=エイズ特集= AV男優・森林さん セックスのリスクとよろこび
AIDS文化フォーラムin佐賀
2017年08月16日 10時18分
●AV男優業とは
僕はAV男優です。18歳未満の人は見ることができない、成人向けのエッチな動画に出ています。
一般の性行為と、僕たちの性行為は別物です。僕らはカメラを意識して、見せる前提で行為をします。つまりパフォーマンスです。
ですから、僕たちのまねをすると、セックスとしては失敗します。
【特集 AIDS文化フォーラムin佐賀】
・正しい知識で偏見なくそう ~石田純一と語るHIV/AIDS~
・HIV感染者・洪さん講演 周囲の無理解、生きづらさに
●セックスのリスク
まず、性感染症です。僕らはHIV、B型肝炎、梅毒、クラミジア、淋菌の検査を最低月1回は行います。多い人は2週間に1回検査しています。
今年から、これらに加えて、喉クラミジアと喉淋菌の検査も行っていて、この2つはびっくりするくらい簡単にうつります。口を使った前戯でうつるので、飲み込まないこと、歯茎に傷がないことでリスクを減らせるといわれています。
検査で陽性反応が出るまでに半年程度の潜伏期間があるので、検査で陽性と出たら、半年前までさかのぼって他人にうつしている可能性があります。
次に、妊娠のリスクがあります。妊娠をリスクと呼ぶべきかは微妙ですが、妊娠した場合の身体的負担は女性にあります。男性は自分が妊娠するわけではないので、当事者意識や危機感が足りず、女性ほどは真剣に考えられない可能性があります。
だから、女性からも避妊具を「付けて」と口に出してください。「1回くらいいいか」「最後だけ外に出せばいいか」と流されないように、男女共に避妊具を持ち歩いてきちんと着用することが大切です。
そして、セックスは「ただの行為」です。愛しているから勃起するわけではないし、愛していないから勃起しないわけでもない。愛と勃起は別です。それを混同すると男女ともに苦しみます。愛のあるセックスだから病気にならないわけでもない。どんな人にもリスクがあると知ってください。
最後に、性暴力です。体だけでなく、心が傷つくのも性暴力です。傷つくことをプレイとして楽しむ人もいますが、同意の上でプレイしてください。頭と心と体、3つの同意が必要です。男女ともに確認し合うことで、性暴力のリスクは減らすことができます。
「気持ちいい?」と聞くと、相手が気を遣います。「痛くない?」「続けていい?」のように、なるべく相手が本音を言いやすい言葉で聞くようにしましょう。
●セックスのよろこび
セックスの本質は「孤独の克服」だと思っています。人は生まれた瞬間から独りで、その孤独とどう向き合うかは生きていく上での課題のひとつです。
セックスはその瞬間だけ相手とつながった実感を得られ、瞬間的に孤独を克服することができて、その瞬間があるかないかで人生は変わります。
セックスしたからといって、相手とずっと一緒にいられる約束ができたわけではない。でも「自分が自分で良かった、この人と出会えてよかった」と思える瞬間を体験したことは、その後の人生に良い影響を与え、豊かな人生になるんじゃないかと思います。
恐れ過ぎず、大事にし過ぎず、セックスと真面目に向き合ってください。
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