特集・コラム
知っておきたいデジカメ選びのポイント【前編:被写体・シーン別編】
今はデジカメだけでも非常に多くのジャンルのカメラあり、初めて写真を本格的に始めようという方はカメラ選びに迷う場面が多いかもしれません。
今回は、カメラを選ぶ際の考え方と、それぞれの用途などにあったカメラを紹介します。
もちろん、ここに書く内容がそのすべてではありません。カメラを使う方それぞれに、その人なりの使い方、考え方、写真の腕前や予算の都合など様々な事情があります。それぞれがご自分の判断に従って機種を選択しても全然かまわないのです。
今回はそのポイントについて、「撮りたい被写体別の選び方」、「カメラのスペックにこだわった選び方」の2つのアプローチで、皆さんのカメラ選びのお手伝いをさせていただきたいと思います。
今回ご紹介するのは、「撮りたい写真の被写体・シーン別にカメラを選ぶ」という選択のしかたです。
被写体別おすすめカメラ
それでは、いくつかカメラを使う代表的なシチュエーションを想定して、お勧めできそうなカメラの種類や機種を取上げてみます。
旅行先で撮る
カメラを使うシーンとして代表的なのが「旅行に出かける際に持って行く」というシチュエーションでしょう。
旅先での写真を撮るカメラについて、選ぶ際のポイントはいくつかあると思います。
旅行で写真を撮る際に一番気をつけたいのが、「撮る対象がなにか」ということ。
また、行った先であちこち巡る時の機動力を高く保つために、「荷物にならない軽量のカメラ」を選ぶという考え方が一つ。
次に、滅多に行けない場所や美しい風景を撮るため、「できるだけ良い画質の写真を撮りたい」という考え方。
携行性を重視するのであれば、有力なカメラの候補はいわゆる「旅カメラ」と呼ばれるジャンルのコンデジになるでしょう。
代表格はキヤノンのPowerShot SX720HS、ソニーのサイバーショットDSC-WX500などがあります。
また、旅カメラの中でも少しでも画質の良いの写真が欲しい、という場合には、1型センサーと10倍ズームをコンパクトなボディーに搭載したパナソニックのLUMIX TX1がおすすめです。
画質最重視ということであれば、各社のデジタル一眼レフが良いでしょう。デジタル一眼レフは画質ということに関して言えば圧倒的に優れています。が、携行には不向きといわざるを得ません。
ボディ本体の重さもさることながら、用途に合わせた交換レンズも必要になり、最高の画質で最高の写真を撮るためにはカバン一つ分荷物が増えることも辞さない!という方以外にはおすすめできません。
高画質の写真は欲しいけれど少しでも荷物は減らしたい、と言う場合には、ミラーレス一眼が荷物をかなりコンパクトに出来ます。性能は一眼レフに引けを取らず、かつコンデジほどではないにしろ、それに匹敵する携行性を両立してくれます。
ミラーレス一眼の中では、有効画素2470万画素を誇りながらボディ重量約280gという軽さを実現したソニーのα5100がオススメです。
特に機種名は取上げませんが、この2つジャンルのカメラは、現行機種であればどの機種を選んでもハズレはないと言ってもよいでしょう。
動きモノ撮影
次に、「動いている対象」が被写体である場合について見ていきましょう。
「動きモノ」の写真には様々なジャンルがあります。
鉄道写真、飛行機、各種スポーツ、外で遊ぶお子様、ペット、野生動物など等、いろいろなパターンが考えられます。
このジャンルの写真で強みを発揮するのは、光学式のファインダーと強力なオートフォーカスを持つデジタル一眼レフです。
この中で特に撮影の難易度が高いのは、遊んでいるお子様、ペットや野生の動物の写真ではないでしょうか。次にどう動くかが予測できないからです。
そういった用途には、高性能のデジタル一眼レフが最も向いているのです。
最近はエントリークラスの一眼レフでもAF性能がとても高くなっていますが、出来れば連写能力のより高いミドルクラスの機種の方が良いかもしれません。
予算との相談はあると思いますが、ニコンであればD7200、キヤノンならばEOS 80Dがオススメです。
最近のミラーレス一眼もオートフォーカスの移動する被写体への追従能力がとても上がってきましたので、条件が厳しいものでなければ、動きモノ撮影にもかなり対応が出来るようにはなってきています。
風景写真
3つ目は風景写真を撮る場合についてです。
お気に入りの風景を最高の画質で残したい、といった場合には、やはりデジタル一眼レフ、ミラーレス一眼がオススメ機種となります。
イメージセンサーの大きさに由来する描写における余裕と、たくさんのデジカメの中でも最も高解像度のカメラがミデジタル一眼レフ、ミラーレス一眼のジャンルのカメラであることがその理由です。
