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2022年2月22日までに猫の殺処分をゼロに

現在は、岐阜市、大阪の心斎橋、東京の御茶ノ水の3つの場所で、自走型保護猫カフェ「ネコリパブリック(ネコリパ)」を運営しています。寄付はもちろんありがたいことですが、それだけでは継続した仕組みにならないので、猫カフェの料金やグッズ販売の売上で、自走できることを念頭に置いています。これまで会社を経営してきた力が生かされていますね。

ネコリパでは保護団体さんなどから引き受けた猫と触れ合うことができ、気に入った猫がいれば里親になることもできます。ただ、ここにいる猫たちは、一度悲しい思いをしてきた子たち。二度不幸にしたくないので、最期まで面倒を見てくれる方であるか審査も行っています。

また、ネコリパでは猫に興味を持つ人を増やすために、ヨガ教室や映画の上映会など、猫とは関係のないイベントも行っています。イベント目的で来た人に猫と触れ合ってもらい、猫好きを増やす啓蒙の場所でもあるんです。もちろん、ネコリパだけにこだわらず、様々な場所でイベントを開催したり、「ネコリペーパー」という猫の新聞を出すことによって、広く活動を知ってもらうこともしています。

私たちは、2022年の2月22日までに、日本での猫の殺処分をゼロにすることを目標にしています。現在は年間10万匹ほどの猫が殺処分されていますが、理論的には10万人の飼い主が増えたら、無くすことができます。

日本の猫は元来愛玩動物だったこともあり、人間と一緒に暮らさないと生きられない生き物。野良に放たれても野生化しませんし、寿命も飼い猫の1/5程度。そんな猫を増やさないために、飼い主を増やしていけたらと考えています。

また、それだけでなく、野良猫を増やさないことも同時に必要です。そのため、「TNR地域猫活動」というものを行っています。これは、野良猫を捕獲(Trap)して、避妊や去勢して中性化(Neuter)し、元の場所に戻す(Return)活動です。

猫は1年に4回出産できるので、そのまま放置しておくと、1年で50匹ほども野良猫が増えてしまいます。しかも、子猫は2時間毎にミルクを上げる必要があり、保護団体にとっても負担が大きいため、保健所に送られやすいんです。

殺処分されるためだけに生まれる悲しい命を増やさないために、TNR地域猫活動は必要なんです。実際、ドイツでは野良猫を見つけたら必ず通報する仕組みがあり、その結果、殺処分もゼロなんです。

また、TNRされた猫達は、間違えて何度も避妊、去勢をされないように、その印として耳をカットされます。そして、一代限りの命を全うしています。こういった、一般の人にはあまり知られていない情報を発信するのも、私たちの役目だと考えています。

目標を達成するため、ネコリパは2020年までに全都道府県に開きたいと考えています。岐阜に1店舗目を開いてから、予想していたよりも多くの人に賛同してもらえ、1年で大阪と東京にも店舗を開くことができました。これからも、同じ想いを持つ人達と一緒になり、猫のための支援活動をできたらと思います。

作成日:2015年08月28日


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河瀬 麻花 里親探しの自走型猫カフェ「ネコリパブリック」を運営する。また、ベーグル・スコーン・カヌレ・ネコ雑貨の通販を行う「エル・クアトロ・ギャッツ」を運営する。


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