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土曜スタジオパーク▽ゲスト 白石加代子 2017.08.05

生字幕放送でお伝えします足立≫きょうのゲストは俳優の白石加代子さんです。
直美≫ようこそおいでくださいました。
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白石≫よろしくお願いします。
白石さんはことしで芸能生活50周年なんですね。
おめでとうございます。
拍手
ありがとうございます。
「ひよっこ」ではアパートの大家さんとして出演されていますが朝ドラでは初出演だったそうですね。
そうなんです。
なかなか出られませんよ。
渡邊≫満を持しての登場ですね。
舞台は早く決まるんですよね。
2年も3年も前に。
スケジュールは先に。
もし朝ドラに出たければ取らなければいけなくてなかなか、そういうゆとりがなかったんですけれど本当に、このたびは光栄に思っています、ありがとうございます。
周りの方からはどんな反響がありますか?スーパーに買い物に行っても2、3人の方は必ずあっという顔をしたりしますね。
びっくりです。
そんな白石さんが演じていらっしゃる立花富さんがどんな人物なのかご覧ください。
≫すずふり亭の裏手にあるアパート・あかね荘。
白石加代子さんが演じるのは大家さん・立花富です。
明治生まれで、かつては赤坂きっての売れっ子芸者でした。
住人たちの親とよく電話してプライベートな情報を聞き出しています。
東京と佐賀は違いますわよ。
演出サイドの思いもいっぱい聞いていただいて…例えば、富さんっていつもばくばく食べますよね。
なんでこの人は食べるんだっていうことを、かなり話し合ったのを覚えてますね。
とてもおいしそうにものを食べてくれる人っていうのは、見てるだけで見ているほうも幸せになるし。
それをちょっと行き過ぎるとおもしろく怖く見えたりするのを白石さんはやってくださるんですけどその根本にあるのは…だから、人間的存在よりもちょっと、スピリチュアルなってあんまり言うとまた白石さんに怒られちゃうけど。
富さんがたまにぽっと発することばがとても、みね子の気持ちに響いたりとか、ほかの出演者のキャラクターの胸に響いたりとかっていうことがすごくこのドラマにとって大事なんですけど。
例えば、島谷君とみね子の恋愛模様が描かれている中で富さんが島谷に対して身分違いの恋について語るくだりがあります。
100年たっても、そういう違いというのはなくならないというふうにおっしゃるせりふがありますけどそれが白石さんの富さんのキャラクターでおっしゃっていただくとやっぱり生きてきたキャリアとか芸者という職業をやってきた方っていうようなバックグラウンドも全部含めておっしゃっていることばにちゃんと聞こえるんですよね。
身分違いの悲しい恋をたくさん見てきたからね。
いや…身分なんて今どきそんな。
100年たったってなくならないわ、そんなもの。
ただのことばではなくてそこに富さんの人生がぼんと乗っかって響いてくる気がしてやっぱり撮ったあとでですね…というのを目の当たりにしてすばらしいなと思った記憶があります。
足立≫役についてかなり勉強されるんですね。
白石≫それほどではないんですけれどせりふを覚えるのが大変で何度も読んでいるうちに体になんとなく役が入ってくるという感じかしら。
過分のお褒めのおことばで。
でもディレクターさんたちとも演技のお話を頻繁にされるんですか。
私は皆さんがそうしていると思っていた。
でも違うみたい。
だから余分なお時間を取らせて申し訳なかったなと反省してますけれど事前に集まってくださって。
まあ、中心の役じゃないですから分からないことがたくさんあるんですね。
だから、いろいろ、お伺いしただけなんですけれどお勉強しているって思われちゃったんですね。
直美≫全部を吸収してとおっしゃっていましたね。
そんなことないと思うんです。
そう思っているみたいですよ。
渡邊≫当時の赤坂の芸者さんたちがどういう暮らしをしていてどういう気持ちを持っていたのかということはいろいろ読まれたりされたんですか。
