パンダのこと完結編(再編集)
※一部再編集、加筆しました。(2001.1/25)
今日、チベットハウスのHPで偶然見つけたんだけれど、こんな事が書いてあった。
1901年にダライ・ラマ13世は、チベットでの野生動物の狩猟禁止令を発令した。残念なことに、中国は同様の制約は実施せず、それよりも絶滅寸前種の「トロフィー・ハンティング」が積極的に奨励されてきた。チベット高原においては、39種の哺乳類、37種の鳥類、4種の両生類、1種の爬虫類の、少なくとも81種が絶滅の危機に瀕していると指摘されている。中国人によって国民のマスコットとして宣伝された有名なジャイアントパンダは、実はチベット固有の動物なのである。(「チベットを知るために」の現在のチベットの状況より)
「中国人によって国民のマスコットとして宣伝された有名なジャイアントパンダは、実はチベット固有の動物なのである。」って、アイタタタ…まじですか。。。
「固有の動物」であって「固有種」とは書いてないなんて言わないでね。それでは中国共産党政府と同じ。それに「チベット固有の」ということは、
固有〔名・形動〕スル
- 本来持っていること。
- そのものだけにあること。また、そのさま。特有。「民族_の文化」「北国に_な(の)風土」
で、文脈からすれば2の意味であろうか。
1の意味で考えると「チベットに本来いる」の意味になろうか。「本来チベットにいたパンダが中国にも広まった」ということになるのかな?しかし、これは化石の発掘場所や専門家の見解とは異なる。(参照リンク)
2の意味で考えると「チベットだけにある(いる)」つまり他の地域には野生のパンダは生息していないということになる。つまりチベットの固有種(特定の地域に分布が限られる動植物の種)ということである。
ところがである、同じサイト内の別の場所に、このような記述がある。
ジャイアント・パンダなどは、かって中国全土に見られたが、広範な森林破壊により、住処を奪われたために、主にチベットの山中にのみ見られるようになってしまった。(チベットにおける絶滅危惧種より)
つまり、ジャイアントパンダは元々チベットに限らず中国にも生息していた。即ち、チベット固有ではないってこと。おまけにこれはチベット亡命政権情報国際関係省が1992年に発行した「チベット環境と開発をめぐって」の中の文章(チベットハウスの日本語翻訳文)なので、亡命政府の公式解釈である。つまり、亡命政府はパンダがチベットと中国のどちらの生き物かということに何ら問題提議せず、本来中国にも広く生息していたと記しているのだ。
さて、二つの相矛盾した文章のどちらを信頼するかだが、もちろん後者だわね。前者はサイト制作者の文章であるのに対し、後者は亡命政府の公式機関が発行した公文書(の翻訳)だもん、どう考えても後者の方が信頼できる。おそらく翻訳した人物と前者の文章を書いた人物は別人なのだろう。
だいたいさ、パンダで大騒ぎしてる人は、なんでチルーで抗議しないんかね?あれこそ正しくチベット固有の動物なのに。おまけに絶滅に追いやった主な元凶の中国が保護したとドヤ顔で、更に鉄道なんてものを環境アセスもろくにせず敷設しやがって!といくらでも抗議できるのに。
ま、何れにせよ、だ、パンダはチベット固有の動物ではない。
これだけ書いて、まだ言い張るヤツは、本気で小学校から勉強し直しなさい。もうわしゃ知らん。
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