クリル諸島はアイヌの土地か?
2005年秋、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は東京訪問の準備を進めていた。訪日の際、日本側はいつも通り、北方領土問題を取り上げるつもりでいた。
2005年秋、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は東京訪問の準備を進めていた。訪日の際、日本側はいつも通り、北方領土問題を取り上げるつもりでいた。しかしここで突然、ロシアと日本の領土紛争に予期せぬ第三の勢力が現れた。日本に在住するアイヌ人を束ねる「ビリカモシリ協会」が、ロシアと日本の外務省に書簡を提出したのだ。書簡のなかでは、係争中の四島がロシアの領土でもなければ、日本の領土でもなく、しいては露日両政府がその領有権交渉を行う権利はなく、アイヌ民族の意見を聞く必要がある、とされていた。さらに、アイヌ民族は将来、当該地域に自治管区を創設する意向であり、日本政府とロシア政府は、交渉を停止させるべきだと主張した。アイヌ民族の自治管区創設については、初めて公にされたものである。
書簡に対して日本外務省は、書簡を受け取ったものの、他の住民に比べてアイヌ人を特別扱いすることはできない、と反応した。
ロシア外務省の高官は、書簡の文責者およびコメルサント紙の記者とのインタビューのなかで、今回の事件を「滑稽談」と名付け、いかなる領土も、かつて住んでいた部族の要求は予測できないものだ、と応じている。
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