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インテジャーズ

数、特に整数に関する記事。

91:ヘックス数の天才的求め方

91は合成数であるような最小のヘックス数です。

ヘックス数

一辺がn個の点からなるような正六角形状に点を配置したときの個数を第nヘックス数と言い、Hnで表します(中心付き六角数とも言います)。

f:id:integers:20160106032806p:plain
これを六角数と呼びたくなりますが、六角数という名称を持つ数はヘックス数よりも小さい数として昔から別の定義があるため使うことが出来ません。ヘックス(hex)は六角形の英語hexagonの省略形ですが、六角形の升目のことをヘックスと呼びます。また、ヘックスという名のボードゲームがあって例えば次のサイトで遊ぶことが出来ます:
http://www.afsgames.com/hex.htm
実はこのヘックスというゲームを用いたJordanの曲線定理の証明があって面白いのですが、それはまた別の機会に紹介したいと思います。

1万以下のヘックス数は次のようになっています:

H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10
1 7 19 37 61 91 127 169 217 271
H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
331 397 469 547 631 721 817 919 1027 1141
H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
1261 1387 1519 1657 1801 1951 2107 2269 2437 2611
H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39 H40
2791 2977 3169 3367 3571 3781 3997 4219 4447 4681
H41 H42 H43 H44 H45 H46 H47 H48 H49 H50
4921 5167 5419 5677 5941 6211 6487 6769 7057 7351
H51 H52 H53 H54 H55 H56 H57 H58
7651 7957 8269 8587 8911 9241 9577 9919

ちなみに赤色の数は素数です。千以下だと61%、1万以下でも48%が素数で結構多いですね。

ヘックス数の一般項と天才的求め方

ヘックス数の一般項はHn=3n23n+1で与えられます。これを求める方法は色々あると思いますが、例えば最初の図を見ればHn=Hn1+6n6と漸化式が求まります。しかしながら、次のようなある意味で天才的なHnの求め方があります:

Hnを正六角形状に配置した図は一辺がn個の点からなる立方体に見える。
f:id:integers:20160106041959j:plain

そして、「3次元空間に一辺がn個の点からなる立方体状に点を配置したものから
一辺がn1個の点からなる立方体状に点を配置したものを取り除いた部分」をある角度から平面に投影したものがHnと思えるため、

Hn=n3(n1)3=3n23n+1

である。

Hnは望遠鏡和の形になっているため、k=1nHk=n3が成り立つことが分かります。

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