カメラメーカーとしては、その名の通り見たままの色を忠実に再現したいという方にオススメなのがニコン、人の記憶の中でこうあって欲しいう色を表現することが得意なキヤノン。ご自身が撮りたい写真のイメージに近い、いずれかのデジタル一眼レフを選べば間違いはないでしょう。
ちなみにプロのカメラマンでは、人物写真を撮るのがメインの方にはキヤノンが多く、風景写真専門の方にはニコンユーザーが多いと言われています。
また、広大な風景を一度に画面に取り込んでしまいたい、という方には、超広角レンズが必要になってきます。そこまで画角の広いレンズが用意されているのは、レンズ交換が可能なデジタル一眼レフ、もしくはミラーレス一眼大半を占めることも、この2タイプのカメラをオススメする理由の一つです。
なお、今までのコンデジには超広角まで手が届く機種がありませんでしたが、2016年に発売予定のニコンのDLシリーズで少し流れが変わるかもしれません。
広角型のDL18-50 f/1.8-2.8であれば、35mm換算18mmからのズームレンズが搭載されている上に、イメージセンサーも1型を搭載して画質の方も期待できます。旅行に連れて行く、風景写真のためのカメラとして面白い存在になるかもしれません。
日常の記録用に
日常の何気ない風景をスナップするためには、いつでも気楽に持ち運べるサイズがとても重要です。持って行くことが少しでも苦になるカメラだと、日常のなんでも記録してしまおう、という使い方にはちょっと無理がでてくる時が訪れるでしょう。
こういった用途に最も強いのは、実は携帯電話のカメラやスマートフォンのカメラです。ですがそういったカメラでは、表現力や画質に限界があるのもまた事実ですね。
よって、スマートフォンのカメラとははっきりと画質の上でも差をつけられる、1型センサー搭載の小型のコンパクトデジカメや、パンケーキレンズをつけたミラーレス一眼などが日常の記録用としては最も適しているでしょう。
そういった中でもキヤノンのPowerShot G9Xが、1型センサー搭載コンデジの中では1つ抜け出す小型軽量化を実現しています。
静物を撮る
最後に被写体が動かないものである場合について見てみましょう。
「動かない被写体」にも様々なものがあります。壷や絵画などの芸術作品、美味しそうな料理やお菓子、キレイな花や木々など。
これらは風景写真に近いようにも思えますが、風景写真の撮影対象が「風景全体」だったのに対し、被写体は撮りたい「モノ」になる点で異なっています。
こうした静物の写真で重要になってくるのが、ボケ描写です。
メインの被写体以外はふわっとキレイにぼかしたい、という場合には、やはりイメージセンサーの大きなカメラの独壇場となります。
APS-Cサイズセンサー搭載のカメラか、予算が許すならば35mmフルサイズセンサー搭載機と、開放F値の明るいレンズの組み合わせが良いでしょう。
1型センサー搭載コンデジでもそこそこのボケ描写は絵作りに活用できます。大きくぼかす写真は難しいですが、その「大きくボケすぎない」ところを活かしてやるのが、使いこなしのコツかもしれません。
逆に、パンフォーカスの写真が好きな方には、イメージセンサーが小さなカメラが向いています。イメージセンサーが大きなカメラの中でも35mmフルサイズよりは、マイクロフォーサーズなどのフォーマットの方が向いていると言えるでしょう。ある程度の画質を確保しつつ、より広いピントの合う範囲をお求めでしたら、1型センサー搭載のカメラも適しています。
静物を撮影する際のカメラ選びの条件についていろいろご紹介してきましたが、具体的にどの機種がオススメなのか?と聞かれれば、ソニーのミラーレス、α NEX-7Kがちょうどいいと思います。
これまでのNEXシリーズはいわゆるエントリークラス機種という位置づけでありましたが、今回ご紹介するNEX-7は初のミドルクラスのミラーレスとなります。
フル機能のレンズ交換式カメラとしては、極めて小型である点をはじめ、高速化されたオートフォーカス、APS-Cクラス最高レベルの描写力と3ダイヤルによる直感的な操作を可能にしたなインターフェイスなど、10万円以内で手に入れられるミラーレス機としては抜群の性能を誇ります。
カメラ選びの上での注意点
いかがでしたでしょうか?
今回はシーンとしては「旅行」、被写体としては「人物」「風景」「動くモノ」「動かないモノ」に絞っておすすめカメラを紹介してきました。
しかし、今回で紹介させていただいた以外にも、実際にカメラを選ぶ際のポイントにはユーザーの数だけあるといっても過言ではないでしょう。
後編は、カメラの性能や写真の画質にこだわったデジカメ選びのポイントをご紹介します。
お楽しみに!!
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