中国の王毅外相は、ASEAN=東南アジア諸国連合の外相との会議のあと記者会見し、南シナ海での紛争を防ぐための「行動規範」の枠組みが正式に承認されたことについて、「共同の努力による重要な成果であり、実質的な交渉のためのすばらしい基礎となる」と述べて、成果をアピールしました。そして、南シナ海の情勢が安定を保ち、外部からの妨害を受けないことを前提としたうえで、ことし11月に予定されている中国とASEANの首脳会議の際に、条文作りに向けた交渉を正式に始めることを検討すると明らかにしました。
一方、焦点となっている法的な拘束力について見通しを問われると、「最後にどのような内容になるかは、中国とASEAN各国が共同で議論する必要があり、最終的な結果をあらかじめ想定すべきではない」と述べるにとどまりました。
- 台風5号 ニュース同時提供
ASEANと中国 南シナ海での紛争防ぐ「行動規範」枠組み承認
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ASEAN=東南アジア諸国連合と中国は、6日、外相会議を開き、南シナ海での紛争を防ぐための「行動規範」の枠組みを正式に承認して、具体的な条文作りに向けて交渉を始めることで一致しました。しかし焦点となっている法的な拘束力については枠組みに明記されず、今後、実効性を持たせることができるか問われることになります。
フィリピンの首都マニラでは6日、ASEAN各国の外相と中国の王毅外相との会議が開かれました。このなかで双方は南シナ海での紛争を防ぐためのルールとして策定を目指す「行動規範」の枠組みを正式に承認し、具体的な条文作りに向けて交渉を始めることで一致しました。
ASEANは、中国による南シナ海での海洋進出の動きに一定の歯止めをかけるために法的な拘束力のある「行動規範」の策定に向けて中国と協議を続けてきました。しかし、6日承認された「行動規範」の枠組みには、航行の自由の確保などは記されたものの、焦点となっている法的な拘束力については明記されませんでした。このため今後、策定を進める「行動規範」にどこまで実効性を持たせることができるか問われることになります。
ASEANは、中国による南シナ海での海洋進出の動きに一定の歯止めをかけるために法的な拘束力のある「行動規範」の策定に向けて中国と協議を続けてきました。しかし、6日承認された「行動規範」の枠組みには、航行の自由の確保などは記されたものの、焦点となっている法的な拘束力については明記されませんでした。このため今後、策定を進める「行動規範」にどこまで実効性を持たせることができるか問われることになります。
中国外相 成果をアピール
中国の王毅外相は、ASEAN=東南アジア諸国連合の外相との会議のあと記者会見し、南シナ海での紛争を防ぐための「行動規範」の枠組みが正式に承認されたことについて、「共同の努力による重要な成果であり、実質的な交渉のためのすばらしい基礎となる」と述べて、成果をアピールしました。そして、南シナ海の情勢が安定を保ち、外部からの妨害を受けないことを前提としたうえで、ことし11月に予定されている中国とASEANの首脳会議の際に、条文作りに向けた交渉を正式に始めることを検討すると明らかにしました。
一方、焦点となっている法的な拘束力について見通しを問われると、「最後にどのような内容になるかは、中国とASEAN各国が共同で議論する必要があり、最終的な結果をあらかじめ想定すべきではない」と述べるにとどまりました。
一方、焦点となっている法的な拘束力について見通しを問われると、「最後にどのような内容になるかは、中国とASEAN各国が共同で議論する必要があり、最終的な結果をあらかじめ想定すべきではない」と述べるにとどまりました。
南シナ海「行動規範」とは
今回、枠組みが正式に承認された「行動規範」は、中国とASEANが南シナ海での紛争を防ぐためのルールとして策定を進めてきたものです。
南シナ海をめぐって、ASEANは15年前の2002年に中国と問題の平和的な解決を目指す「南シナ海行動宣言」に署名しましたが、その後も海洋進出の動きを強める中国に対して、法的拘束力のあるルール、「行動規範」の策定を求めていました。
こうした中、去年7月、国際的な仲裁裁判で南シナ海での中国の主張を全面的に否定した判断が示されましたが、中国政府はこれを受け入れず、あくまでも当事国どうしの話し合いで問題の解決を目指すべきだとして、ASEANとの間でことし中ごろまでに「行動規範」の枠組みをつくることで合意していました。
ただ、今回の枠組みでは、「行動規範」の「目的」として、航行の自由の確保や、相互信頼の促進などが記されているものの、「原則」として、領有権争いや海洋での境界問題を解決する手段ではないとか、国際法と内政不干渉の原則に従って、互いの主権や領土を尊重するなどとされ、「行動規範」に法的な拘束力を持たせるかどうかの言及がありません。このため、ASEANが長年求めてきた、実効性のある「行動規範」につながるかどうかは今後の協議にゆだねられた形となっています。
南シナ海をめぐって、ASEANは15年前の2002年に中国と問題の平和的な解決を目指す「南シナ海行動宣言」に署名しましたが、その後も海洋進出の動きを強める中国に対して、法的拘束力のあるルール、「行動規範」の策定を求めていました。
こうした中、去年7月、国際的な仲裁裁判で南シナ海での中国の主張を全面的に否定した判断が示されましたが、中国政府はこれを受け入れず、あくまでも当事国どうしの話し合いで問題の解決を目指すべきだとして、ASEANとの間でことし中ごろまでに「行動規範」の枠組みをつくることで合意していました。
