アメリカ 何だこの種類の多さは?! 液体のミルクって何?! 日本とかなり違う粉ミルク事情について紹介します
先日、知人に赤ちゃんが産まれました!おめでとう~!
でも、上手く母乳が出ないようで、粉ミルクを買っているそうです。
アメリカで子育てをするのは初めての彼女なので、粉ミルクの種類の多さに困っているようで、先日会った時に粉ミルクについていろいろ質問されました。
私が粉ミルクを使ったのももう数年前のことなので、改めてまとめてみることにしました。
というわけで、今回は「日本とかなり違うアメリカの粉ミルク事情」について紹介します。
これから育児を始める皆様のお役に立てればいいなーと思います。
粉ミルクの2大メーカーと言えば
赤ちゃんのミルクは、英語でFormula(フォーミュラ)と言います。
実際に病院では
Similac(シミラック)
Enfamil(エンファミル)
が粉ミルクとして使われている場合が非常に多いです。
病院の受付にパンフレットが置かれていたり、出産した時のお祝いグッズの中にこれらのメーカーの粉ミルクなども含まれているぐらいお薦めされています。
定番のメーカーなので、薬局、スーパーなどでもほぼ置いてあるので手軽に購入でき、割引のクーポンやセール品になる場合も多いです。
でも、メーカーによってなんだか味が異なるようで、どちらかのメーカーが好きで、一方のミルクは飲まない、なんていうこだわりやさんの子供もいるそうですよ。
私は産後2か月ほど、母乳が上手く出なかったために、その時には、いろいろもらっていたこれらメーカーの粉ミルクを使っていましたが、息子はどちらのものでも、とにかくよく飲んでいました。
ミルクの形状
ミルクには、粉ミルク、液体ミルク、濃縮還元液体ミルク、の3種類あります。
★粉ミルク(Powdered Formula)
一般的な粉のミルクです。
驚くことに日本のように何度のお湯で溶いて、、、という几帳面なことはなく、水で溶かせばOK(ぬるま湯にしている人もいるようですが)。
鞄から粉ミルクの缶(丸ごと)を取り出して、哺乳瓶にスプーンで粉を加え、ミネラルウォーターを入れて、シャカシャカ~と振る、という一連の姿を、病院の待合室で見たときは、「え~!!!水で大丈夫なの?!思いっきり振っているけれど、いいの??え~!!!」とかなり驚いたものですが、粉ミルクの説明書きのところを見ても、大して温度には触れておらず、大丈夫みたいですよ。
私も最初の1-2回は、恐る恐る作って、ゆっくりシャカシャカしていましたが、子供がゴクゴク飲む姿をみて、「うん、大丈夫さ~」と、すぐに違和感はなくなってしまいました。
でも、水は、ミネラルウォーター、もしくは赤ちゃん用の水などを使ってくださいね。
また、粉ミルクは1回分が使い切りのスティックタイプも売っています。
持ち運びに便利です。
粉ミルクは、粉、液体、濃縮還元の中で一番安いので、日常使いとしてはこちらがお薦めです。
★液体ミルク(Ready To Use Formula)
これは、ボトルに液体調整されたミルクが入っていて、ふたを開けて、付属の使い捨てニップルを付ければ飲ませることができる商品。
水がなくても良く、計量の手間も必要ないので、外出先で重宝します。
また、とても衛生的でもあることから、病院の新生児には、このタイプでミルクをあげているそうです。
開封していない状態ならば、常温で1年以上保存可能なので、災害時用のストックとしても安心ですね。
私は、基本的に母乳をあげていたのですが、外出時に母乳をあげれる場所が見当たらない時用としてこの液体ミルクを持ち歩いていました。
2-3本持って外出すると、赤ちゃんがミルクを欲しがったときにすぐにあげれるので、安心。
電車の中でもさーっとミルクをあげることができます!
開けなければ、次のお出かけでも使えるので、便利です。
また、飛行機に乗るときにも、液体ミルクを持って行きました。
これなら、スチュワーデスさんの手を煩わせることなく、すぐにミルクをあげれます。
封を開けていない状態で、常識の範囲内の量でしたら、手荷物として持ち込み可能ですよ。
※詳しくはこちらを参考にしてください。
液体ミルクは、粉、液体、濃縮還元の中で一番高額です。
特別な日用、として用意したほうがいいでしょう。
★濃縮還元液体ミルク(Liquid Concentrate)
濃縮還元タイプのミルクで、水で希釈して使います。
必ず指定の希釈率で薄めてください。
薄目すぎたり、濃くして飲ませてはいけません!
