自民党の憲法改正草案を読んでみたら、アホな内容だった。
参戦選により改憲勢力が、衆参ともに3分の2を超えて、憲法改正案の発議ができるようになった。
憲法改正案の発議がでると、国民投票にかけられ、過半数の賛成で憲法が改正される。
既に、憲法改正に向けて動きだしているようだ。
<参院選>首相、民進に議論促す 来月3日にも内閣改造
この記事によると、安倍首相は、民進党の岡田克也代表に対して、憲法審査会での議論の応じるよう求めた。
それから、経済対策を打ちだすようだが、これは国民の歓心を買って憲法改正させる布石のような気がする。
国会で多数を占める自民党は、自前の憲法草案をベースに議論をするつもりだ。
そこで、自民党の憲法草案を読んでみたら、…ズコーー _(┐「ε:)_ といった感じだ。
まずは、
自民党草案前文 第一段落
日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国 民統合の象徴である天皇を戴 く(いただく)国家であって、 国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立 に基づいて統治される。
「長い歴史と固有の文化を持ち」と、「日本人は国家主義者の集まりです」とでも言いたげなフレーズで始まる。自民党支持者に対するアピールだろうか。
日本は天皇を象徴にしているのは知識として知っているし、それで構わないと思う。しかし、普段は天皇の存在を忘れて過ごしている。「戴く(いただく)」というと、天皇様を上に、国民は下に…という上下関係があることになる。それほど、敬っている自覚はないのだが……。
自民党草案前文 第二段落
我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災 害を乗り越えて発展し、今や国際社会において 重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外 国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に 貢献する。
「…発展し、」、「国際社会において重要な地位を占めており」と、お国自慢。
国家主義を強調してくる。
もう、読みたくなくなってきたが、我慢しよう。
自民党草案前文 第三段落
日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って 自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和 を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国 家を形成する。
なんと、「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って 自ら守り、」という宿題を与えられました。
「国家主義者になれ」というメッセージだろうか。勘弁して欲しいよ。
私は、国家主義と国際主義の間で、ちょうどいいところを探っていきたい。
「家族や社会全体が互いに助け合って」…この先を読むと、家族を強調している部分が出てくる。
価値観をグイグイ押しつけてくるね。あぁ、つらい。
自民党草案前文 第四段落
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と 自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、 活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
これは、自民党の政策目標か。
「日本のための自民党」ではなく、「自民党のための日本」なのか。
自民党草案前文 第五段落
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く 子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定 する。
いったい誰向けに書いたんだろう。
自民党の支持者は、これを読むと涙を流して喜ぶんだろうか。
自民党草案は、全部読んだが、ツッコミが追い付かないほど酷い。
これから、何回かに分けて条文毎の感想を書くつもりだ。
ちなみに、憲法を改正するなら、憲法42条が本丸だと思う。
現行憲法42条
国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
これを、こう変える。
国会は、衆議院でこれを構成する。
二院制から一院制に変わるのだが、どうなるか。
シンプルかつ低コストに。
衆議院と参議院のねじれ現象で起こって国会が停滞するようなことがなく、
政権与党がやり損ねると政権交代が起こるので、国政に適度な緊張感がある。
これが良さそうだ。
しかし、自民党草案を読む限りここを変更する気がないようだ。自民党が一院制をとれない理由についても、いずれ書くことにする。
関連記事
自民党の憲法改正草案は、「日本人改造計画書」
自民党は憲法改正草案に、「国防軍」や「緊急事態宣言」を盛り込んでいる。この部分は支持者に向けた選挙ポスター。
自民党の憲法改正草案に見え隠れする政権与党としての本音
「おしつけ憲法」を改正して、「やったね☆自民党」と言われるためにすべきこと。
100分de名著 坂口安吾 第三回 で紹介された「日本文化私観」には面白いことが書いてある。
スポンサーリンク
ブログランキング
にほんブログ村
>日本と外国の政治家同士がケンカしていても日本と外国の国民同士は仲良く会話したい。
至言ですねぇ。