Q.40社員教育はどのような形式でおこなわれていますか?
2010-06-08 (火)
社員教育を行っている会社は意外に少ない様です。「いや、うちはオンザジョブトレーニングでしっかり教育を行っている」という方も多いでしょうが、OJTは教育の範疇に入りません。仕事上のマニュアルを教えているだけです。
社員教育は大きく分けて3つ。
① 社内のコミュニケーションを改善する為の物
② 専門性の高い勉強をすること
③ 人生啓発に当たるもの
です。
社内のコミュニケーションをよくする為のものは実は重要にもかかわらず行われていない事が多いです。そういう私もここをないがしろにして、手痛い失敗を起こしました。会社設立後3年ほど経った頃でしょうか?幹部社員に連盟で血判状の様な物を主要株主に送られたのです。株主の方で私をかばってくれて、結果的に誤解であった事が分かり事なきを得ましたが、私がもしオーナー社長だったなら辞任していたと思います。
相手は、分かっていてくれるだろうと思って、よかれと思ってしていることもコミュニケーションが十分でないと「会社をだめにしようと思っている」ととられてしまいます。私の場合がそうでした。
リクルート時代ROD(Recruit Organization Development)と言うのを受けた事が有ります。ある人の為に、一緒に仕事をしている仲間が一泊2日で研修所に缶詰になり、その人物の強み、弱み、人格の全体像、優しさ、厳しさなど自分でも気がつかい様な事を話し合います。最後にそれをまとめ、本人も参加者も納得の上、その人が向上出来るようなキャッチフレーズを作ります。本人と仲間はそのキャッチフレーズを共有すると同時に達成の為の手助けをします。自分の問題点が分かり、それを仲間と共有する事によりコミュニケーションUPを実感しました。
専門性の高い領域の勉強ですが、これは会社がお金を出してあげる事だけです。英会話、経理財務、マーケティング、マネジメント、リーダーシップ、コンプライアンス、などグロービズの様な学校に習いに行くか、国内、海外を問わずMBA取得を金銭面で後押しする、とかです。私が起業した会社でも、英会話は会社が全額負担、グロービスも会社負担でかなりの人数の人が受講していました。おもしろい事にこのように実学で学びに行く人は、その分野に興味を持ち、自習で本を読み始めます。結果が出るにはそんなに時間はかかりません。半年もすると、マインドが開き初め、考え方が変わってきます。
最後に自己啓発関連です。実は、この分野はなかなか難しく座禅をして悟りを開くような物です。最初のうちはロバートキヨサキなどのお金を得る方法からスタートする方が多い様ですが、そのうちそれだけでは、物足らなくなり自己実現などの方向に向かいます。そしてそれを極めてくると今度は精神世界へ向かい、最後は宗教と自己啓発のすれすれのところまでいってしまいます。もちろんそれで宗教(伝統的でたくさんの信者のいる宗教)に帰依するのもいいことと思います。
何の為に働くのか、自分は社会に何が出来るのか等を同僚とともに考え、熱心に進むのは、業績もさることながら、行為そのものがすばらしい事だと思います。
パナソニック、ソニー、本田などの会社は働く意味を文化として持っていて、今の成功が有るのだと思います。松下幸之助は「ウチでは、電化製品を作っているのでは有りません。人材を作っているのです」といった言葉は有名です。
仕事を通して自分の人生に意義を見いだし、それを仲間と共有して、結果それが社会貢献につながる。こんなすばらしい事は有りません。