いくつかね。
前に「百物語」をやったときに芸者の役というのは何本かやっているんです。
そのときも、いろいろとお勉強というか芸者さんのことはちょっとは勉強しましたけれど大体、麻布の生まれなの。
赤坂とか麻布とかは割合近くてね赤坂には当時、すごく大きなキャバレーとかがあったり、それからとにかく芸者さんもいらしたようだし芸者さんもいろんなところにね柳橋とか新橋にもいらっしゃるようだったけれど赤坂はどのレベルの芸者さんだったかっていうのは以前の演出家から聞いていたりしたのでなんとなく雰囲気は分かっていたのねでも、その程度です。
そんなことで自分の分からない部分をお話ししていただいていろいろと教えていただいたんです。
演出家の方にはとてもお世話になりました。
ありがとうございます。
そんな白石さんについて「ひよっこ」の共演者の方にお話を聞きました。
有村≫最初に持ってったんですよおまんじゅうを、茨城の。
名産品が好きだっていうところで差し入れを持ってって…すんごくおいしそうに幸せそうに食べる富さん、あれはなんか忘れられないですね。
おいしそうね。
見た目は地味だけど。
はあ。
確かに、なかなか手ごわい大家さんですよね。
悪くないわね。
はは…。
本当だったら、もうしゃべってしまいそうなところをもう1テンポ遅い2テンポ遅いっていう返しで来たりするのでこう…ってなるんですけどそれがすごくやってておもしろい。
まあ!きょうだったわね同窓会。
あ…はは…、そんなような。
会ったりしますか?昔のお友達とか。
ほぼ…。
ほぼ?ほぼ、死んだ。
楽しんでらっしゃい。
しっかりと自分のご自身のペースと富さんとしての間合いで見ている人たちを巻き込んでしまうというかそういう感じはありましたね。
私、この作品で今回初めてごいっしょさせていただけることになって、うれしくて。
いちばん最初にお会いできたのが白石さんと宮本信子さんと有村さんと私と4人で初めて出会うところのシーンだったんですけれど。
リハーサルの日からうれしくて緊張してるんですけど気持ち、心の中で顔がニヤニヤニヤニヤしてしまっていたというか。
あれ、私今どこにいるんだろうと思いながら。
なんとなく、みんなで同じ空間で仕事をするときに周りの人たちに緊張感を持たせないでいてくださるというか深刻な空気を作らないでいてくださるというかいつも温かい富さんでいてくださって。
とってもチャーミングな瞬間がいっぱいあって1つのテーブルの上に何種類かの味のものが置いてあったときにそれを合間の瞬間にちょっとどれがどんな味かをちゃんとつまんでみてこれはこれでおいしいこれはこうこうでおいしいってちゃんと確かめていらっしゃっているところがとてもすてきだなと思って。
この間なんかもシシド・カフカさんとたまたま同じ瞬間の白石さんを目撃してしまったんだと思うんですけど、2人で……って言って、お話を実はひそかにしているときがあったりしていました。
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直美≫おもしろいですね。
合間にいろいろ食べたんですね。
白石≫いただきました。
一応ねああいうところに出るお料理はおいしいのよ。
すごく上手に作っていらっしゃってそれで今晩何にしようかなと思っているときにこういうものを作ってみようかしらと思うわね。
それでどんな味か試しているんですね。
足立≫富さんも食べるのが好きですが白石さんもお好きですか?はい。
食事は自分で作るようにしているから。
どんなに忙しくても?あのね手際よく作るのが上手というと恥ずかしいけれど小さいときからやり慣れているので芸歴も50年だけど生きてきたのはもっと長いわけだから。
笑い声
それでね冷蔵庫の中を循環させていないと腐らせてしまうでしょ?それをしないようにいつも冷蔵庫にあるものは使っていくように。
だからいつもお料理を作るの。
下手なんだけれどお総菜を作るの。
料理といえるほどのものじゃないけどね。
だけど何ていうかちょっと体にいいものを考えたりはしますけどね。
すごい気になりますね。
どういうものを作ってらっしゃるんですか?得意料理は?得意な料理は余り物で作るお料理よね。
