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(世津子)さようなら。
もう二度とお会いすることはないと思います。
谷田部さん。
(美代子)みね子 行ぐよ。お邪魔いだしました。
♪~
おなかすいたね。
♪~
何か 食べよう。
ねっ そうしよう。
♪~
(みね子)んだね。
♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃」
♪「どうしてる?」
♪「さなぎは今、」
♪「蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
(店員)あっ ありがとうございました。ありがとうございました。
どうぞ。
何にする?何にする?う~ん。
お母ちゃんはねきつねそばにしようかな。
ふ~ん きつねそばか。うん。
お母ちゃんね 若い頃キツネに似てるってからかわれたこどあんの。
そうなの? 誰に?
フフフ!
みね子は たぬき?えっ? 何でよ?
だって昔っから言われてたじゃない。
三男君とがに大子山のタヌキみてえだって。
もう!
だからって 何で たぬきそばにしなきゃいけねえの?
え~?やだよ。そう?「そう?」って…。
(実)あの…。
おかめそばっていうのもありますけど。
え…?え…?
あっ! あ…。
すみません。
おかめそばとは湯葉 マツタケ かまぼこなどがのったおそばのこと。
具の並べ方が おかめの顔のように見えることからおかめそばと呼ばれるようになったんですね。
みね子 どうする?おかめ たぬき どっち?
もう! 何で どっちかなのよ!もう たぬき!
えっ?あっ じゃなかった!
きつね! もう!そう? いいの? きつねで。
いいって言ってんでしょうよ。(笑い声)
実さんは?
えっ? あ… ああ あの…。
同じ きつねそばで。
えっ?
何か お父ちゃんに似でんのない?(2人)えっ?
何だろ?
ラクダ?え…?
えっ?ラクダ? らくだそばなんてないよ。
あっても何か あんまし食べたぐないよ。
フフフフ! んだね。
え~ じゃ 何だろ?う~ん…。
馬?馬? 馬?
(美代子)馬そば? ハハハハ 馬そば!
あ~ 馬…。
あの…。
何にいだしますか?あっ そうだ そうだ! えっと…。
(実)あっ!
じゃ うまいきつねそばを3つ。
はぁ 分がりました。
うまい!(笑い声)
うまいきつねそば 3丁!お願えします。
は?ねえよ そんなもん うちの店には。
(店員)すんません。
ねえ お兄さん。はい?
もしかして 茨城?あっ 大宮です。
あ~ やっぱり!あの 私たち 奥茨城。
えっ!?うん!
奥茨城ですか! あ~ そうですか。
頑張っぺ!ありがとうございます。
(ちよ子)進。
じいちゃん。(茂)ん?
カレーライスだよ 晩ごはん。
おう そうが 楽しみだ。うん!
「インド人も びっくり」が?
(進)じいちゃん 古いよ。ん?
今は…。
♪「遊んでようよ」
♪「カレーが出来るまで」
ヘヘヘ! そうが。
あの…。
本当に その…。
心配をかげて… あっ それから…。
こんなふうになってしまって…。
その… すみません。
あなたは悪ぐないです 何も。
あの…。
あの人が悪いわげでないこども分がってます。
ありがとう。
私 怖かったですか?おっかない女に見えましたが?嫌な女でしたが?いや そんな。
いづも あんな顔してるわげじゃねえですから。
違いますから。
はい。
田舎もんだし 私…。
あんな人と比べられんのやだな…。
(美代子)やだな…。
それに 奥茨城のうぢはあんな立派なすてきなうぢじゃねえし…。
あんな あんな… あの…ふかふかした スリッパ?
あんなのねえし…。いや そんな…。
いがったんですか?私 当たり前のように連れで帰ってきてしまいましたけど本当に いがったんですか?
家族に見つけてもらったんですから。
あそこには もう…。
それは もう。
(実)ただ…。
その…。
すみませんまだ ちょっと混乱してて…。
あの…何て言ったらいいのか…。あの…。
まだどうしたらいいのか 私にも…。
はい。
すみません。いいえ。
うん…。
そうですよね。
「今日からあなたの家族は この人たぢだ。うぢは ここだ 女房は この女だ」って言われでも困ってしまいますよね。
みね子。ん?
しばらくお父ちゃんと一緒にいられっけ?
えっ? あ… 東京に?
うん。
うん 私は もちろん 大丈夫だよ。
じゃ そうしてくれる?
うん いいけど…。
気持ぢが ちゃんと落ち着いで…。
そしたら そんとぎにどうしたいか考えて決めて下さい。
私は 奥茨城で待ってます。自分のうぢに帰ってみたい。そう思ったら 帰ってきて下さい。
その方が いいと思います。いや それがいいです。
私のいるうぢに帰ってみたいと思ってもらいたい。
今だとそうしなくてはいげないから帰るみだいになってしまうがら。
それだと 何だが幸せじゃねえ気がすっから…。
私が。
(美代子)どうすっか 実さんが考えでしたいようにして下さい。
♪~
はい…。
でも…。
黙って いなぐなんのは やです。それだけは やです。
はい 分がりました。
ちょっと 今 なまってなかった?
えっ?(2人)フフフ!
(笑い声)
消えないもんなんですかね。
だといいな… フフフ!
(美代子)みね子。ん?
お母ちゃん おそば 食べたら茨城 帰っから。
えっ?
今から 駅 行けば今日中に帰れっから。
あとのこど よろしくね。ごめんね。
うん 分がった。
よろしくお願えします。
うん。
(笑い声)
お待だせいだしました。
あぁ おいしそうだ!うわ~!
はい。ありがとう。
大将が いづもより うまいきつねそばにしたど言えっつってます。あら~!
でも いつもど 一緒です。
(笑い声)
ありがとう!
ありがとう。ありがとう。
(2人)いだだきます。いただきます。
♪~
うん おいしい!
うん!
<お母ちゃんは茨城に帰っていきました>
うんめぇぇぇ!
それじゃ ヤギだね。
アハハハハ! 本当だね。
そうだね。
(笑い声)
<そしてお父ちゃんと私の暮らしが始まります>
「うんめぇ」か。