蹴球探訪
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【格闘技】村田、エンダムと再戦 10・222017年8月4日 紙面から
5月のWBAミドル級王座決定戦で不可解な判定で敗れたロンドン五輪金メダリストの村田諒太(31)=帝拳=が、10月22日に東京・両国国技館で王者のアッサン・エンダム(33)=フランス=と再戦すると3日、所属ジムが発表。両選手が東京都内のホテルで会見した。村田は初の世界戦だった試合で4回にダウンを奪うなど攻めたが、1-2の判定で惜敗。割れた採点は物議を醸した。WBAは両者の再戦を命じ、村田の負けと採点したジャッジ2人を6カ月の資格停止処分とした。 村田の表情は明るかった。隣に座ったエンダムと時折言葉を交わし、笑顔で言葉をつむぐ。不可解判定から約2カ月半、村田は100人を超える報道陣を前に再戦へ心を躍らせていた。 「ベストを尽くすだけです。エンダムとの試合は、デビュー戦以外は自分の力を出しさえすれば勝てる試合ばかりだった僕にとって、自信になったし、あの試合が僕を作っている。試合も評価していただいたが、唯一手元にないのがチャンピオンベルト。必ず持って帰りたい」 5月、村田が4回に強烈な右でダウンを奪い、以降も強打で主導権を握りながらの判定負けは、世界的に物議をかもした。統括団体WBAの会長も、村田が勝っていたと自らのスコアを公開。村田の負けと採点したジャッジ2人を6カ月の資格停止処分にした。 だが、判定が覆るわけではない。村田本人も、不服をもらしたことは一度もなかった。WBAは再戦を指示。当初は他団体での世界再挑戦を視野に入れていた村田陣営も、これを受け入れ再戦が実現することになった。「他団体でもよかったが、プロとアマの違いはファンに喜んでいただけるかどうか。注目していただけるならこれがベスト」と、村田も再戦を歓迎した。 目指すはもちろん完全決着。「前回の試合、エンダムの回復力を警戒しすぎ、効かせたパンチがあっても後半のスタミナを考えすぎて詰め切れなかった。次はチャンスは逃しません」と村田。エンダムも「5月と同じ試合にはならない。村田も私を倒しにくる、私も村田を倒しにいく」と断言した。10・22は、重量級らしい打撃戦になりそうだ。 村田は6月から練習を再開。以降、常にエンダムを仮想敵として5月の試合で見えた課題に取り組んできた。その成果は、担当する田中トレーナーが「パンチ力、スピード、駆け引き、すべて進化している」と太鼓判を押すほどだ。大きくレベルアップした村田は、再戦で宿敵を倒して五輪金メダリストとして国内初の世界タイトルを奪い取る。 2013年8月にプロデビューした村田はこれまで13戦12勝(9KO)1敗。ミドル級で世界王座を獲得した日本選手は1995年の竹原慎二ただ一人で、日本のボクシング五輪メダリストがプロで世界王者となった例はない。 (藤本敏和)
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