お野菜を毎週注文してあるからそれとお肉とどういうふうに組み合わせるとおいしいかなとか。
まあ、大しておいしくは出来上がらないんですけれどそんなふうです。
笑い声
ごはんも大好きということでね。
富さんは髪形や着物にすごくこだわっているように見えるんですけれどチョイスとかこだわってらっしゃるんですよね。
これはねすごいのよ。
毎日髪を結ってるの。
かつらじゃないの。
毎日ですか?メイクさんが毎日1時間かけて髪を結ってくださっているんです。
すごい!形がね、おもしろいですよね。
後ろにね馬てい形のあんこが入っているの。
残った髪をまげにしているんですね。
それはメイクさんと相談されたんですか?私は顔の横にちょっとあるのが似合うんですって言ったんですけれどあとはお任せ。
メイクさんがすごいの。
またお着物もねふだんもお召しになるんですよね。
舞台で買ったの。
あと打ち合わせに伺ったときにねずらりとすてきなお着物が並んだのその中からチョイスしていくつか選んでくださいってそれを着せてくださいました。
選んだ理由とかは役柄に合わせた柄とかですかね。
自分の好きなものも入っちゃったかもね。
衣装の方とかがちゃんと選んでくださって。
富さんに合うものね本当に幸せに思います。
続いては白石さんの活動の中心である舞台についてお話を伺います。
≫ギリシャ悲劇「エレクトラ」。
主人公・エレクトラが父を殺した母・クリュタイメストラに復しゅうする物語です。
姉と妹はそっくり。
2人とも人殺しで忌まわしい。
やめてやめてやめて!お前と話すのはよしにする。
結局行きつくところはそこだ。
悪いのはすべて私。
あんたのやることなすことそれを証明してるわ。
この償いはさせてやるからね。
アイギストスが帰ったら。
すごく楽しかったですね。
稽古が始まってしばらくはどこかちょっと夢見心地というか。
本読みとか、ものすごく2人で罵倒し合うシーンが多くて2人のけんかだけで10分くらいあったんですけど。
その本読みをしているだけでうれしくなってきちゃって。
それですごくテンションが上がってしまうくらいだったんですけど。
みっちゃんと呼んでくれていたんですけど…楽しい感じで言ってくれて。
なんか自分も認めて…ちょっと、私の荒削りだったり足りないところも…なんか、頑張ろうと思いました。
めちゃくちゃ先輩なんですけど私とかみたいなのと一緒に舞台じゃないところで…ご本人はめちゃくちゃ明るくてポップな方なのでなんかつられて楽しくなっちゃう感じがします。
オフは旦那さんとラブラブだなっていつも見ながらほっこりしていて。
私も、仕事はガッとやってそれ以外は、プライベートはすごくハッピーな人にすごく憧れるから、私もそうなれたらいいなって思います。
直美≫ポップとおっしゃっていましたね。
加代ちゃん、みっちゃんという間柄なんですね。
白石≫最初からそういうふうに呼ばせていただいて楽しかったわ。
結構激しそうな感じでしたね、舞台は。
怖かったでしょう怖くなれるのよ。
笑い声
ギャップがいいですね。
そして旦那様とラブラブで。
私が精魂尽き果てるまで舞台をやっちゃうのでそれを心配して見てくれていて応援してくれているからありがたいの。
すてきですね。
ずっとラブラブで居続けるコツはありますか。
あるわよ。
それは片方が我慢することよ。
笑い声
渡邊≫どちらかというと旦那様のほうですか?勝手に決めつけないでね。
一目りょう然よ。
笑い声
羨ましいですけれども。
みっちゃんは本当にあの方はすごいなと思って小さいときに「身毒丸」という芝居を見てくださって楽屋に来てくださって自分の上の方と一緒に来て白石さんに憧れている女優さんがいらっしゃいますと紹介してくださったんです。
それから気にかけていてでもこんな小さかったからまさかごいっしょできるとは思ってもいなくてそうしたら企画を立ててくだすった方がいてびっくりしました。
高畑さんにあなたから盗むわよと言いましたね。
ポップなとおっしゃっていましたがあの方の軽妙さを何とか手に入れたいと思ったけどあんなふうにはならないわね。
なんとかという方のまねをして出てくる方がいるでしょう?なんとか?
