柴燈大護摩供を営む北陸修験道白山会=9日午前10時40分、白山市三宮町
霊峰白山(標高2702メートル)は9日、泰澄大師の開山から1300年の節目を迎えた。未明の山頂付近は霧が濃く御来光を拝むことができなかったが、室堂の白山比咩神社奥宮(おくみや)祈祷(きとう)殿で奉祝奥宮祭が営まれ、登山客らが山の恵みに感謝をささげた。麓の白山比咩神社でも神事が営まれたほか、石川、福井、岐阜3県の登山隊が三つの禅定道から頂を目指す記念イベントが始まり、霊峰ゆかりの地に祝賀ムードが広がった。
宿泊施設の室堂ビジターセンターを運営する白山観光協会などによると、山頂付近は前日に通過した台風5号の影響はなく雨は上がったが、未明には濃い霧が立ち込めた。奉祝祭が始まった午前8時ごろから霧が晴れ、最高峰の御前峰(ごぜんがみね)がくっきりと姿を現した。正午現在は風が穏やかで、数人の登山客が見られるという。
奥宮祈祷殿での奉祝奥宮祭では、建部守恒権禰宜(ねぎ)が祝詞を奏上し、センターのスタッフ、登山客が玉串をささげ、山の安全を願った。
白山比咩神社の拝殿で営まれた白山開山1300年記念奉祝本宮祭では、村山和臣宮司が祝詞を奏上し、地元観光関係者らが玉串を奉てんした。境内の白山遙拝(ようはい)所で式が執り行われ、宮司らが白山の方向に向かって頭を下げた。
真言宗智山派「北陸修験道白山会」による柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)も行われ、煙が立ち上る中、一般客らが手を合わせて感謝の心をささげた。
9日は泰澄大師が奈良時代の717年、白山に登頂して開山した旧暦6月18日に当たる。同日午後7時から白山比咩神社で奉祝行事が始まり、地元の●(●は品の口がそれぞれ火)(ほむら)太鼓による演奏、提灯行列などの催しが行われる。日本舞踊紫派藤間流師範の藤間信乃輔さんが舞を奉納する。神社では11日まで記念の祭典、奉祝行事が行われる。