毒菌ベニテングタケの味見
野のキノコに興味を持って以来、食菌、毒菌ではないが通常食べないキノコ、弱毒で毒抜きが可能な毒菌など、色々な野のキノコを食べてきています。
キノコはそれが食菌であっても、食べ方によっては中(あた)ったり、人によっては中ったりするものなのです。
中にはシイタケや松茸で中る人だっているのですから。
なので私は、初めて食べる野のキノコのケースでは、自分の中の厳密なルールのもと、たとえ食菌の場合であっても、時間をかけて段階を踏む慎重な食べ方をしてきました。
その甲斐あってか、幸運に恵まれたか、私自身はこれまで野のキノコに中ったことは一度もありません。
毒への耐性度合も人によって全く異なります。
従って決して安易に本記事の真似をしないでください。 危ないです
キノコの絵と言えば赤い傘に白い水玉模様、その定番キノコがベニテングタケ(紅天狗茸 Amanita muscaria)。
毒キノコの代名詞にもなるキノコだけれど、命を落とす猛毒菌がゾロゾロある超危険なテングタケ科の中では、比較的大人しい方で、中ってもまず命までは取られない。
一人1本までは大丈夫とか、2本までは大丈夫だとか、まことしやかな情報が流れ、実際試した強者も多く、長野県に至っては塩漬けして普通に食べる地方があるとか・・・(笑)。
何故にそこまでして食べるのかと言えば、このキノコは滅法美味いという評判だからなのです。
このキノコの主な毒成分はイボテン酸(ibotenic acid)と呼ばれるアミノ酸の一種。
このイボテン酸は毒でありながら、同時にグルタミン酸ナトリウムの10~20倍くらい強い旨みを持つ旨み成分でもあるのです。
グルタミン酸ナトリウム、つまり味の素の10~20倍位の旨みを持つって、お前はどんだけ旨いの~!!
それだけ旨いのなら、どうにかして毒抜きが出来ないものかと考えがちだけれど、毒そのものが旨みなので毒を抜いたら旨みも抜ける(笑)。
前述した塩漬けの場合でも、塩抜きで毒が流れれば、流れた分だけ同時に旨みも失うだけ。
何ともままならんもんですな。
ともあれ、どれだけ旨いかは自分の舌で納得しなきゃ始まらない。
今年は絶対ベニテングタケの味見をすると決めていました。
さて、そんな折、そのベニテングタケが手に入ったのです。
味見には打ってつけの小さな幼菌。
傘上の白イボは流れて落ちているけれど間違いなくベニテングタケです(下写真)。
大抵のキノコ毒は水溶性。
水に漬けて多少なりともイボテン酸を流してしまっては意味が無い。
水に漬けず、土汚れを爪楊枝と刷毛とナイフで丁寧に除去。
まず1/4本をさらに半分づつに分けて、塩を振り、アルミホイルに包んでホイル焼き(下写真)。
焼きあがったものを家内と分けて(一人1/8本)味見したのですが、口に入れたその味はまさに衝撃的。
なんじゃこれは~!!
美味しいキノコとかそんなレベルではない。
自然の旨みというよりは旨味調味料をそのまま舐めたような、べったりと舌に張り付く濃すぎる程の旨み。
旨味は柄より傘の方がずっと強い。
20分位、口の中から旨みが消えません。
話には聞いていたけれど、ここまでとは思わなんだ。
あまりに衝撃的で写真を撮るのも忘れたぜ(下写真)。
食べた量は元々中毒を起こす量ではない筈だけれど、取りあえずこの後3時間程様子見。
想定通り全く異常なしでした。
さてこれだけ旨みが強いのなら、出汁も出るはず。
今度は1/2本を使ってスープにしてみることにしました(下写真)。
スープなら玉ねぎを入れたり、ベーコンを入れたりしたいところだけれど、美味しいスープを飲むのが目的ではなく、どの位出汁が出るものなのかの確認です。
何も入れず水と小さく解したベニテングタケのみで煮出し、味付けは塩&白コショウのみ。
出来上がったスープ2人分(下写真)。
ちょっと旨みが濃すぎるよ~(笑)
この2.5~3倍に薄めてちょうど良い位。
と言うことは、こんな小さな幼菌1/2本で5~6人分のスープに十分な出汁が出るということです。
鰹節も昆布も真っ青、こんな少しでこれほど出汁がでる食材(食材じゃないか、笑)は他に知りません。
正直ビックリ。 (; ̄Д ̄)オッドロキー
なおこのスープで一人1/4本を食べた訳だけれど、想定通り異常は全くありませんでした。
外見が似ている食菌のタマゴタケ。
テングタケ属のキノコなので美味しいとされているけれど、ベニテングタケの旨みに比べたら無いに等しい。
食菌のタマゴタケには毒のイボテン酸は欠片も無い訳だから、それは当然と言えば当然。
イボテン酸を持っているテングタケ属のキノコは、テングタケ、ウスキテングタケ、イボテングタケ、ベニテングタケ、ヒメベニテングなど、どれもテングタケ属テングタケ節(Section Amanita)のキノコのようです。
最もイボテン酸が多いのはテングタケで、ベニテングタケの10倍位のイボテン酸を持つと言われています。
と言うことはこのベニテングタケの10倍旨いということだけれど、10倍は毒性が強いのですから、怖い怖い(笑)。 こちらは洒落にならないゾ。
蓄積性も危惧されている猛毒アマニチンも極々微量ながら含まれているらしいし、
イボテン酸の味も判ったところで、今後は君子危うきに近寄らず・・・かな