笑い声
ちえみちゃんですね。
固有名詞が出ないのよ。
でも直美ちゃんのことは大丈夫よ。
高畑さんは歌もお上手ですよね。
舞台俳優として白石さんが長年取り組まれているのが朗読劇です。
≫朗読劇「笑った分だけ、怖くなる」。
市役所戸籍係の広中肇は家庭第一のマイホームパパ。
ある日、妻の女友達である流行作家が現れます。
紹介します。
あなた、こちら、多田美雪さん。
はじめまして。
はあ。
どこかに身の回りの世話してくれる人いないかしら。
大切な妻の時間が奪われ次第に殺意が沸き起こります。
あのくそったれ。
朗読劇なので、登場人物僕と白石さんしかいませんからもちろんお互い、いろんな役をやったりするんですけど。
白石さんがいろいろ男の人の役もやらなきゃいけないしいろんな役を。
こういうふうにやってやろうとかっていう感じがしないの。
分からないですよ、たぶん…そこはもう、はあ〜って思うしかないです、舞台上で。
書かれていることばが白石さんが声を出すとバーンとぶつかってくるんですよ。
体が動くっていうのかな。
僕が何かを発しようと思ってやるんじゃなくて聞いてるとなんか動いてるんですよ。
そこはちゃんと対応しないと何が何だか分かんなくなっちゃうんですが。
ちゃんと白石さんの発するエネルギーを受け止めることができれば、あとは自動的に体が動いていくし物語も進んでいくんですよね。
直美≫すごいね、パワーが。
足立≫エネルギーもすごいとおっしゃっていました。
白石≫でもそのまま佐野さんにお返しします。
佐野さんのパワーもすごいんですね。
私のようにじたばたしないんだけれどあの方もシーンとしたエネルギーをずっと持続させていらっしゃいます。
ものすごい力なんですよね。
ありがとうございます。
皆さんお忙しい中コメントをいただいて申し訳ない。
佐野さんが自動的にいろんな人格に変わる役に合わせて変わると言っていましたが意識されていますか?いろんな役をやらなきゃいけないので長い間…20年ぐらいやったんですね。
「百物語」というのを。
その間に身についた部分もあるんですね。
落差を楽しむような。
でもその程度は皆さんなさると思いますよ。
でも自動的にというのはすごいですよね。
自動的にというのはなかなかないよね。
笑い声
切り替わる部分が分かりにくいというかすぐにぱっと変われるというのがすごいということなんだと思います。
なんて説明すればいいんだろう。
特に朗読劇って「笑った分だけ、怖くなる」私も拝見しましたが衣装を変えるわけでもないしたった2人で読んでいるだけなのにいろんな人に見えてくるんですよね。
それがすごいなと。
佐野史郎さんと静と動の関係性もすごいし。
佐野さんはおもしろいですよ。
初めてごいっしょしたんです。
スチールの写真を撮るとき愛想笑いを絶対になさらないんですよ。
怖い人なのかしら?と思っていたのね。
怖い人嫌いよ、と思っていたの。
でも、ここは笑ってくださいと言われたらにかっと笑うんです。
そしてまた知らん顔をなさるんです。
どういう人なんだろうと思って。
でも稽古ではそういうことはなかったです。
徐々に慣れていらして私を怖がっていらしたのかな?最初は不機嫌だったの。
一緒にやっていくうちにとても気心が分かってきてすてきな男の方だなと思うようになりました。
よかったです。
渡邊≫「百物語」ですが恐怖をテーマにして江戸時代から現代までの作家の方の作品を少しずつ読まれて22年かかって99話まで読まれたということですね。
そうでした。
大抵は小説を読んだんですけれども中には古典、三遊亭円朝とかいろんな人の作品を99本、読ませていただきました。
それだけ朗読劇に取り組まれるとご自身の中で変わったこととかこれは会得したということはありましたか。
白石≫私はもともと集団でいたときは様式的な舞台をする集団だったの。
