『FINAL FANTASY XV』海外レビュー
【追記 - 12月03日18:03】Cheat Code Central、Digitally Downloaded、Game Revolution、Hardcore Gamer、PlayStation LifeStyle、RPG Siteのレビューを追加
【追記 - 11月30日13:10】CGMagazine、Eurogamer、Metro GameCentral、We Got This Coveredのレビューを追加
『FINAL FANTASY XV』の海外レビューです。
- ジャンル:RPG
- 機種:PS4/Xbox One
- 開発:スクウェア・エニックス
- 販売:スクウェア・エニックス
私が好きなRPGは、『FINAL FANTASY VI』のオペラ・シーンや、『FINAL FANTASY VII』の壮大な対セフィロス戦といった、永遠に記憶に残る瞬間を提供してくれるゲームだ。本作におけるそうした瞬間をネタバレするつもりはないが、壮大なボス戦からドラマチックな風景まで、『FINAL FANTASY XV』にはそうした瞬間が盛りだくさんなのだ。しかし、私の一番のお気に入りは、美しい最後のカットシーンの最中に流れ出す音楽を聞きながら感情を揺さぶられる瞬間だ。あの瞬間のためだけにでも、プレーする価値のあるゲームである。
・人間味あふれる素晴らしい世界
・ビデオゲームにこれ以上は望めない4人の友人
・パーティの関係性を前面に押し出した息を呑む戦闘
悪い点:
・物語はいつもの『FF』らしいバカバカしさだが、理解するには一歩下がる必要がある
・描き込みが足りない脇役と悪役
・まとまりのない後半
つまづいてさえ、『FINAL FANTASY XV』は野心的なオープンワールド、スピーディな戦闘、人間味あふれる4人の主人公たちのお陰で、素晴らしい冒険を堪能できる。
・広大で美しい世界
・スピーディでやりがいのある戦闘
・派手さの下に隠された深い戦略性
・『FF』らしさを盛り込んだ強力なストーリー・アーク
・本気で楽しめるドライブ
悪い点:
・自分でレガリアを運転するのは本作で最も無意味な要素
・防御に問題を抱えた仲間AI
ゲームも終わりに近づくにつれ、全てが一つにまとまり始めた。私とその友人たちに降りかかった、全ての苦闘、苦難を思い返していた。一見すると馬鹿げた長旅が一周して終わりを迎え、安易に感傷的なエピローグなしでも私は全ての旅路を心地良く思い返すことができた。その旅路で私は車を運転し、山を越え、ダンジョン奥深くに足を踏み入れたし、それを証明する傷痕と記憶もある。そして最後には、『FINAL FANTASY』の古典的な心が私を迎えてくれた。ノクティス、そして開発陣の旅路が、ファンが喪失を心配していた本質を届けてくれたのだ。『FINAL FANTASY XV』は私の期待とは180度異なるゲームだったが、結果的に私が探し求めていたゲームそのものとなった。
グラフィック: カメラが追ってこないことがあるものの、アクションは目を見張る出来で、良く動くキャラクターに巨大な敵、息を呑む武器エフェクトを見せてくれる
サウンド: 一部の地域限定メロディはビックリするほど酷く、世界観の本質を捉えていない。オーケストラによる新たな戦闘楽曲はそれよりもはるかに優れており、長いドライブも昔の曲のお陰で改善されている。声優の演技は一流
プレー性: 戦闘は反射神経と一般的なRPGを融合。戦闘は最高に楽しく、スキルが試される。車の運転は酷すぎてプレーできないほど
エンターテイメント性: オープンワールドのナビゲーションは今一つだが、ストーリーテリング、戦闘、万能感の提供では成功している。釣りすら楽しい
リプレー性: 高め
『FINAL FANTASY XV』は、今までプレーしたことのないようなRPG/オープンワールド体験だ。その独自性が長所であり短所でもあるが、多少の欠点があろうとも凄まじい旅路であることに変わりはない。クリアした数日後には、温かい気持ちで振り返ることができた。あの忌々しい車の記憶も、ノクティスの旅路やその過程で紐解かれる息を呑むような瞬間が打ち消してくれるのである。『FINAL FANTASY XIII』の続編は好きではなかったが、スクエア・エニックスには『XV』の継続か同様のデザインを採用した続編で磨きをかけてくれることを願っている。本作の強固な土台を活用しない手はないはずだ。
・シンプルだが極めて複雑な戦闘
・ゴージャスなカットシーン
