしまった。由香は そんな俺と鈴子さんが許せなくて…。そこから 店 嫌いになってわがまま放題になった。俺も鈴子さんもどこかで やっぱりあの子から 母親を奪ったのは自分たちのような気がしてな。
へぇ そんなふうに言ってたんだ?
はい。
何か 分かんなくなっちゃったんだよ 私は。
どうしたらいいかお母さん 死んで…。
鈴子さん 私に謝った。
自分のせいだって 何度も謝った。
お父さんもね…。
子どもだからさ「そうだったんだ」って思ったしひどいとも思った…。
でもさ 店は やってかなきゃいけないじゃない?
そうすると 当たり前だけど店では 明るく元気よくやっていくしかないわけで…。
それが許せないと思った時もあった。
だから わざと嫌な気持ちになるような態度とったりもした。間違ってるなとは思ってはいたけど止められなかった。私を見て 悲しそうな顔するの見てると何でも言うこと聞いてくれるの見てると…。
何だか イライラして…。
どんどん嫌な娘 嫌な孫になっていった。
(由香)でさ 思ったんだよね。
大変 申し訳ありません。
月時計会議の決着は また明日。
そして 裏天広場では…。
(ヤスハル)♪「この広い野原いっぱい咲く花を」
♪「ひとつ残らず」
(鈴子)省ちゃん ちょっと。♪「あなたにあげる」
♪「あかいリボンの 花束にして」
(笑い声)
(省吾)ヤスハル歌 うまくなったじゃないか。
(鈴子)ねえ 聴かせてよ。いやいやいや…。
いいから 聴かせろ。いいから。
はいはい。
(拍手)
♪~(ギター)
♪「この広い野原いっぱい咲く花を」
♪「ひとつ残…」(鳴き声)