だからギリシャ悲劇とかシェークスピアとかそういうものをやっていたので空間を切るというか仁王立ちになってさっきの話はちょっとギリシャ悲劇でもそうだったけど大きな声でしゃべりまくるというようなことばかりやっていたんですよ。
でも「百物語」の中ではそれは通用しないのねそれだけだと。
いろんな身近なお話をしていかなきゃいけないので。
そういうところで日常的な動作というのを少し身につけることができたかなと思います。
直美≫舞台と朗読劇同じ舞台上でも見せ方とかはだいぶ違うんですね。
そうね、「百物語」は台本を手にしていなきゃいけなかったから読んでいるということがお約束だったの。
でもお芝居はせりふを身につけてそして自由に動き回ったりできるけど「百物語」は手元に台本があるからそれが規則になっているからその中でいろんなことをしなければいけないという。
それは両方とも大変で両方とも楽しみというところがあるかな。
楽しいというのがまたいいですね。
そこにたどりつかないとね苦しいばかりじゃね。
笑い声
足立≫ここまで舞台俳優について伺ってきましたがここからは白石さんの原点に迫っていきます。
白石さんは1941年生まれ東京都港区のご出身です。
お父様とお母様はどんな方だったんですか。
白石≫父は逓信省というところ、今で言ったら。
渡邊≫通信を担う役所ですね。
そこの技官だったんですね。
母は区役所に勤めていたみたいちょっとの間、結婚する前は。
あるところで知り合って私は昭和16年に生まれたんです。
そのあと父は結核にかかって療養がてら静岡県の河津というところの中継所長として赴任したんです。
高3のときにお父様を亡くされて生活が一変されるんですよね。
5歳のときにお父さんも亡くされて生活が一変されるんですね。
当時は昭和22年戦争直後で日本は大変なときでした。
家族の大黒柱を母は失ったんですね。
臨月でおなかに弟がいたんです。
妹さんもいらっしゃいますよね。
それで高校卒業後に東京都港区の区役所で働き始めるんですね。
かなりかっこいい写真ですね。
職員の時代ですか。
もう女優さんみたい。
オーラがあります。
なぜ公務員になろうと思われたんですか?都の職員だったの。
よさそう風じゃないですか。
その当時も就職難だったからそして片親だと大会社では採用されないというような感じでしたよね。
厳しかったんですね。
都の職員になって区に配属されたんです。
そして税務課課税係というところに最初配属されたんです。
税務課課税係に最初配属されたんです。
そろばんは兆の位までやりました。
港区役所の麻布支所というところで六本木にあるんですけれどそこで税金の計算をしていました。
そのときは女優になりたいというのは?女優になりたいというのは小さいときからの憧れというか…麻布小学校というところで4年生のときだったと思うんですけれどクラスがおもしろいクラスで芝居を立ち上げようということで「忠臣蔵外伝」をやろうという話があったんです。
私はそのとき中山安兵衛という人が飲みに来る酒屋のおばあさんの役だったんです。
小学生でですか。
小学校4年生のときから老け役だったのよ。
そこで、区役所で働いていて?お芝居が盛んというか児童劇団が来る小学校だったからその当時。
そんな時代なのに直美ちゃんとか見当がつかないと思うわよそのころの貧しさは。
今は好きなものを食べて太っていますけれど。
そういうことじゃないわよ。
ごめんなさい。
笑い声
そういう学校だからいつの間にか女優をやりたいなというふうに胸の奥に秘めていたんですよね。
区役所の間も、ずっといつかはそこから抜け出して女優さんをやりたいと思っていたんですね。
25歳で辞められて?そのあとに入団されたんですよね。
早稲田小劇場というところに入りました。
昭和42年に入団されたのが早稲田小劇場でした。
懐かしい。
どんな劇団なんですか?これはトレーニングです。
足腰の。
すごくおもしろい。
どういったお芝居をされていたんですか?
