自分の責任でベーグル専門店としてリニューアル
しかし、私も弟も岐阜の「モーニング文化」すら知らない状態で始めてしまったので、大失敗でした。東京のおしゃれな雰囲気を出せばお客さんが来ると勘違いしていたんです。
そんな時、旅の記録をするために趣味で作っていたWEBサイトのリンク仲間から、パンを送って欲しいと言われることがありました。最初は送料だけで届けていたのですが、思ったよりも好評だったので、次第に「通販として成り立つんじゃないか」と考えるようになりました。
それまではパン屋やお菓子を通販で売るなんて世の中では一般的ではありませんでした。しかし、実際に楽天でショップを出してみると、順調に数字は伸びていき、実店舗よりも売れるようになっていきました。
しかし、1年ほどしてお客さんも増えてきた頃、弟がまた修行に出ることになりました。そこで、売れていた中でも一番人気があったベーグルを工場でも作れるようにして、ベーグル専門店として再出発することにしたんです。
この時、会社の全責任を自分で背負ってみようと覚悟を決めました。正直、それまでは「自分がやりたいわけじゃない」という感覚もあって、大変なことがあるとすぐに周りのせいにしている自分がいました。何かあるとすぐに父や弟のせいにしてしまっていたのですが、そうやって不満を持ち続けるのはダメだと思っていたんです。
そして、1ヶ月お店を休業して、全て自分でコンセプトなども決めて、リニューアルオープンすることにしました。最初の商品を出荷する時ばかりは、さすがに胃が痛かったですね。自分で全て決めてたことがダメだったら、終わりですから。しかし、ありがたいことに多くのお客さんに買ってもらうことができ、業績も順調に伸びて楽天のショップ・オブ・ザ・イヤーにも選ばれるようになりました。