専門性が求められる窓口業務を、営業店からコールセンターで対応
銀行が扱う商品は多様化・複雑化しており、専門的な知識が業務で求められるケースが急増している。「住宅ローン」もそうした分野の1つであるが、専門的な知識を有する専任担当者を育成し、全営業店に配置するのは容易ではない。そこで、りそなホールディングスでは、10年以上前に各営業店に設置したテレビ会議システムで、本部のオペレーターが遠隔から対応する体制とローン相談システムを構築した。
このシステムのリプレイスにあたり、2012年に「V-CUBE セールス&サポート」を採用。導入コストの削減が可能になり、現在では全店舗に端末が配置されている。
リプレイスに際して、りそなホールディングスが期待したこと
コスト削減とセールス/事務合理化の実現
10年以上前に導入したテレビ会議システムは、専用端末が必要であったため全店舗へ導入には導入コストがネックとなった。
対面相談と同じ感覚
オペレーターが戸惑わないよう、旧システムと同じ操作感を維持しながら、お客さまが違和感を感じないようにしたい。
相談業務を効率化するカスタマイズ対応
お客さまと書類をやりとりする周辺機器とのスムーズな連携で、お客さま1人ひとりに対するきめ細かいサービス提供を行えるようにしたい。
V-CUBE セールス&サポート選定のポイントは?
コストを抑え、厳しい要求に耐えうる安定稼働ができるか?
「ローン相談システム」を活用しようとした際に、「つながらない」「音が出ない」などのトラブルがあるとお客さま満足度が低下する。
- システム開発会社のNCR社、NTTデータ社との協業によるシステム構築で、安定稼働を実現。
対面相談と同じ感覚に近づくか?
従来システムの操作性をベースに、改良も加え、お客さまにもオペレーターにも対面と違和感のないインターフェースにできること。
- センシティブな相談内容が外に聞こえないようにするためのハンドセット活用や周辺機器の遠隔操作など、要望に対して柔軟に対応。
- 「住宅ローン」での利用が順調で、一部店舗では、「信託」「相続」などにも対象分野を広げている。
相談業務のフローに沿ったカスタマイズができるか?
書類の記入や確認が発生する相談業務をスムーズに実現するためのカスタマイズ対応ができることも大きなポイント。
- 旧システムと同じ操作感を維持しながら、業務フローに沿ってV-CUBE セールス&サポートをカスタマイズ。
- 「ローン相談システム」の稼動後も、NCR社がV-CUBE操作も含めたヘルプデスクを設置。
お客様の声:窓口での対面相談と、同じ感覚でお客さまも活用できる相談システム
株式会社りそなホールディングス IT企画部長 野口幹夫氏
「旧ローン相談システムからのリプレイスにあたって人員リソースを2~3割削減。リプレイスの候補としていくつかのサービスを検討しましたが、V-CUBEセールス&サポートが最も適したサービスであることから採用を決定しました。
最初は少数店舗で導入、運営、テスト、改善を繰り返しながら、3年掛けて約600店舗まで拡大しています。お客さまとの接点に関するシステムであることから重要システムの1つに位置付けており、厳しい要求が課せられていますが、それをクリアしているサービスだと思います。」
株式会社りそなホールディングス IT企画部 長尾和如氏
「確認書類の多い信託などの分野でも、現在、豊洲、高円寺など一部店舗で試験的に遠隔相談対応を始めています。」
株式会社りそな銀行 コンシューマービジネス部 担当マネージャー 本多妙子氏
「現在、浦和センターで約30名、大阪センターで7名ほどのオペレーターがローン相談システムに対応しています。従来システムでは、周辺機器との連携に時間がかかるなどの課題もありましたが、リプレイスの段階に要望を出したことでスムーズに活用できています。ローン相談システム活用状況は、2015年は約3万5000件にのぼります。相談内容によっては1回90分近くになるケースもあります。電話では、このように長時間の相談は難しいですが、1対1の対面で相談できるのは大きなメリットだと思います。」
りそな銀行豊洲支店におけるV-CUBE セールス&サポートの活用法
りそな銀行では「ペーパーレス」「キャッシュレス」「バックレス」の『3レス』を特徴とした新しい店舗サービスをスタートしている。
豊洲支店では、従来の住宅ローン相談以外にも、信託、相続の分野で、V-CUBE セールス&サポートを活用した遠隔相談を試験的に行っている。
遠隔にいる専任スタッフがお客さまにご記入いただく書類をブースのプリンタへ印刷指示
単なるテレビ電話ではなく、必要に応じて端末横に設置されたプリンターに、センターにいる担当者がコマンド操作で書類をプリント。 画面上で、書類記入のポイントなどを解説し、記入が終わったら、お客さまがスキャンしてセンターに返送するなど、V-CUBE セールス&サポートを通じ、実際の窓口での対面相談同様のコミュニケーションが可能。
お客さまが聞かれたくない内容はハンドセットを活用
相談用の端末は、パーテーションで区切られたブースに設置されているが、会話の内容が周囲に聞こえることを懸念するお客さま向けに、ハンドセットの活用が可能。
複数名での来店でも相談可能
例えば夫婦で来店してローンの相談をしたいというケースでも対応可能。