全中国を、震撼させる事件が起こりましたって、ちょっと表現がオーバーかもしれません。
ただ、大騒ぎになっていることは本当です。
多くの人が、ショックを受けたことも本当です。
8月12日に、上海の女性作家である陳嵐(陈岚)(chen2
lan2/チェンラン)さんという人が、衝撃的な写真を微博(wei1
bo2/ウェイボ)に投稿しました。
もっとも、陳嵐さんは、女性の権利を守る活動を行っている方だそうで、ある個人から情報提供を受けたようです。
日本で言えば、成敗してもらうために、文春さんに情報を渡すのと一緒でしょう。
どれだけ衝撃的かと言えば、これだけ衝撃的でした。
8月12日の午後、南京南站(nan2
jing1 nan2 zhan4/ナンジンナンジャン)でのことでした。
南京南站は、高速鉄道の駅で、アジアで一番大きい高鉄(高铁)(gao1
tie3/ガオティエ)の駅だと言われています。
確かに大きいですが、中国には、他にももっと大きい駅があるような気がします。
次から次へとすごいやつを作っているので、もう訳わかりません。
その待合室で、一人の女の子が、若い男性からわいせつ行為を受けました。
これを「猥褻(猥亵)」(wei3
xie4/ウェイシエ)と言います。
また、セクハラという意味で「性侵」(xing4 qin1/シンチン)と言うこともあります。
「猥褻(ウェイシエ)」とは、猥褻であることを言いますが、猥褻行為をすることも「猥褻(ウェイシエ)」です。
なお、似たような言葉の「威脅(威胁)」(wei1
xie2/ウェイシエ)は、威嚇(いかく)する、脅すことです。
そして「諉卸(诿卸)」(wei3
xie4/ウェイシエ)は、責任逃れ、「萎謝(萎谢)」(wei3 xie4/ウェイシエ)は、花がしぼむことを言います。
具体的には、男性が女の子を自分の膝の上にのせ、後ろから女の子の胸の中に手を入れて、5分ほど、まあ、もみもみしていたというものです。
痴漢行為を、中国語では、どういう訳か、しょっぱいブタの手という意味で「咸猪手」(xian2
zhu1 shou3/シエンジュショウ)と言います。
近くで見ていた人は「はいっ?」と目が点になったことでしょう。
直接注意するのは何なので、その場でこっそりと写真を撮り、そして、活動家である陳さんに情報を提供したようです。
その場で何か言えよ!とも思いますが、逆ギレされたら怖い気持ちも、わからない訳ではありません。
ただ、この女の子、別に嫌がる素振りも見せず、普通にしていました。
近くには、その男性の両親と思われる男性と女性もいたのだそうです。
そして、状況から、女の子はどうも男性の妹のようであるということでした。
人前で堂々とそういう行為をするのはどういうこっちゃと思いますが、女の子が全く反応していなかった様子を見ると、どうも、これ、普段からこういうことをしていて、これが当たり前になっていたのではないかという疑念が沸いてきました。
陳さん、活動家をしているぐらいですから、そこそこ有名な人です。
その人が、微博(ウェイボ)で問題提起したこともあって、あっと言う間に話題となり、そしてどういうこっちゃ?となりました。
それこそ、全中国を震撼させる、と言えばオーバーですが、とにかく大きな話題となったため、結局、警察も動く羽目になりました。
で、男性は、河南(he2
nan2/ハナン)省は滑(滑)(hua2/フア)県の18歳の段(duan4/ドゥアン)さんであることがわかります。
滑県は、河南省の直轄県だそうで、大体、鶴壁(鹤壁)(he4 bi4/ハビ)市と濮陽(濮阳)(pu2 yang2/プヤン)市の間にあります。
あの、行くは苦しい方の天安門事件で失脚した、趙紫陽(赵紫阳)(zhao4 zi3 yang2/ジャオズヤン)さんの生まれ故郷として知られています。
そして、段さん「猥褻児童罪(猥亵儿童罪)」(wei3
xie4 er2 tong2 zui4/ウェイシエアトンズイ)で、刑事拘留されました。
ここでの「猥褻(ウェイシエ)」は、猥褻行為をすることを指します。
また、隣にいた男女は、やはり男性の両親でしたが、女の子は、この両親の養女だったそうです。
女の子が、まだ幼くて、何もわからないのをいいことに、こうやってスキンシップをはかるのが普通なんだよ!と、教えられてきたのかもしれません。
であれば、とんでもないことです。
こういうのを「性奴隷(性奴隶)」(xing4
nu2 li4/シンヌリ)と言うのでしょう。
高給をもらい、家族への仕送りもでき、映画も見に行くことができた慰安婦は、決して、性奴隷なんかではありません。
どうも、複雑な家庭環境だったようです。
これに対し、逆ギレのような気もしますが、陳さんに対し「何て余計なことをするんだ!」と問い詰める人も出て来ました。
曰く、これによって、女の子の立場が益々辛くなるだろう、というものです。
確かにそうかもしれませんが、この両親に、もうこの女の子を養う資格はないでしょう。
そもそも、どうして養女として受け入れたのかも疑問のあるところです。
かと言って、これから女の子がどこへ行くのか、誰に養ってもらうのかも気になるところです。
単なる痴漢行為かと思ったら、とんでもない児童虐待のお話でした。
もしかすると、こういうの、案外普通なのかもしれません。
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