ただ、今回の枠組みでは、「行動規範」の「目的」として、航行の自由の確保や、相互信頼の促進などが記されているものの、「原則」として、領有権争いや海洋での境界問題を解決する手段ではないとか、国際法と内政不干渉の原則に従って、互いの主権や領土を尊重するなどとされ、「行動規範」に法的な拘束力を持たせるかどうかの言及がありません。このため、ASEANが長年求めてきた、実効性のある「行動規範」につながるかどうかは今後の協議にゆだねられた形となっています。
比外務省「海洋分野での協力にむけ努力」
ASEANの議長国をつとめるフィリピン外務省のボリバ―報道官は記者会見で、南シナ海での紛争を防ぐための「行動規範」の枠組みが正式に承認されたことについて、「『行動規範』という結論に向けたASEANと中国の努力を象徴するものだ」と述べ、成果を強調しました。
そのうえで、「ASEANと中国は、『行動規範』の策定とともに、互いの衝突を防ぐような海洋分野での協力にむけ努力を続けていく」と述べ、南シナ海問題について中国と協力しながら平和的な解決を目指す考えを強調しました。
そのうえで、「ASEANと中国は、『行動規範』の策定とともに、互いの衝突を防ぐような海洋分野での協力にむけ努力を続けていく」と述べ、南シナ海問題について中国と協力しながら平和的な解決を目指す考えを強調しました。
ASEANと中国 南シナ海での紛争防ぐ「行動規範」枠組み承認
ASEAN=東南アジア諸国連合と中国は、6日、外相会議を開き、南シナ海での紛争を防ぐための「行動規範」の枠組みを正式に承認して、具体的な条文作りに向けて交渉を始めることで一致しました。しかし焦点となっている法的な拘束力については枠組みに明記されず、今後、実効性を持たせることができるか問われることになります。
フィリピンの首都マニラでは6日、ASEAN各国の外相と中国の王毅外相との会議が開かれました。このなかで双方は南シナ海での紛争を防ぐためのルールとして策定を目指す「行動規範」の枠組みを正式に承認し、具体的な条文作りに向けて交渉を始めることで一致しました。
ASEANは、中国による南シナ海での海洋進出の動きに一定の歯止めをかけるために法的な拘束力のある「行動規範」の策定に向けて中国と協議を続けてきました。しかし、6日承認された「行動規範」の枠組みには、航行の自由の確保などは記されたものの、焦点となっている法的な拘束力については明記されませんでした。このため今後、策定を進める「行動規範」にどこまで実効性を持たせることができるか問われることになります。
中国外相 成果をアピール
南シナ海「行動規範」とは
今回、枠組みが正式に承認された「行動規範」は、中国とASEANが南シナ海での紛争を防ぐためのルールとして策定を進めてきたものです。
南シナ海をめぐって、ASEANは15年前の2002年に中国と問題の平和的な解決を目指す「南シナ海行動宣言」に署名しましたが、その後も海洋進出の動きを強める中国に対して、法的拘束力のあるルール、「行動規範」の策定を求めていました。
こうした中、去年7月、国際的な仲裁裁判で南シナ海での中国の主張を全面的に否定した判断が示されましたが、中国政府はこれを受け入れず、あくまでも当事国どうしの話し合いで問題の解決を目指すべきだとして、ASEANとの間でことし中ごろまでに「行動規範」の枠組みをつくることで合意していました。
ただ、今回の枠組みでは、「行動規範」の「目的」として、航行の自由の確保や、相互信頼の促進などが記されているものの、「原則」として、領有権争いや海洋での境界問題を解決する手段ではないとか、国際法と内政不干渉の原則に従って、互いの主権や領土を尊重するなどとされ、「行動規範」に法的な拘束力を持たせるかどうかの言及がありません。このため、ASEANが長年求めてきた、実効性のある「行動規範」につながるかどうかは今後の協議にゆだねられた形となっています。
南シナ海をめぐって、ASEANは15年前の2002年に中国と問題の平和的な解決を目指す「南シナ海行動宣言」に署名しましたが、その後も海洋進出の動きを強める中国に対して、法的拘束力のあるルール、「行動規範」の策定を求めていました。
こうした中、去年7月、国際的な仲裁裁判で南シナ海での中国の主張を全面的に否定した判断が示されましたが、中国政府はこれを受け入れず、あくまでも当事国どうしの話し合いで問題の解決を目指すべきだとして、ASEANとの間でことし中ごろまでに「行動規範」の枠組みをつくることで合意していました。
ただ、今回の枠組みでは、「行動規範」の「目的」として、航行の自由の確保や、相互信頼の促進などが記されているものの、「原則」として、領有権争いや海洋での境界問題を解決する手段ではないとか、国際法と内政不干渉の原則に従って、互いの主権や領土を尊重するなどとされ、「行動規範」に法的な拘束力を持たせるかどうかの言及がありません。このため、ASEANが長年求めてきた、実効性のある「行動規範」につながるかどうかは今後の協議にゆだねられた形となっています。
比外務省「海洋分野での協力にむけ努力」
ASEANの議長国をつとめるフィリピン外務省のボリバ―報道官は記者会見で、南シナ海での紛争を防ぐための「行動規範」の枠組みが正式に承認されたことについて、「『行動規範』という結論に向けたASEANと中国の努力を象徴するものだ」と述べ、成果を強調しました。
そのうえで、「ASEANと中国は、『行動規範』の策定とともに、互いの衝突を防ぐような海洋分野での協力にむけ努力を続けていく」と述べ、南シナ海問題について中国と協力しながら平和的な解決を目指す考えを強調しました。
そのうえで、「ASEANと中国は、『行動規範』の策定とともに、互いの衝突を防ぐような海洋分野での協力にむけ努力を続けていく」と述べ、南シナ海問題について中国と協力しながら平和的な解決を目指す考えを強調しました。