10月7日一部のメディアの誤解を招くような内容の放送について

10月7日一部のメディアで、本学会の研究活動(線虫によるがん早期発見の検証)について誤解を招くような内容の放送がされました。これを受けて緊急の運営会議を招集し協議した結果、改めて本学会の主旨および研究活動を正しくご理解いただくことから行うことといたしました。
以下にその内容を記載いたします。

*本学会では日頃より予防医学の重要性を提唱し、がんを始めとする三大疾病、生活習慣病等に対して早期発見、将来予測を目標に、医師、薬剤師、臨床検査技師、看護士、医学研究者などが一体となって取り組んでおります。

*特にがんに対しては患者数も多いことや、市場ニーズも高いことから様々な情報が氾濫しており、科学的根拠に基づいたものを判断することが一般には困難であることを実感しております。そこで本学会では様々な情報の中から将来的に確立されて行く可能性のあるものを精査し、我々自身でそのものの再現性、信頼性などの検証を行っている立場をとっております。同時に学会独自の開発も並行して行っております。

*今回取り上げられた線虫の嗅覚を利用したがんの早期発見への取り組みは、学会が行っている検証の中の一つのツールですが、根底は学術的科学論文に公開掲載された理論、内容に基づき、学会活動をご理解してくださった検体協力者の方々の了解、ご協力を得て検証を行っている研究活動です。

*線虫については、ご専門に永年研究をやられてきた大学教授を始め、様々な方々から意見も集めながら、慎重に検証を重ねておりますし、現段階で正答率などを述べる時期ではないものと考えております。

*本学会では検体協力者の負担が少ないことと多くの体内情報が得られることも含めて尿検体が研究を行う上で適した検体と考え、それを多くの方から提供していただけるシステムが構築できました。これに基づいてご協力いただいた方々へ研究結果を返却するにあたっては医師法などの関連があることから医師からのコメントとして個人情報保護法に基づき、返却するよう配慮しております。これらは厚生労働省のご指導を仰ぎながら行っております。

*今後も本学会では科学の進展をめざし、真実を追求する姿勢はもちろん、尿検体から様々な因子を用いた科学的方法を検証、確立していくことで、医療へ貢献していく所存です。

2016年10月9日
国際抗加齢免疫医学学会運営委員会