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6.212016
平成28年度も緩和された夜勤72時間ルールとは?
夜勤72時間ルール
7対1とは、患者さん7人対し看護師1人を常時配置すること。
その7対1入院基本料の条件の1つが月の夜勤時間を72時間以下に抑える「夜勤72時間ルール」
看護師のためや医療事故などを防ぐための制度です。
「看護師の月平均夜勤時間は72時間以下」とは?
7対1と別々の制度ではないです。7対1の配置を守りつつ、月の夜勤時間を72時間以下に抑えることは、それだけ多くの看護師が必要となりますので、病院にとってこの72時間ルールはかなり厳しいです。
また、10対1も厳しい病院も多いです。13対1の病院も少なくないです。
実際、に何度か病院側が制度撤廃を求めています。
しかし、撤廃はされず緩和措置されています。
平成28年度診療報酬改定ではどうなった?
2016年に病院団体が厚生労働省に要望書を提出しています。
しかし看護協会は「72時間ルールは看護師にとっての生命線。堅持するべき」
とされこの要望は見送りされました。
しかし、今回も制度が緩和されました。
「72時間ルール」を遵守できなかった場合、月平均夜勤超過減算として直近3カ月の入院基本料が2割減になり、その3カ月以内に改善できなかった場合は特別入院基本料(7対1入院基本料のおよそ3分の1)しか算定できなくなります。
3カ月の猶予期間ができたので少しは緩和されました。
なぜ、この夜勤72時間ルール制度を病院は目指すのか?
診療報酬を減算され病院の収入が減額(7対1入院基本料のおよそ3分の1)してしまうからです。
1か月の夜勤時間を72時間以下にするには?
・2交代制の場合は1回の夜勤が16時間前後だとすると月4回(約64時間)
・3交代制の場合は準夜勤、深夜勤共に1回8時間だとすると月9回(72時間)までとなります。
夜勤72時間ルール含め7対1入院基本料を満たしていない病院(10対1や13対1)はどうなる?
72時間ルールは適用となり、条件を満たさなければ大幅な診療報酬減少(7対1入院基本料のおよそ3分の1)になります。
夜勤72時間ルールの例外がある?
夜勤72時間ルールは、全ての病棟に適用されているわけではなく、例外として免除されている病棟もあるんです。
それは、救命救急センターやICU、NICU、HCUなどの集中治療系の病棟や回復期リハビリテーション病棟、緩和ケア病棟、認知症治療病棟などです。
一般病棟は日勤に比べて夜勤の看護師の数が少なくて済みますが、これらの病棟は昼夜問わず、同じ質を保った看護を行わなくてはいけませので、日勤と同程度の夜勤看護師の数が必要となります。そのため、72時間ルールが免除されています。
夜勤専従は?
夜勤72時間ルールがあるために、2交代制の場合、月4回が夜勤の上限となっているのに、夜勤専従者は月10回程度夜勤に入っていますよね。これは、どういう事なのでしょう?
2006年に診療報酬が改定され、7対1入院基本料が導入された当初は、夜勤専従看護師は、72時間の2倍(144時間)を上限とすると定められていたのですが、2012年の改定で夜勤専従看護師の夜勤時間の上限は撤廃されました。
この措置は、「夜勤専従者でない人の夜勤を夜勤専従者が行うことにより、夜勤専従者以外が行う夜勤時間が少なくなる」ためと厚生労働省は説明しています。
この夜勤専従看護師の夜勤時間上限撤廃を受けて、病棟で月に1~2人を夜勤専従者にし、月ごとにスタッフ間でローテーションして、他の看護師の72時間ルールを守っているという病院が増えています。
また、夜勤専従看護師の求人が増えているのも、このような理由があるためと考えられます。