香港で民主化の拡大を求めるいわゆる「民主派」の政党は元幹部の男性が１０日、何者かに身柄を拘束され、暴行を受けたと明らかにし、中国当局が民主化の動きを封じるために圧力をかけたという見方を示して非難しました。

香港の政党「民主党」は１１日、緊急の記者会見を開き、党の元幹部の男性が１０日夕方、香港の繁華街、モンコック（旺角）で複数の男らに羽交い締めにされたままワゴン車に乗せられ、暴行を受けたと発表しました。

男性は男らに中国の民主化運動の象徴的な存在で、先月亡くなった劉暁波氏や妻の劉霞さんとの関係を繰り返し問いただされたほか、鋭くとがった金属で太ももを何度も刺されたということです。

男らは中国本土で一般的に使われる標準的な中国語で、「国家をどうして愛さないのか」などともただされたということで、およそ９時間後の１１日未明、香港東部の海岸に放置された状態で意識を取り戻しました。

男性は数日前に中国の国家安全部門に所属していたと名乗る男から身の安全に注意するよう警告されていたということで、香港の民主党は民主化の動きを封じようと、中国当局が圧力をかけようとした可能性が高く、香港に高度な自治を認めた１国２制度に反すると非難しました。