ミルクの種類
さて、粉ミルクと言っても、何種類ものミルクを販売しています。
そこで、大手のSimilac、Enfamilで販売されている基本的なミルクを種類別で紹介していきます。
なお、成長段階によってミルクの種類は異なります。
今回は、Infantを中心に紹介していきます。
★Similac
サイトはこちら
With 2’-FL HMO
2’-FL HMOという母乳に含まれる天然成分を添加したミルクです。
この成分は、赤ちゃんの免疫系システムの発達を促進する成分で、これを加えたことでより母乳に近い機能の粉ミルクとなっています。
Similacの新しい商品です。
Standard
これらはスタンダードな商品です。
HMO入りかどうか、Non-GMOかどうか、などで商品が分かれています。
Non-GMOは組み換え作物を使用していない商品、Pure Blissは牧草のみを食した牛のミルクを使い、人工的な成長ホルモン、抗生物質を含んでいないなどの商品となっています。
Sensitive
fussiness、gas といった下痢やガスがたまりやすい赤ちゃんや、spit-upといってミルクの履き戻しをよくする赤ちゃん向けの商品です。
fussiness、gasは、赤ちゃんによっては消化器官がまだ未熟なため、ミルクの一部が消化できず、それが原因で腸にガスがたまりやすくなったり、その不快感から赤ちゃんが泣いてしまうことがよくあります。
そのような赤ちゃん用に、普通の粉ミルクよりも消化しやすく作られています。
また、 spit-upは、胃食道逆流症などで、よくミルクの吐き戻しをする赤ちゃん向けに作られた粉ミルクです。普通のミルクより濃厚につくられています。
Similacでは、これらをSensitiveとして、一つの商品として販売しているようです。
また、Soy Isomilは豆乳のタンパクから作られており、ベジタリアン、ミルクアレルギー向けの商品です。
Specialized Products
これらは、特別な栄養が添加されている商品です。
NeoSureは、未熟児の赤ちゃん向けの、普通の粉ミルクよりも高い栄養価で作られた粉ミルクです。
また、Alimentumは、ミルクプロテインアレルギーの赤ちゃん向けの商品。ラクトースが含まれていません。
★Enfamil
サイトはこちら
・PREMIUM は、Omega-3 DHAが他社の2倍量含まれている商品です。このオメガ3というのは、乳児の成育・行動・視覚発達補助に効果がある、という重要な栄養素です。
・Gentlease は、下痢やガスがたまりやすい赤ちゃんのためのもので、それらの症状を緩和させるように作られています。
・Enspire は、MFGM, ラクトフェリン、DHA、Choline、PDX 、 GOSなどが添加された商品です。
MFGM は認知能力に、ラクトフェリンは免疫系の発達をサポート、DHA、Cholineは脳の発育に、PDX 、 GOSは免疫系の発達プレバイオティクスに関係している栄養素です。かなりいろいろな栄養素が含まれているので、Enfamilの中でも高品質で高級なミルクかもしれません。
・Reguline は、ウンチの状況がよくない赤ちゃん用。消化器系をサポートし、消化器系の菌の活動を促進する栄養素を添加、さらにミルク自体の消化をよくしてあります。
・A.R.は、 胃食道逆流症などで、よくミルクの吐き戻しをする赤ちゃん向けに作られた粉ミルクです。普通のミルクより濃厚につくられています。
・ProSobee は、豆乳のタンパクから作られています。ベジタリアン、ミルクアレルギー向け。
・Nutramigenは ミルクプロテインアレルギーの赤ちゃん向けの商品。
・Enfamil は、ベーシックな商品です。
・Gentleaseは下痢やガスがたまりやすい赤ちゃんのためのものです。
オーガニック粉ミルク
さて、紹介した2社でもNon GMOの商品はだいぶ増えてきたようですが、オーガニックの商品はまだまだのようです。
そこで、オーガニックの粉ミルクをお探しの方は、これから紹介する2社が有名のようです。
①Earth’s Best
高品質のタンパク質、ミネラル、ビタミン、および必須脂肪酸が含まれた商品です。
また、脳や目の発達に重要な DHA、ARAも含まれており、栄養素、さらには乳清とカゼインの比も母乳と同じ比率にしており、かなり母乳に近い商品になっています。
Non GMO、Non add corn syrup solids(コーンシロップ無添加)、USDA Organic(オーガニックの基準を満たしている)、グルコースやラクトースには抗生物質、成長ホルモン、ステロイドまたは有害な除草剤または農薬を含んでいません。
②Baby’s Only
赤ちゃんがアレルギーにかかりやすい場合は、このOrganic Dairyがお薦めです。
グルテンフリー、Non GMO、Non add corn syrup solids(コーンシロップ無添加)、USDA Organic(オーガニックの基準を満たしている)DHAと ARA配合です。
また、人工の成長ホルモンや抗生物質、ステロイドは含まれません。
Toddler Formula(幼児用ミルク)と書かれていますが、この会社はToddlerに満たない時期までは母乳育児を推奨しているために、このように表記しているそうです。
Toddlerじゃなくても、新生児から使ってください!