昨年度の食料自給率38% 6年ぶり低下 過去2番目の低さ

昨年度の食料自給率38% 6年ぶり低下 過去2番目の低さ
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国内で消費された食料がどれだけ国産でまかなわれたかを示す、食料自給率は、昨年度は、カロリー基準で38%と、6年ぶりに低下し、コメが記録的な不作となった平成5年度に次いで、過去2番目の低さとなりました。
農林水産省の発表によりますと、昨年度の食料自給率は、カロリー基準で前の年度より1ポイント下がって、38%となりました。
食料自給率が低下するのは6年ぶりで、水準としても、コメが記録的な不作となった平成5年度の37%に次いで、過去2番目に低くなっています。

農林水産省は、台風の影響などで最大の産地の北海道で小麦などの生産量が減少したことや、コメの1人当たりの消費の減少が続いていることが主な要因だとしています。

食料自給率は、昭和35年度の79%をピークに低下傾向が続いていて、主要先進国の中では最低の水準となっています。
このため政府はおととし、平成37年度までの目標をそれまでの50%から45%に引き下げましたが、今回の発表は、低下傾向に歯止めがかかっていない現状を改めて示す形となりました。

一方、生産額を基準にした食料自給率は、野菜や果物の生産額が増えたことなどから、前の年度より2ポイント上昇して68%となっています。

食料自給率推移と各国比較

カロリー基準の食料自給率は、昭和35年度の79%をピークにほぼ一貫して下がり続けています。

平成に入ると50%を割り込み、平成22年度から27年度までは、6年連続で39%となっていました。
これは、主要な先進国の中では最も低い水準です。

農林水産省の試算、試みの計算によりますと、各国のカロリー基準の食料自給率は、平成25年の時点で、農産物の輸出が多いカナダが264%、オーストラリアが223%、アメリカが130%、フランスが127%などとなっているほか、ドイツが95%、イギリスが63%、イタリアが60%と、いずれも日本を大きく上回っています。

カロリー基準と生産額基準

食料自給率には、カロリーを基準にしたものと生産額を基準にしたものの大きく2種類があります。

農林水産省によりますと、昨年度の食料自給率はカロリーを基準にすると前の年度より1ポイント下がって38%なのに対し、生産額を基準にすると逆に2ポイント上がって68%でした。

生産額を基準にした数値が上昇した背景には、野菜や果物の輸入額が減る一方で国産の生産額が増えたことがあります。具体的には、「くり」が25%、「みかん」と「はくさい」が22%、「トマト」が7%といずれも前の年度に比べて生産額が上昇しています。

比較的、カロリーが低い野菜や果物の生産額が増えたことで、食料自給率はカロリー基準では低下する一方、生産額を基準にすると上昇する理由の1つになりました。