笑い声
六方を変えたものですね。
痛そう。
白石さんも激しい。
これは男の役なの。
すごいな。
うわわわわ!かっこいい。
本当の火ですよね。
ろうそくを持ったまま。
戦っているシーンですか。
そうですね。
自分の腹を切りましたね。
自分の刀でね。
ろうそく…。
気になる。
かっこいいな、これ。
この物語の続きが見たい。
気になりますね。
笑い声
クライマックスのいちばんいいところだったんでしょうね。
やっぱりパワーというものが、佐野さんがおっしゃっていたすごいですね。
すっかり忘れていました。
こんなことやりましたね。
当時、早稲田小劇場の大ファンだったというあの方にもお話を伺いました。
柄本≫サラリーマンのときに見に行った芝居が早稲小のアトリエでやっていた芝居でそれに白石さん出てらしたんですね。
それがとにかく強烈でおもしろくて。
せいぜい3間間口で奥がせいぜい2間あるかないかくらいの舞台で入ったとしても50人とかそこらへんですね。
そこで芝居が始まってね。
何か歌謡曲みたいなものが流れてそこで俳優が、こういうふうに六方を踏みながら出てくるんですよね。
くだらなくてね。
おかしくて、おかしくて。
くだらないってのは僕、よく使うんですけど。
それは、白石さんに代表されていくんですよね。
何かつきものがついたみたいに。
でも、絶対についていないと思うし…そういう言い方はあれなんだけどもちろん一生懸命やって目なんか寄っちゃってこんなふうになるんだけど…おかしくて、おかしくて。
だから、口がキューっとなるんですよね。
おかしかったですね。
直美≫くだらないというのは褒めことばなんですね。
足立≫なぜ早稲田小劇場に入ろうと思ったんですか?白石≫もう25歳だったからねそんなに行くところはたくさんはなくていろんな稽古場を見せてもらっていて早稲田小劇場の演出家の鈴木忠志さんという方がものすごくすてきだったんですね。
こんな演出家がいるんだと思って区役所すぐ辞めよと思ったんです。
そんなにぱんとここに絶対に入ろうと。
そうなんです。
だけど、みんなは迷惑がっていましたね。
この就職難のご時世に区役所を辞めてこんなところに入ってくるなんてちょっと頭がおかしいんじゃないかなって。
だから意地悪をして辞めさせろって。
そうなってたんですか。
そうなっていたらしい。
怖い。
私は鈍いから気が付かなかったんだけどね。
それでも演技をやりたいという気持ちを強く持っていたんですね。
そうですねなるべく長くいて私を演出家に見てもらいたいと思っていたんです。
迫真の演技ですけれどつきものがついたかのような迫真の演技だと柄本さんもおっしゃっていましたがどうやって生まれたとかいうことはあるんですか。
突然、あんなふうになったら変だものね。
この写真も、かなりですよ。
これはね刃物を研いでるシーンなの砥石が置いてあって。
怖いね。
ここまでどうやったら持っていけるのか。
1、2年の間に、こういうふうになったと思います。
演出家の鈴木さんの追い込み方が女優を追い込むその手法がすばらしかったんだと思いますけどね。
追い込まれたんですね。
うん、追い込まれた。
本当に普通の人は耐えられないと思うぐらい心身ともに、いろんなことを言われたり、やらされたりして追い込まれました。
それで生まれたのがあの迫真の演技なんですね。
その辺は、自分でも詳しくはよく分からないんだけどでも、やっぱり志があったから追い込まれると少しずつ積み上がりますよね。
その結果だと思うんだ。
すごいな。
そのあと転機が訪れますよね。
演出家の蜷川さんとの出会いです。
この写真は?「百物語」を22年間やって最後の作品を蜷川さんがいらした埼玉の芸術劇場でやらせていただいたの。
泉鏡花の「天守物語」というのをやらせていただいて。
そしたら、加代ちゃんって言って99回で終わる約束事になってるのね、「百物語」は100やっちゃうと本物の怖いものが出るからね99本のバラを持ってきたよ紅白だよってお祝いに持って来てくださったときの記念写真です。
蜷川さんとお知り合いになるきっかけは何だったんですか?いちばん最初にシェークスピアの「夏の夜の夢」という芝居でオファーがあったんです。
私はさっき見たような暗いお芝居しかやったことはないのに「夏の夜の夢」というのは祝祭劇じゃない。
お断りしようと思ったの。