・サイド・クエスト満載の広大なオープンワールド
・ギャグ
・『FINAL FANTASY』の新解釈
悪い点:
・グラフィックのグリッチ
・長いロード時間
・長距離を走ったり運転したりが多い
過去作やJRPG全般からの差別化を図るため、スクエア・エニックスは『FINAL FANTASY XV』でかなりのリスクを冒している。グラフィックには多少問題を抱えているものの、彼らは素晴らしい体験を作り出しており、新旧ファンが隔たりなく存分に楽しめるはずだ。待った甲斐のあるロード・トリップである。
・美しいと同時に恐ろしい驚異的なオープンワールド
・スピーディで滑らかな戦闘システム
・魅惑的なモンスター
・やりがいのあるエンドゲーム
悪い点:
・驚きのないプロット
・浅薄なキャラクターたち
・不必要に召喚が難しい召喚獣
ゲームを起動して最初に目にするのは、「ファンと新規ユーザーのための『FINAL FANTASY』」という謳い文句だ。『FF』の良さに関するファンの意見は一枚岩ではないし、未経験者がこのシリーズに手を出してこなかった理由など誰にも分からないのだから、これは実に奇妙な声明だ。初めて発表されてから実に10年の月日が経過しているし、その間にプレーヤーの好みも変化している。浅薄な物語から厄介な召喚獣まで、ファンも外野もどこかしら気に入らないところが見つかるはずだが、一旦プレーすれば、本作が素晴らしいゲームであるという事実は否定できないはずだ。キャラクターには失望しても、美しい世界とエキサイティングな試練が救世主となっている。
・ゴージャスな世界
・スピーディで楽しい新たな戦闘
・愛らしいキャラクターたちの関係性
悪い点:
・制御できないカメラと気に食わない車
『FINAL FANTASY XV』の真髄は、冒険と興奮だ。癖のあるゲームだし、慣れ親しんだ『FF』ではないものの、楽しいキャラクターと共に過ごす楽しいゲームであり、予期せぬ感情を喚起する。これはダメだと思っても、ダメではないこともあるのだ。
操作性 3.5: 操作性を完全にマスターすれば、最高の戦闘が楽しめる。しかし、カメラと操作がかみ合わないことも
音楽/効果音/ボイスアクト 4.5: 素晴らしいスコアと見事なエフェクトが世界に命を吹き込んでいる。声優の演技はピンキリだ
バリュー 4.0: 流れに乗れるようになるまでに時間がかかるものの、一旦気に入れば、クリア後ですら楽しめるボリューム満点のユニークな体験になるだろう
『FINAL FANTASY XV』は不完全だが、長所は雑な短所を凌駕している。流れに身を任せ、仲間たちと時間を過ごし、ゲームに没入することをおススメしたい。頑張ってコンプを目指そうとせずに、あまりメイン・ストリーにこだわることなく、オープンワールドの冒険を楽しもう。この二つのバランスを取ってこそ、本作の真髄が堪能できるのである。
サウンド: 有名な高品質サウンドトラックが完全復活。派手な戦闘時にラテン・ボーカルが流れ始めると、鳥肌が立つはずだ。だが、ここで助言。音声は日本語にすること
インターフェース: 4人分全てを一つにしてしまった複数のスキル・ツリーは、成長管理を苦痛で面倒なものにしている。召喚するためにL2を押し続ける必要があることが分かりにくい
ボリューム: 最初の6章だけで70時間を超える探索が可能だそうだ。普通に遊んだ私のプレー時間は35時間ほど。平均的ではあるが、少々物足りない
私は『FINAL FANTASY XV』が上手く行くとは全く思っていなかったが、深刻な欠点を抱えているにもかかわらず、最後には私の心を勝ち取っていった。幾多のキャンプを通じてキャラクターたちに感情移入していったし、オープンワールドは期待以上に発見に満ち、ド派手な見せ場も楽しむことができた。一部では激しい批判に晒されることは確実だが、素晴らしい点も間違いなく存在している。序盤の数時間でダメだと思っても、諦めずにプレーし続けよう。最後には驚くほど楽しめるかもしれない。
・面白いサイド・クエストから隠し要素まで、膨大なボリューム
・新旧要素を織り交ぜた楽しめる手堅い戦闘システム
・一部の優れたアート・デザイン
悪い点:
・貧弱なストーリーテリングと好きになれないキャラクターたち
・貧弱な脚本と声優の演技
・物足りない魔法と召喚システム
・頼りにならないカメラとロックオン
全ての現代『FINAL FANTASY』と同じように賛否を呼ぶことを運命づけられているが、それなりの戦闘と探索以上に物語とキャラクターたちに失望させられる。