通勤災害の定義は労災保険法第7条第2項及び第3項において以下の通り定められています。
2項 通勤とは、労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
3項 労働者が、前項の往復の経路を逸脱し、又は同項の往復を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項の往復は、第1項2号の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。
さらに上記「日常生活上必要な行為」は、労災則第8条において以下の通り規定されており、日常生活上必要な行為の最中である「逸脱・中断中」については通勤災害と認められないものの、その前後については通勤災害が認定されることになります。
労災保険法第7条第3項 の厚生労働省令で定める行為は、次のとおりとする。
一 日用品の購入その他これに準ずる行為
二 職業訓練、学校教育法第一条 に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であつて職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
三 選挙権の行使その他これに準ずる行為
四 病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為
五 要介護状態にある配偶者、子、父母、配偶者の父母並びに同居し、かつ、扶養している孫、祖父母及び兄弟姉妹の介護(継続的に又は反復して行われるものに限る。) *平成20年4月1日より追加されました。
ところで「保育園への送迎」については上記逸脱・中断の規定の中には含まれていないので、送迎の前後または送迎中の事故については通勤災害と認められないかというとそういうわけではありません。
共稼ぎの場合の保育園の送迎についてはそもそも通勤として「合理的な経路又は方法」として通達(平成27.3.31基発0331第21号)で以下の通り認められており、「逸脱・中断」にすらならない、ということになります。
「合理的な経路及び方法」とは、当該移動の場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び手段等をいうものである。・…(略)…さらに、他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が託児所、親せき等にあずけるためにとる経路などは、そのような立場にある労働者であれば、当然、就業のためにとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路となるものと認められる。
平成19年の労働保険審査会の決定でもそのような判断になっています。
平成19年労第364号(通勤災害関係事件)・取消「夫婦共稼ぎの請求人が出勤の途中で保育園を経由する経路は、特段の合理的な理由があるとして、原処分を取り消した事例」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/roudou/08/rousai/txt/73.txt
いよいよ今年もあと数日になりました。今日は休日出勤をするスタッフに付き合って事務所で溜まっていた仕事を片付けました。来年がスタートすると色々とご依頼頂いているセミナー等のレジュメを作ることになるため、溜まっていた情報誌類を整理して資料を準備することもできました。
明日は事務所の納会で、業務を早めに終えたら事務所内で料理のとても上手い永年姉と慕っているスタッフの手料理と持ち込んだお酒や参加費用の代わりなのか送られてきたシャンパンなどで締めるのがここ10年近くでしょうか慣わしになっています。顧問先から頂いたネクタイ・ストールから郵便局の景品をくじ引きしたり、私も小さなプレゼントをみんなにプレゼントをしたりでなかなか楽しい会になります。これをやってしばらく年末年始のお休みです。私の新年のスタートは4日の渋谷区の新年会からです。また忙しい1年になりそうです。
ということで来週はお正月(1月3日)なのでブログはお休みさせて頂きます。今年も有難うございました。良いお年をお迎えください。