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【ゴルフ】

松山英樹、悔し泣き 一時単独トップも…5位

2017年8月15日 紙面から

最終ラウンド、13番でアプローチショットを寄せきれず、悔しがる松山英樹=クウェイルホロー・クラブで(AP・共同)

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◇全米プロ<最終日>

 ▽男子メジャー第4戦(最終戦)▽13日、米ノースカロライナ州シャーロット、クウェイルホローC(7600ヤード、パー71)▽晴れ時々曇り、27度、南南西5メートル▽優勝600ポイント、賞金総額1050万ドル、優勝180万ドル▽75選手

 【シャーロット(米ノースカロライナ州)テッド・ムース】松山英樹(25)=レクサス=がまたもメジャーを逃し、涙にくれた。首位に1打差の6アンダー、2位タイから出た松山は途中単独トップを奪いながら11番からの3連続ボギーで崩れ、72で通算5アンダーと伸ばせず5位。日本男子初のメジャー制覇を逃した。試合後、一般女性との結婚と第1子誕生を発表した。同組で回ったジャスティン・トーマス(24)=米国=が68で通算8アンダーにし、4位から逆転でメジャー初Vを果たした。

 松山は涙が止まらなかった。手にできそうだったメジャー初制覇をあと一歩で逃した。ショックのまま最初にテレビ局の質問に答えようとしたが、こみ上げてくるものがあって言葉が出ない。「悔しいです」とだけつぶやき、顔を隠して座り込んでしまった。

 1月のトーナメント・オブ・チャンピオンズで一緒に回って完敗した因縁の相手・トーマスと、最終組の1組前を回った。1番パー4の第2打、188ヤードを1・2メートルにつけたが入らなかった。ここで流れが悪くなった。2番パー4もラフを渡り歩いた末に2メートルのパーパットが入らず。3番では第2打がピンを直撃して5メートル離れる不運も。汗の出方が前日より激しく、ずっと白いタオルを持ってプレーした。

 6番と7番を連続バーディーにして首位をとらえ、単独トップで前半を折り返した。10番も6メートルを決めて通算8アンダーにした。だが、運は松山でなくトーマスについていた。このホール、トーマスの左に曲げたドライバーショットは木に当たってフェアウエーへ。さらにカップ縁でいったん止まったバーディーパットが10数秒後に転がり落ちた。これを境に、松山が崩れた。

 11番はフェアウエーから残り151ヤードの第2打をミスしてグリーン前のラフへ。この一打を「すごく痛かった。難しくない状況からミスしてしまった」と敗因に挙げる。1・2メートルのパーパットも左へ外し、自滅でトーマスに並ばれた。

 続く12番はグリーン右ラフからの寄せがだるま落としになり、首位から転落。13番パー3はグリーン右からのランを使った寄せがスピンのかかりすぎで4メートル届かず3連続ボギー。対照的にトーマスは、グリーン左からチップインさせ、一気に3打差に開いた。松山も14番と15番で取り返して追撃態勢に入ったが、17番パー3で先にピン右3メートルにつけられ、事実上この時点で勝負がついた。

 ギャラリーの声は途中から「JT!」と新しい米国のヒーロー誕生を喜ぶコール一色となり、松山は完全にアウェー状態に。メジャー初制覇を遂げて、結婚発表に花を添えたかったが、かなわなかった。

 泣き終えて落ち着きを取り戻した松山は、丁寧に取材に応じ、「ここまで来た人はたくさんいる。これから勝てる人と勝てない人の差が出てくると思う。勝てる人になりたい。ただ、何をすれば勝てるのか分からない」と話した。今までで一番楽しいメジャーだったかという最後の質問には、「それは分からないです」と答え、今年最後のメジャーの舞台を去った。

 

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