歴史に思いはせ、生麦事件150年行事に住民ら300人/横浜
- 社会|神奈川新聞|
- 公開:2012/08/22 00:29 更新:2016/01/07 13:23
1862(文久2)年8月21日に起き、日本の近代化幕開けのきっかけとなった生麦事件の150年記念行事が21日、横浜市鶴見区生麦で行われた。地域住民をはじめ、県内外から計約300人が事件現場に集い、歴史に思いをはせた。
1883年に現場近くに建立された事件碑前では毎年、薩摩藩士に殺傷された英国人をしのんで追悼祭が行われている。21日は約200人が参列。神事に続き、地域の代表者らが玉串を供え、犠牲者を悼んだ。
近隣のキリンビール横浜工場では記念祭が開かれ、事件を後世に伝え続けている「生麦事件参考館」の浅海武夫館長(82)が講演した。事件が薩摩と英国の戦争に発展し、日本が鎖国から開国に転じる分岐点となるなど「日本の近代化のきっかけとなった」と説明。「事件に関心を持ってくれる人が年々増えてうれしい。今後も歴史的意義を伝えていく」と話した。
事件に関わった薩摩藩士、海江田武次のひ孫・海江田忠義さん(66)=東京都目黒区=は「7、8年前に浅海さんと出会うまで、事件の経緯や日本への影響を詳しく知らなかった。生麦の人々の姿を見て、歴史を伝える大切さを学んだ」。地域住民でつくる生麦事件碑顕彰会の青木義雄会長(79)は「長年の積み重ねで事件への理解が深まっている。事件で亡くなった方のためにも追悼祭を続けていきたい」と話した。
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