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富山新聞

思い出の詰まった教室を見て回る来校者=14日午前9時10分、金沢市森山町小

思い出の校舎に別れ 金沢・森山町小 解体前に一般開放

2017/08/14 16:04

 金沢市内の小学校舎で最も古く、今秋に取り壊される森山町小で14日、一般開放が始まった。近隣に住む卒業生や地域住民、旧盆で帰省した卒業生らが懐かしそうに教室や廊下を見て回り、校門前や教室で記念撮影を楽しんだ。思い出話に花を咲かせる姿も見られ、学びやとの別れを惜しんだ。

 

 午前9時の開始から続々と卒業生らが訪れ、教室を見て回ったり、椅子に座ったりしながら、「机が低い」「ここで勉強したんや」などと会話を弾ませた。卒業生で大相撲の大鳴戸親方(元大関出島)の記念室では、トロフィーや盾などに見入った。

 

 旧盆に合わせて東京から帰省した卒業生の会社員河原努さん(38)は「こまを回して遊んだ思い出がよみがえった。校舎が無くなると思うとさみしい」と話した。

 

 同級生の大根啓一さん(58)、久田徹さん(58)、山岸正利さん(58)の3人は、階段から飛び降りる「根性試し」をしたり、階段の手すりを滑り降りたりした思い出話が尽きず、「田んぼが多かった町の風景は変わっても、学校は昔と変わっていない」と懐かしんだ。

 

 1階の廊下では、ポリエチレン製シートに赤色や黄色などの手形を押す取り組みが行われ、来校者が手形に自分の名前を添えた。卒業生2人が企画し、シートを円筒形に加工して、26日から金沢市森山2丁目の浄光寺で展示される。

 

 森山町小は1880(明治13)年に創立された。現校舎は1956(昭和31)年に供用を開始し、増築を経て65年に完成した。老朽化のため、校舎は10月以降に解体されることが決まっており、9月中旬にグラウンドに建設中の仮設校舎に引っ越しする。新校舎は現校舎の跡地に建てられる。

 

 今年度に入り、同小には卒業生から校舎の見学を希望する問い合わせが相次いだことから、学校と育友会が県外在住の卒業生が訪れやすいように旧盆に合わせて一般開放を企画した。

 

 育友会の中佐寛喜会長(43)は「感謝の気持ちを持って校舎を見ていただき、思い出を振り返ってほしい」と話した。一般開放は18日まで、午前9時~午後5時に行われる。