そしたらね翻訳家が松岡和子さんがなぜ断るのよって怒ってきたの。
それで夜の森の女王様の役でね花冠をつけて、それを蜷川さんが作ってくださっていろんな思い出があってね最初はそれなの。
祝祭劇が似合うわけないと思ったらぴったりだったの。
白石さんが長年やってみたいと思っていた役が、ようやく蜷川さんの舞台で実現したんですね。
そうそう。
よく聞いてくださいました。
演じたのはどういった役ですか?蜷川さんってこういう美術がすばらしいんですよね。
義理のお母さんの役。
もう一度、もう二度、もう三度できることならお前を産みたい。
お前を妊娠してやりたい。
直美≫本当にすごい作品ですよね。
渡邊≫鳥肌が立ちました。
この役をどうしてもやりたいと思っていたんですね。
白石≫以前、歌舞伎でね合邦が辻という歌舞伎にも浄瑠璃にもあるんだけれど義理の母が義理の息子に恋をするお話でものすごく熱烈でそういうせりふを言いながら恋をしたんです。
一度、お勉強会でやったら手も足も出なかったんです。
生涯の私の課題だなと思っていたらお話が来たの。
説教節から出来上がっているんだけど義理の母が義理の息子に恋をする。
それに蜷川さんだしやらせていただきたいと思って夢がかなった作品だったんです。
白石さんとこの舞台で共演されたあの方にも聞きました。
藤原≫常に進歩、進化し続けたいって思っている加代子さんが僕としてはすごいなと思うし努力を惜しまないしすべてをやはり芝居にささげてるんだというところがかっこいいんですよね。
かっこいいし、優しいし。
蜷川さんが加代子さんに対して…それは当時、僕15から見ていてそれは思いましたね。
それはもう…加代子さんの表現によって蜷川さんが徐々に目を見開いていくと要は、すごいなと。
そこで「加代ちゃんはもう自由にやってください」と蜷川さんが言うわけですよ。
そうすると、僕なんかが分からないときがあったら「そういうときは加代ちゃんに聞きゃあいいんだよ」と蜷川さんも言ってましたけれども。
そうすると、加代子さんはまた「蜷川さんは私に何も言ってくれないの」ってまた言うようになるわけですね。
でも、それは僕から見ているといやいや、その、僕にね蜷川さんは、加代子さんに対する信用をよく聞いてましたからすごくそれは演出家と女優としてすごく、すてきだなと思うんですけど加代子さんに聞くと、いやいや竜也と蜷川さんの関係も羨ましいって言うわけです。
それはだからおもしろかったと思いますね。
蜷川さんと加代子さん蜷川さんと僕っていうのもまた結構、真逆の関係性でしたからそれは聞いてみたらおもしろいんじゃないのかなと思いますけれども。
足立≫真逆だったんですね。
竜也さん、ありがとう。
実は、突然来たとても若い男の子だったんですね。
ものすごい才能があって。
寺山修司の詩のことばを口に出して成立する子ってなかなかいないと思ったんです。
14歳のときです。
蜷川さんは大事だから同じ舞台の上に私はこっちのほうにいて竜也さんは反対側にいて囲うようにしてオーラを彼にかけているのよね。
本当に大事にしていて私は知らん顔されていてどうすればいいのという感じで羨ましがっていたのよ。
加代ちゃんみたいにばばあにいまさら言っても進歩ないんだもの、という感じだったのよ。
そんなのとは違いますよ。
オーラをかけてあげているの。
羨ましかったんですね。
藤原さんも蜷川さんと白石さんの関係が羨ましかったと言ってましたよ。
蜷川さんから白石さんは厳しくされたことはなかったんですか。
時々あるのね。
おもしろいことをぶすっと言ってくださるんだけどあるとき「夏の夜の夢」の妖精の女王の役をやっていたときに楽屋をコンコンとしてきょうのタイテーニアは妖精じゃなくて妖怪だったよとそういうことがあったりね。
分からないだろうと思ってきょうのどがつらいかなと思って上のほうに流す声でやっていたりするとちゃんと体に当たる声でやってよと分かったんだと思って大抵の人には分からないと思う。
でも蜷川さんには分かったのね。
たまにおっしゃいましたけれどもあとは、ほったらかしです。
信頼されていたんですね。
何作品も出られていましたけれど。
信頼というふうに思わなかったけれどもねでも楽しい方でした。
あの方の美術はどこに行っても高い評価を受けて普通は、演劇祭ではみんな演劇が好きな人だから群がるよ。
だけど蜷川さんは一般の人でもチケットがなくなるんだからすばらしかったですよ。
