『薄暮』という作品は、おそらく「託す」映画になるのだと思う。
「俺はもう幸せになるのを諦めた。でも君達には可能性がある」というメッセージだ。

なんか言ってることがますます宮﨑さんに近づいてきたが、どうも本音はそこなのだろう。
僕自身が、今幸せになるには、余りに多くのリスクを抱え、何より歳を取りすぎた。
今から再婚して子供産んで？？そんなささやかな幸せすら毎日のようにシミュレーションし、カウントダウンするが、そろそろ折る指がなくなってきた。

それを若い世代、子供達に「託す」というのが、これからの僕の仕事、いや、慰みになるのだろう。
「君達だけは、幸せになってくれ。俺達はゴミクズのまま、腐敗して腐臭を漂わせながら、この世を去る」。


思えば『WUG』辺りからそのニュアンスを秘めていたが、『薄暮』はそれを前面に押し出す作品となるだろう。
「君達には可能性がある。可能性は金では買えない。それが君達の最大の財産だ」。