キノコはそれが食菌であっても、食べ方によっては中(あた)ったり、人によっては中ったりするものなのです。
中にはシイタケや松茸で中る人だっているのですから。
なので私は、初めて食べる野のキノコのケースでは、自分の中の厳密なルールのもと、たとえ食菌の場合であっても、時間をかけて段階を踏む慎重な食べ方をしてきました。
その甲斐あってか、幸運に恵まれたか、私自身はこれまで野のキノコに中ったことは一度もありません。
毒への耐性度合も人によって全く異なります。
従って決して安易に本記事の真似をしないでください。 危ないです
キノコの絵と言えば赤い傘に白い水玉模様、その定番キノコがベニテングタケ(紅天狗茸 Amanita muscaria)。
毒キノコの代名詞にもなるキノコだけれど、命を落とす猛毒菌がゾロゾロある超危険なテングタケ科の中では、比較的大人しい方で、中ってもまず命までは取られない。
一人1本までは大丈夫とか、2本までは大丈夫だとか、まことしやかな情報が流れ、実際試した強者も多く、長野県に至っては塩漬けして普通に食べる地方があるとか・・・(笑)。
何故にそこまでして食べるのかと言えば、このキノコは滅法美味いという評判だからなのです。
このキノコの主な毒成分はイボテン酸(ibotenic acid)と呼ばれるアミノ酸の一種。
このイボテン酸は毒でありながら、同時にグルタミン酸ナトリウムの10~20倍くらい強い旨みを持つ旨み成分でもあるのです。
グルタミン酸ナトリウム、つまり味の素の10~20倍位の旨みを持つって、お前はどんだけ旨いの~!!
それだけ旨いのなら、どうにかして毒抜きが出来ないものかと考えがちだけれど、毒そのものが旨みなので毒を抜いたら旨みも抜ける(笑)。
前述した塩漬けの場合でも、塩抜きで毒が流れれば、流れた分だけ同時に旨みも失うだけ。
何ともままならんもんですな。
ともあれ、どれだけ旨いかは自分の舌で納得しなきゃ始まらない。
今年は絶対ベニテングタケの味見をすると決めていました。
さて、そんな折、そのベニテングタケが手に入ったのです。
味見には打ってつけの小さな幼菌。
傘上の白イボは流れて落ちているけれど間違いなくベニテングタケです(下写真)。
大抵のキノコ毒は水溶性。
水に漬けて多少なりともイボテン酸を流してしまっては意味が無い。
水に漬けず、土汚れを爪楊枝と刷毛とナイフで丁寧に除去。
まず1/4本をさらに半分づつに分けて、塩を振り、アルミホイルに包んでホイル焼き(下写真)。
焼きあがったものを家内と分けて(一人1/8本)味見したのですが、口に入れたその味はまさに衝撃的。
なんじゃこれは~!!
美味しいキノコとかそんなレベルではない。
自然の旨みというよりは旨味調味料をそのまま舐めたような、べったりと舌に張り付く濃すぎる程の旨み。
旨味は柄より傘の方がずっと強い。
20分位、口の中から旨みが消えません。
話には聞いていたけれど、ここまでとは思わなんだ。
あまりに衝撃的で写真を撮るのも忘れたぜ(下写真)。
食べた量は元々中毒を起こす量ではない筈だけれど、取りあえずこの後3時間程様子見。
想定通り全く異常なしでした。
さてこれだけ旨みが強いのなら、出汁も出るはず。
今度は1/2本を使ってスープにしてみることにしました(下写真)。
スープなら玉ねぎを入れたり、ベーコンを入れたりしたいところだけれど、美味しいスープを飲むのが目的ではなく、どの位出汁が出るものなのかの確認です。
何も入れず水と小さく解したベニテングタケのみで煮出し、味付けは塩&白コショウのみ。
出来上がったスープ2人分(下写真)。
ちょっと旨みが濃すぎるよ~(笑)
この2.5~3倍に薄めてちょうど良い位。
と言うことは、こんな小さな幼菌1/2本で5~6人分のスープに十分な出汁が出るということです。
鰹節も昆布も真っ青、こんな少しでこれほど出汁がでる食材(食材じゃないか、笑)は他に知りません。
正直ビックリ。 (; ̄Д ̄)オッドロキー
なおこのスープで一人1/4本を食べた訳だけれど、想定通り異常は全くありませんでした。
外見が似ている食菌のタマゴタケ。
テングタケ属のキノコなので美味しいとされているけれど、ベニテングタケの旨みに比べたら無いに等しい。
食菌のタマゴタケには毒のイボテン酸は欠片も無い訳だから、それは当然と言えば当然。
イボテン酸を持っているテングタケ属のキノコは、テングタケ、ウスキテングタケ、イボテングタケ、ベニテングタケ、ヒメベニテングなど、どれもテングタケ属テングタケ節(Section Amanita)のキノコのようです。
最もイボテン酸が多いのはテングタケで、ベニテングタケの10倍位のイボテン酸を持つと言われています。
と言うことはこのベニテングタケの10倍旨いということだけれど、10倍は毒性が強いのですから、怖い怖い(笑)。 こちらは洒落にならないゾ。
蓄積性も危惧されている猛毒アマニチンも極々微量ながら含まれているらしいし、
イボテン酸の味も判ったところで、今後は君子危うきに近寄らず・・・かな
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