美術は高い評価を外国で受けていました。
常に進歩、進化したいとおっしゃっているというところが藤原さんはすごいとおっしゃっていました。
これから目指したいところはありますか?いつも私はくださる役をやってきたから、自分からこういう役をやりたいとあまり勉強しないんだよね。
不勉強なんだけど。
今回「ひよっこ」に出て思ったのはテレビのことは何も分からない。
こんなにたくさんカメラがあるけれどどこのカメラで私を撮っているのか。
ななみ≫ひゅ〜どろどろどろ〜。
お化けだぞ〜、うらめしや〜。
足立≫ななみちゃん、どうしたの?毎日暑いでしょどう?少しは涼しくなった?直美≫だいぶ涼しくなりました。
滑ってじゃないよね。
大丈夫だよ。
白石さん、こんにちは。
「百物語」をやっていたから幽霊とかお化けは好きでしょ?白石≫大嫌い。
怖いのは嫌なのね。
きょう最初に紹介するのはなんとも怖い怖いお話です。
≫ぞくぞくする異界の話を3本立てでお届けする「真夏の夜の異界への旅」。
古来より日本人の心の中にある鬼と、その伝説に迫る「鬼伝」。
鬼さん、こちら、手の鳴るほうへ。
稲川≫異様な姿の女が布団からはい出してきた。
うううっと。
いやああああああ!≫稲川淳二と清水崇、鈴木光司が怖い話の極意を明かす「怪談人」。
あ…。
ん?2人≫うわああああ!きゃあああ!≫日本各地の山岳に伝わる怖くて不思議な昔話「霊場伝説」。
あああ!ななみ≫ぞくぞくしちゃうよね。
さてさて夏には注目の番組がめじろ押し。
その中から2つ紹介するね。
「まるNフラッシュ」!≫アメリカが広島に投下した原子爆弾。
その年だけで14万人の命を奪ったとされますがいつ、どこで、どのように命が奪われていったのか詳細はいまだに分かっていません。
今回、広島市が集めた55万人以上の被爆者の記録を初めて入手。
そのビッグデータを解析して原爆による死、原爆死の全貌に迫ることにしました。
すると、これまで分からなかった死の実態が次々と浮かび上がってきたのです。
外国人の感性をフルに生かしてクールな日本の文化を発掘。
その魅力と秘密に迫る番組「cooljapan」。
今回のテーマは、夏の日本のグルメの定番、冷たい麺。
海外では、ほとんど冷たい麺を食べる文化は、ないといいます。
なぜ、暑い時期に冷たい食で体を冷やさないのでしょうか?冷たい麺から食文化の違いを探ります。
ななみ≫冷たい麺おいしそうだったね。
白石さんは冷たい麺は何が好き?白石≫稲庭うどんかな。
つるつるっと入っていくものね。
「ひよっこ」、ななみも大好きで毎日見ているんだけどこれからの見どころを教えて。
白石≫見どころね。
なかなか佳境に入ってきていますよね。
お父さんと巡り会えてよかったよね。
この先は心の問題があるから分からないけどねどうなっちゃうのかなというふうに思っているけど。
たくさんの恋が、いろんなところでなんとなく起こってくるかな。
きゅんきゅんしちゃう。
みんなのことを心配しているんだけど富さんも昔はどんな人だったのかもね。
気になりますね。
2017/08/05(土) 13:55〜14:55
NHK総合1・神戸
土曜スタジオパーク▽ゲスト 白石加代子[字]

ゲストは「ひよっこ」であかね荘の大家を演じる白石加代子さん。有村架純さん、和久井映見さんが見た素顔とは!?舞台で共演した高畑充希さん、佐野史郎さんを魅了した!?

詳細情報
番組内容
ゲストは連続テレビ小説「ひよっこ」であかね荘の大家、立花富を演じる白石加代子さん。有村架純さん、和久井映見さんが見た素顔とは!?白石さんの活動の中心である舞台をご紹介。共演した高畑充希さん、佐野史郎さんが白石さんの魅力を語ります。さらに白石さんの原点となった劇団「早稲田小劇場」時代や転機となった蜷川幸雄さんとの出会いについてもじっくりうかがいます!
出演者
【出演】白石加代子,【司会】渡辺直美,足立梨花,渡邊佐和子,【語り】鈴木麻里子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 番組紹介・お知らせ
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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